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蕾(つぼみ) 【詩】

様々な好奇心が
降り積もるようにして
いつのまにか少年の中に
夢や憧れと言う
映像をおびたものが
浮かんでくる

ころころと芽生え
結んだ蕾は
失望によって
多くを摘み取られ
残った蕾のひとつは
あきらめぬ優しさで秀でる

いつのまにか蕾は
ほころびかけ
クルマの形をしていた

生きる価値を
衣食住だけに限定することで
少年は大人の顔をしはじめる

良くできた大人の顔は
少年には退屈だったはずなのに

残った蕾は
好奇心という肥やしを失い
ほころびも見せぬままに
萎びていく

おじさんに落ちた少年

ふとした時に
まわりの子供たちに降り積もる
好奇心に驚く

少年の心が 恋しくなり
少年の触角が 欲しくなる

蕾は 
まだまだ枯れてない
花を咲かせる意志がある

好奇心という肥やしと
情熱という水で
再びほころび始めることができる

花が咲けば次の少年たちが指さし
同じ蕾をほころばせるだろう

 
肥やしと水は
インクの固まった万年筆や
留め具の錆びついたギターケースの中で

きっと出番を待っている



©ときやゆきべい 94
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