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海沿いの町の超低山ハイキング【高麗山〜湘南平|自然探訪記】

今回訪れた自然スポットは、神奈川県の大磯町と平塚市にまたがる「高麗山(こまやま) 〜 湘南平」のコース。高麗山の標高は168mほどなので、低山どころか「超低山」とも言えます。

超低山というカテゴリーに定義はないのですが、個人的には300m以下くらいから、そう呼んでいます(低山は一般的に1,000m以下の山を呼ぶことが多いです)。

このコースの特徴は、なんといっても「海が近い」ということ。大磯といえば「大磯ロングビーチ」を思い浮かべる人も多いかと思いますが、まさに海沿いの町です。

そんな町の主要駅である「大磯駅」からの道のりを、写真と文章で紹介します。今回もグッとくる自然美をたくさん蒐集できたので、ぜひご覧ください。




いざ、出発

下り坂の途中で2人の私に出会う。

駅前の坂を下っていると、パン屋さんの小さな看板を発見した。そういえば、朝から小さなヨーグルト(パルテノ)しか食べていない。さっそくコースを外れて、住宅街にあるパン屋さんに向かった。

のだけれど……

残念無念、定休日。

いやぁ、ここ最近ね、こういうことが本当に多くて。定休日だとか、時間制限だとか。そんな類のもに対して、ことごとく……なのですよ。泣

「桜さんお先です!」と、今年も一足先に咲いていた民家の梅
国道沿いの家に咲く白い花
廃業したガソリンスタンドのライト
高来神社の鳥居が見えてきた
趣がある高来神社
それぞれの願いがびっしり
あっちの方向に海がある。


高麗山ハイキングコース

高来神社(たかくじんじゃ)のすぐ裏手が高麗山へと続くハイキングコースの入り口になっています。駅からここまで寄り道しなければ、歩いて30分くらい。パン屋を探したり、コンビニに寄ったりした自分は、1時間くらい。

高麗山ハイキングコースは、入り口でいきなり「男坂」と「女坂」の二手に道が分かれています。今回は、地図を見た感じ少し距離が長そうな女坂をチョイス。たぶん、男坂の方が少し斜面が急で、距離が短いのかな。どっちも大した差はないと思うけれど、あなたならどっちを選ぶ?

犬を連れたハイカーとすれ違う。犬とハイキングもいいなぁ。
超低山といえど、舐めるな危険。
少し登るとさっそく海が見える
山と海に挟まれた大磯の町

少し登ると、さっそく海がお目見え。この日初めての海なので、まだ全然疲れてないけれど、ちょっと休憩して景色を楽しむ。「海の見える山にいるよ〜」なんて、SNSでアピってみる。

いろんな木、いろんな緑
木々の隙間から差し込む光を蒐集する
木漏れ日を拾う
「あっ」と思ったら撮る。
血管のように張り巡らされた細い枝のドローイング


自然美の蒐集

自然を好む理由はいくつかあるけれど、その中の一つとして「自然が創り出す造形美に心が惹かれる」があります。それは、美術館で観るアート作品のように「そこに必ず同じ状態で存在するもの」ではありません。

季節や天候はもちろんのこと、さまざまな条件によって見せる姿形が異なります。また、すごく素敵な造形美がそこに存在していたとしても、気がつくことができなければ、当然見ることができません。そこには「発見」というロマンもあります。

「心惹かれる自然の造形美を発見して集める」

その行為を僕は「蒐集」という言葉に集約して、好んで使っています。

「希望」を感じさせる光


季節を間違えた蝉

蝉の抜け殻

まだ2月だというのに、蝉の抜け殻があったんです。木製の道標にしっかりと。状態が綺麗だったので、去年の夏から残っていた可能性は低いんじゃないかな。

気候変動の影響?それとも季節を間違えちゃった?そのどちらだとしても、かわいそうだよね。やっとの思いで飛び立った世界は、どこにも仲間がいない世界。何を思っただろう。自分なら、何を思うだろう。

木の躍動感を捉える
左斜めと右斜め
木とツタの共生
あたたかい光
伐採された木
静かな森
いろんな木の共演。デザイン目線で見ても優秀。

自然の造形美ブランド

「自然の造形美をプロダクトに落とし込んだブランド」なんてどうだろう。素晴らしいデザインは、すでに自然の中にたくさん存在しているからね。あとはいかに、自分が発見・蒐集できるか。それを最適な形で、届けられるかどうか。

自分だけでどうにかなる話ではないけれど、こういう妄想は好きでよくしている。いろんな可能性を頭の中にストックしておけば、いざそのときが来たときに、軽やかにヒョイっと飛び乗れそうじゃん。ストックとストックを組み合わせれば、新しい何かが生まれたりもするし。


高麗山山頂へ

高麗山頂上へと続く石階段
山頂の祠

高麗山の山頂に到着。ハイキングコースの入り口から1時間半くらいかかった。普通に歩けばこんなにかかりません。たぶん、寄り道も休憩もしなければ、30分くらいで着くんじゃないかな。自分の場合は、観察しながら歩いているし、写真も頻繁に撮るし、予定のコースを外れて寄り道しちゃったりもするのでね。

このコースは、ちょうどいい感じで人がいる。平日の昼間で、たまーにすれ違う程度。山によっては、人っ子一人いない場合もあるからね。思い出すのは、丹沢の鐘ヶ嶽。そんなにマイナーな山でもないと思うんだけど、山の中で1人も見かけなかった。あのときはソロじゃなかったので、寂しくはなかったけどね。

カモフラ柄の木。樹脂の模様も色々あって面白い。
「カゴノキ」という木らしい。Googleレンズで検索してみた。
モノクロにしたくなる景色もある。
海とは反対側の景色が開けると、丹沢方面の山々が見える。あちらにも久しぶりに行きたい。
自然の中で人工物はあまり見たくないけれど、木の吊り橋は悪くない。
ここにも、私がいた
ウネウネしている木
複雑な形をしている木
ハロー、世界
明るい部分があれば、暗い部分もある。人間と一緒。
「なんかいい」を撮る
どっしりしている木
逆立ちした裸体


地衣類に魅せられて

良い色。

この木の樹皮に見えるものは、「地衣類(ちいるい)」と呼ばれる特殊な菌類らしい。

地衣類って何だろう?
地衣類とは、菌類の仲間で、必ず藻類と共生しているという特徴をもっています。菌類は、藻類と共生すると"地衣体" と呼ばれる特殊なからだを作ります。そして、地衣類を構成している菌と藻は、互いに助け合って生活しています。菌類は藻類に安定した住み家と生活に必要な水分を与えるかわりに、 藻類が光合成で作った栄養(炭水化物)を利用して生活します。両者の共生関係は非常に密接で、地衣体の形態、生理機能、繁殖のしかたなどは単独の生物と同じように遺伝します。つまり、あたかも独立した生物のように見えるというわけです。

国立科学博物館

ちらっと調べてみたところ、いろいろな姿形・色をした地衣類がいるみたいだね。地衣類から抽出した色や模様で、何かをつくったりするのも面白いんじゃないか。もともと「アースカラー」好きなので、この辺の色はとても好き。

これも地衣類だね
一緒に生きる
トゲトゲした幹。サンショウの木だと思われる。
休憩中のおじさま。


木と花の観察

高麗山の山頂から30分ほど進んだこの辺一帯は、すごく開けた広場のようになっています。さまざまな種類の木が生え、水仙が咲き乱れている場所もありました。椅子やテーブルがちょこちょこ用意されているので、休憩場所としてもすすめです。

ここまで来たら、湘南平までもう少し。絶景が待っています。

水仙がいっぱい


湘南平に到着

湘南平のテレビ塔

湘南平(高麗山公園)のシンボル「テレビ塔」が見えた。実はここに辿り着くまでに「高麗山(168m)〜八俵山(160m)〜浅間山(180m)」の順で、3つの山を超えています。どの山も200m以下なので、超低山の縦走でした。

湘南平から眺める相模湾
みんな大好き富士山
顔みたいで可愛い望遠鏡と富士山
展望台から見るテレビ塔
すべてを照らす太陽
展望台のサークル


カフェレストラン「海の上テラス」

席から相模湾が一望できる
トマトとベーコンのパスタ

15時過ぎ。遅めのお昼ご飯は、展望台にあるカフェレストランでいただきました。本当はプレートメニューから選びたかったんだけれど、なんか迷っちゃって。1番目立っていた「本日のパスタ」をチョイス。とても美味しゅうございました。

店内のお客さんは、自分を含めて3人。みんなソロ。カウンター席の女性もテーブル席の男性も、目の前に広がる絶景を眺めながらゆっくりしている。みんなで「食事を口に運ぶ → もぐもぐしながら景色を眺める」を繰り返す。美味しい食事と絶景を同時に味わえる贅沢な時間。

湘南平展望レストラン 海の上テラス
https://www.uminoue.com/


湘南平の梅
早咲きの桜
美しいシルエット


湘南平をあとにして

町へ下りる
日差しの色がほんのりオレンジがかってきた
だいぶ降りてきた太陽

ハイキングコースを抜けて住宅街に出ると、世界はすっかり夕方の色をしていた。山の麓にある立派な家々をキョロキョロ見渡しながら、駅へと歩を進める。

途中、広い空き地のような場所で、愛犬を連れた地元住民らしき女性たちが集まっていた。きっと毎日、愛犬を連れてこの場所に集まっているのだろう。気心知れた犬たちも嬉しそうに走り回っている。

そんなかけがえのない光景を横目に、トボトボと歩く余所者の私。「写真、撮りたいなぁ」なんて思いながらも、静かにその場をあとにした。

夕方の光を拾う
魚が泳ぐトンネル

無事に大磯駅に到着。名残惜しかったのか、そのまま電車には乗らず、駅前の店に吸い込まれた。どうやらここは、日本各地から集めた名産品を販売しているようだ。

うーん……。

大磯土産を求めていた私は、何も買わず静かに店を出た。

目の前の駅からは、家路を急ぐ人々がゾロゾロと出てくる。ベンチに腰を下ろし、その様子をボーッと眺める。とくに何も考えていない。ただただ、この駅の、この土地の日常を感じているだけだ。

さあ、そろそろ帰ろう。

自然探訪データ

【コース】大磯駅(S) → 高来神社 → 高麗山 → 八俵山 → 浅間山 → 湘南平 → 大磯駅(G)
【所要時間】約4時間半(撮影・観察・休憩・昼食込み)
【アクセス】JR東海道線「大磯駅」下車
【東京駅から大磯駅までの電車乗車時間】約1時間
【東京駅から大磯駅までの直線距離】58.028km
【難易度】★★☆☆☆(初心者でも楽しめる)

執筆・撮影・編集|岸部タクロウ



編集後記

本記事は、79枚の写真と4,000字以上の文章で構成されています。noteの記事としてはかなり写真が多いため、スクロールに疲れてしまった方がいるかもしれません。(ごめんなさい!)
ただ、たくさんの写真によって、このコースの魅力・雰囲気はだいぶ伝わったんじゃないかなと思っています。

大磯駅までは、横浜や川崎、東京から東海道線で1本。東京からの所要時間が1時間程度と、首都圏近郊の自然スポットとしては、かなりアクセスしやすい場所と言えます。

機会がありましたら、ぜひ訪れてみてください。その際は、ご報告をお待ちしています。(泣いて喜びます!笑)

では、次回の「自然を嗜むマガジン」をお楽しみに🌿

岸部

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岸部タクロウ(自然を嗜むひと)が運営する自然探訪メディアです。
グッとくる自然の造形美を発見・蒐集し、そこで得た感動や気づきを文章と写真で丁寧に記録します。

・「エッセイ × ガイド × ビジュアルアート」が一体となった、感性を刺激する独自コンテンツ
・東京駅から半径100km圏内を中心に、都市生活者でも気軽に訪れられる自然スポットの紹介

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