全長100mの岩肌をゆるやかに流れる「粟又の滝」でマイナスイオンを浴び、房総の小江戸「大多喜」で歴史にふれる旅【養老渓谷(千葉県)|自然探訪記】
近年の5月といえば、“さわやかな春”というよりも、夏のような暑い日も少なくない。
そんなときに訪れたくなる場所として、千葉県・房総半島の真ん中あたりに位置する養老渓谷がある。


2024年に訪れた際も、5月の暑い日だった。
その日は前日の雨も影響してか、水はそこまできれいではなかった。けれど、養老川を渡るための飛び石に腰をかけていたあの時間が、今でもずっと忘れられないでいる。
あまりに気持ちよくて、そして人がまったく通らないのをいいことに、ずっと石の上に居座り続けた。
手を伸ばせば届く水面。石を避けるように勢いよく流れる川の水。周囲を見渡せば、燦々と輝く新緑の森。
あそこにいるとなんだか、自分も川の流れの一部であるかのように思えてくるから不思議だ。
もし、マイナスイオンとは何か?と聞かれたら、きっとあのとき全身で浴びたものこそが答えだろうと思う。
(このときの自然探訪記は、またあらためて書く予定です)
というわけで、養老渓谷に再訪。
🌳とりあえずうまくた向かうべ

千葉県には、行きつけの道の駅がある。
その名も、「道の駅 木更津うまくたの里」。
千葉のどこに行くかにもよるんだけれど、房総半島の内陸が目的地の場合は、たいがい「木更津東IC」で高速を降りることになり、そのすぐ横にあるうまくたの里に毎回お世話になっている。
「インターチェンジのすぐ横」という場所がいいのはもちろんのこと、駐車場の規模とか、商品のラインナップとか、入り口に設置されたでっかいピーナッツのオブジェとか?、全体的にとても気に入っているのだ。
地元を出発する際は、「とりあえずうまくた向かうべ」といった感じで旅が始まる。


🌳小湊鉄道と並走しながら養老渓谷へ
うまくたの里から養老渓谷までは、車でだいたい30〜40分くらい。まずは、久留里方面へと向かう。(「くるり」ってかわいいね)
久留里駅前の道の近くを通るたび、「珈琲屋コトノ」というカフェが気になっているのだが、残念ながらまだ一度も行けていない。
T字路の突き当たりにある珈琲屋コトノを左に曲がり、県道大多喜君津線を道なりに進む。
すると、いつの間にか山々を身近に感じながらのドライブとなる。





タイミングよく小湊鉄道と並走することとなり、撮り鉄に負けじと車の窓から写真をパシャパシャ撮ってみた。
小湊鉄道やいすみ鉄道は、房総半島を横断する人気のローカル線として、旅番組でもしょっちゅう取り上げられている。
踏切脇に2名の撮り鉄を発見。バズーカみたいなカメラを抱えて電車が来るのを今か今かと待っている。たぶん、「あの車邪魔だな、うぜ〜」って言われていたと思う。w
🌳山の駅「喜楽里」でランチ
養老渓谷に着いてまず向かったのは、以前から気になっていた道の駅。その名も「山の駅 養老渓谷 喜楽里」。
どうやらここは「道の駅」ではなく、「山の駅」らしい。
「喜楽里」は、「きらり」と読む。さっきから「くるり」とか「きらり」とか、かわいい名称が多くて、そのうち「ゆるり」なんてのも出てくるんじゃなかろうか。
いつもはうまくたの里でランチや食材を調達することが多いのだが、今回は事前に喜楽里で調達しようと計画していた。
ただ、着いてみたら、残念ながら期待していたような食べ物は売っていなかった。
うまくたの里と比べると、規模もかなり小さいし、置いてある商品は主にお菓子や乾物などの「THE お土産」である。(小湊鉄道グッズなど、うまくたの里ではあまり見かけない商品がけっこうある)
ランチ問題を解決してくれたのは、同じ建物内に併設された「養老食堂」というお蕎麦屋さんだった。
ちょっと早いランチとなるけれど、この先お店があるかもわからないし、ということでいただきました、冷やしたぬきそば。

揚げ玉のほかには、山菜とワカメが乗っている。豊富な山と海の資源を有する千葉県らしいトッピング。最高です!
食事を終えて外に出ると、鮎の塩焼き売り場前に一匹のネコちゃんがゴロンとしていた。
そのネコを撮っていたら、鮎の塩焼き店のおじさんが「ははは、このネコは逃げないよ〜」と話しかけてきた。
振り返って、「そうなんですね〜」なんて返した瞬間、ネコはそそくさとどこかへ行ってしまった……

🌳こんなところに滝&洞窟が!?
喜楽里の駐車場付近をなんとなく散策していると、うれしいサプライズがあった。
なんとすぐ横に、「遠見の滝」という洞窟から流れ出る滝を発見。
山の駅 養老渓谷 喜楽里の敷地内にある「遠見の滝」は、江戸時代から続く“川廻し”の技術によって生まれた人工の滝。かつて新田開発のために川の流れを変えるために掘られたトンネルから水が流れ出し、人々の願いを叶える滝として親しまれてきました。
滝自体はとてもこじんまりとしたものなんだけど、洞窟の奥にも行けるようになっていて冒険心をくすぐられる。







思いがけないところで素敵な自然スポットに出会えたので、なんだか得した気分。
次はいよいよ、今回のメインスポットである「粟又の滝」へ向かう。
🌳全長約100mにわたってゆるやかな岩肌を流れ落ちる「粟又の滝」
山の駅 喜楽里から粟又駐車場までは、車でだいたい5分くらい。そしてそこから10分くらい歩くと、「YAMANEKO」というジェラート屋さんがあって、すぐ脇に粟又の滝に降りていける階段がある。






粟又の滝の正面に到着。全長100mほどの緩やかな岩場を流れてきた水が、こぞってここに流れ着く。
向かって真っ正面の岩場に先客がいなかったため、ありがたく長居させてもらった。流れ落ちる水を何も考えずにぼーっと眺める贅沢な時間。最高でしかない。
欲を言えば、もう少し爽やかな風でも吹いてもらって、このモッタリとした湿度を吹き飛ばしてほしい。なんてことを思ったりもしたのだが、降りそうな雨が降らなかっただけマシである。
🌳ヤマドリ、再び現る!?
粟又の滝周辺にある遊歩道を軽く散策し、そのまま駐車場へと戻る。
できれば、「滝めぐりハイキングコース」をぐるっと周りたかったのだが、遊歩道の一部が通行止めになっていたので引き返すことに。
養老渓谷のような場所では、大雨やら台風やらの影響で通行止めになることがよくあるので、事前のチェックが大切。
駐車場に戻ると、まだ時間もあるということで、まあまあ近くにある大多喜城に寄ってみることにした。
すると、前方右ななめ45度あたりの道路脇にでかい鳥を発見。
「ヤマドリか!?」と思い、急いでカメラを持って車を降りた。


ヤマドリか!?と思った鳥は、キジだった。
以前、養老渓谷の近くにある山の中で、ヤマドリのオスに出会えたことがある。
それまで、あんな尾っぽの長いゴージャスな鳥を動物園以外で見たことがなかったので、えらく感動した。
動物園の檻の中にいる飼われた動物と、森の中にいる野生の動物とでは、見え方がまったく違う。野生の迫力がある。
(そのときの様子は、以前こちらのnoteに書きました)
あとになって調べてみたら、ヤマドリは基本的に山地の深い森林にいて、人前にはあまり出てこないらしい。一方でキジは、農耕地周辺など人里に近い場所にも普通にいるらしい。


ヤマドリとキジでは、見た目も生態もまったく違うのだが、「千葉で出会うでっかい鳥=ヤマドリ」の印象が強過ぎたようで、お恥ずかしい。
ちなみに、ヤマドリとキジのメスはとても似ていて、どちらも地味な感じです。
🌳本多忠勝を初代城主とする大多喜城
養老渓谷から車で2、30分くらい走ると、大多喜城の駐車場に到着。駐車場からは、歩いて坂を登る。
すると、こぢんまりとした白い城が見えてくる。もしかしたら“こじんまり”なんていうと失礼かもしれないが、直近で見た小田原城と比べてしまうと、やはりこじんまりとしている。
城の横にある資料館?的な建物に入ってみると、入り口で甲冑のお出迎えを受けた。


展示されていた資料にざっと目を通したあと、すぐ隣にある城へと向かった。
のだが、残念ながら改修工事のため中には入れず。どうやら普段は、城内が博物館になっているらしい。
仕方なく城の周りをぐるっと一周だけして、駐車場へと戻ることにした。




🌳“房総の小江戸”と呼ばれる大多喜・城下町通り
せっかくなので、大多喜城からほど近い、いすみ線の大多喜駅と城下町通りにも寄ってみることにした。

駅名の上に書かれている「デンタルサポート」が気になったので、Claudeさんに聞いてみる。
「デンタルサポート大多喜駅」は、いすみ鉄道のネーミングライツ制度により、訪問歯科診療を手がけるデンタルサポート株式会社が命名権を取得した愛称です。沿線維持のための収入源として、いすみ鉄道が各駅の命名権を企業に販売する取り組みの一環となっています。
なるほどなるほど。沿線維持のための施策らしい。
歴史を売りにする町の駅名としてはイマイチな気がするけれど、いすみ鉄道や小湊鉄道みたいな路線を維持するには仕方がないのかもしれない。

歴史的建造物が立ち並ぶ城下町通りは、大多喜駅から歩いて5分くらいのところにある。
ド平日の17時前。城下町通りに観光客らしき人は歩いておらず、ほとんどのお店が閉まっていた。
(城下町通りの写真は撮り忘れました……)
🌳念願の海ほたるでお茶&晩ごはん
帰りの高速道路では、千葉では初めてと言っていいほどの大きな渋滞に巻き込まれた。これまで何度も千葉には足を運んでいるが、この規模の渋滞に遭遇したことは一度もない。
ただ、渋滞も悪いばっかりではない。ちょうど日が落ちてくるきれいな空をゆっくり見れるし、好きな音楽をゆっくり聴けるし、今日の出来事をゆっくり話せる。
360度を海と空が支配しているアクアライン上での渋滞なんて、ある意味でご褒美かもしれない。



海ほたるには何度も来たことがあるけれど、今回はある意味で“念願”だった。
千葉での自然探訪では、「帰りに海ほたるに寄る」ことが定番化しつつあったのだが、ここ最近はなぜだか寄ることができないでいた。
ぼけっとしてて通り過ぎてしまったり、駐車場まで入ったはいいものの、停めるところを探しているうちにそのまま出てしまったり(いったん出たら戻れない)……
そんなこんなで今回は、かなりの念願だったのだ。
海ほたるで晩ごはんを食べ、食後に外で夜景を見ながらスタバのコーヒーを飲む。
そんな「最高の締め」によって、今回の自然探訪は静かに幕を閉じた。

終
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