マリグナント 狂暴な悪夢 感想
映画大好きな僕が唯一避け続けているジャンルのホラー。
再生ボタンを押す手前まで躊躇してたけど、押してしまったのでとにかく観てみた。
結論から言うと、なかなか一筋縄ではいかない作品だった。
自分なりのホラーの定義を整理しておくと、ホラーとは「監督の思想を反映しつつ世界観はミニマムに留め、設定の境界ギリギリにリアリティラインを残すことで、もし現実に起こったらあり得なくもないという恐怖を描くもの」だと思っている。
そのボーダーラインを飛び越えるたびに、ホラーとしての怖さは損なわれていくと、現時点ではそう判断している。
ITはその典型で全く怖くなかったし、逆に輪廻やSAW1は強烈すぎてトラウマ級の体験になった為、あくまで個人の匙加減だが、今回はそういう基準で臨んでみた。
その視点からすると、本作は一言で表すと「ガブリエルの復讐劇」と言っていい。
ホラーとして構えて観ていたのに、蓋を開けてみればミステリー×サイエンティフィック・ファンタジーの奇妙な融合で、正直困惑したというのが本音だ。
だからこそホラー苦手な方にも手放しに勧める事はできる内容なので、本作をホラー克服の皮切りに選択したのは正解だったのかも?
序盤に散見される不自然な動作や、輪郭の歪みに対しては終始違和感を拭えず、むしろ退屈な時間だった。
しかし、その蓄積が留置所での展開によって一挙に意味を与えられる構成には感心させられる。
演出上のノイズが、後半に至って必然へと転換されるさまは、本作の構造的な強みとして評価すべき点だろう。
個人的なノイズとしては、マリーが正気を取り戻し、ガブリエルを精神の牢獄に封じ込める場面。
まんま「NARUTO」のナルトと九尾の関係性そのままで思わず笑ってしまった。
