第2回 MANISHという"Distance"
最近、毎日聴いているのは"MANISH"の曲。
MANISHとはかつて活躍していたビーイング系の2人組のユニット。
まず自分はMANISHのド世代ではない。
MANISHを知ったキッカケは10年前以上にたまたまビーイング系にハマったことだった。
それから他の音楽を聴くようになってMANISHおよびビーイング系から数年間離れていたのだが、今再び舞い戻ってMANISH三昧。それはある一冊が理由だ。
『ザ・芸能界 首領たちの告白』(田崎健太)である。
ビーイングの創業者かつプロデューサーの長戸大幸は長年に渡り、一切の取材(約40年間)を受けてこなかったが、ついに本人がその重い口を開いた。内容としては長戸大幸の生い立ちからビーイング創世秘話で個々のアーティストとのエピソードはほとんどないものの、やはり本人が語ったという点(あるいは語らせた)が凄まじい快挙なのである。また、その他の芸能界の首領たちが当然のように名を連ねていると同時に、日本の芸能界の成り立ちと歴史も抑えることができる必読の書。
要は、裏側からまたMANISHに至るという、変な経緯ではあるわけだ。
MANISHとは?
MANISHのメンバーはヴォーカルの高橋美鈴、キーボードの西本麻里。活動期間は1992〜96年。デビュー曲は『恋人と呼べないDistance』。
Wikipediaによると事務所はスターダストに所属していたとされ、MANISH結成に至る経緯がなかなか興味深い。
まず2人は空手パフォーマンスグループ・アクションズというグループのメンバーで、そこから
『美少女戦士セーラームーン』の主題歌『ムーンライト伝説』の4人組のDALIとなり、2人組のMANISHとなったという。これはアイドルグループの時代錯誤→AKIKO(トリオ)→BOOMER(コンビ)の過程に似ている。
空手パフォーマンスグループ・アクションについては情報が少ないのでどんな活動をしていたのか分からないが、まずMANISHが好きなら、原点であるDALIを通る必要があるだろう。DALIの音楽制作もビーイングらしく、作曲の小諸鉄矢なる人物については川島だりあ説が長きに渡り説かれていた(実際は吉江一男氏)。
そう言っている自分はまだ『セーラームーン』は通っていない。きっとそのうち見る。
96年に活動休止となるが、98年にベストアルバムの『MANISH BEST -Escalation-』が復活の狼煙として発売され、活動再開の動きはあったもののそのまま引退に至ったようである。実際のことは分からないが96年に活動休止した背景に、所属事務所スターダストとビーイングの業務提携終了があったという。
MANISHのネーミングは英語のマニッシュ(男性のようなという意味)で、実際の単語の綴りは"MANNISH"と書く。そこからNを抜いてMANISH。MANISHの由来は諸説あるようだが、実際のことはよくわからない。同じビーイング系のB'zのようなネーミング神話となっている。
ヴィジュアルとしても圧倒的な存在感のあるMANISH。2人ともモデル系美人で、ヴォーカル・高橋美鈴はフレッシュさとシャープさを併せ持つフロントマン、キーボードの西本麻里は一歩引いた、どこかミステリアスな佇まい。2人が並ぶだけで役割が明確となっており、MANISHがそこで成立しているといえる。
作詞は高橋美鈴が基本的に担当(ビーイング系は基本的にヴォーカルが作詞するパターン)し、作曲も西本麻里が多い(ストックも多かったという)。
MANISHのシングル曲はタイアップなのでメロディーの耳心地の良く、かなり聴きやすい。
特筆すべき点は4thシングル『君が欲しい全部欲しい』は『COUNT DOWN TV』の初代テーマである。
高橋美鈴が担当した詞に限って言うと、恋愛の関係の破綻とすれ違いが多々見られるテーマで、"仕事・忙しい"などの言葉が何度か出てくる。失恋が描かれたとしても前向きな姿勢なので、メロディーと同じく聴き心地が良いのだ。
"ビーイング系"との出会い
自分がMANISHに至るまでの物語は、ビーイング系という旅そのもの。
その出発点はZARDだった。
自分は1993年という時代にこの世に生を受ける。その時代はまさにビーイング系ブームの幕開けである。
物心ついた頃、親の運転する車の中で流れていたのがZARDだった。
大黒摩季のCDも時折あったが、とにかくZARDのCDが鬼リピされ、当たり前の日常となっていく。きっとCDの盤面はキズだらけに違いないだろうが、その数だけ存在が耳から刻まれた。
それだけではない。
拍車をかけるようにブラウン管のテレビから、毎年『負けないで』が『24時間テレビ』(当然のことながら本人は出演しない)が聞こえてくるし、MANISHと同じくタイアップの曲も多い。
音楽の存在認識の起源がZARDとなるのは必然だった。ある意味、ビーイング系の英才教育を受けたといえよう。
しかし、それは音楽の存在認識の範疇を平然と超えて、CDジャケットの写真を見て「この人綺麗だな」と初めて思った女性がZARD=坂井泉水だった。男性はポニーテールが好きというが、自分の場合には根拠がある。
かといって、高校生まであまり音楽を聴いたり、買ったりする習慣はなかった。小遣いも少なかったのも要因にある。が、あることがキッカケでそれが習慣化していく。
中学時代、レンタルで東映版アニメ『遊⭐︎戯⭐︎王』のVHSを見たことだった。
作品にしろVHSにしろ、今となってはどちらともレアな存在となっているが、当時はVHSが撤去される直前だったのでギリギリのタイミングで視聴できたのは誠に幸運である。
その東映版『遊⭐︎戯⭐︎王』はOP・EDともにビーイング系。OP『渇いた叫び』はFIELD OF VIEW、ED『明日もし君が壊れても』はWANDS(ヴォーカルは和久二郎に交代)という鉄壁の布陣。いや、攻守共に優れていると言っても過言ではない。
だが、それだけではない。
『明日もし君が壊れても』の作詞はZARD=坂井泉水だったのだ(セルフカバー版も存在)。
なけなしのお小遣いをはたいて、高1でZARDのベストアルバム『Golden Best ~15th Anniversary~』、高3で
FIELD OF VIEWのベストアルバム『SINGLES COLLECTION+4』をブックオフで購入。
『SINGLES COLLECTION+4』には『渇いた叫び』は収録されていないものの、非常に美味しいアルバムである。
というのも、合計14曲収録されている内の4曲の、『DAN DAN 心魅かれてく』、『Last Good-bye』、『突然』、『君がいたから』の作詞は坂井泉水。しかも全てにセルフカバー版が存在している。
作詞の関係性をZARDで語ったが、ビーイング系のシステムとして作詞、そして作曲も他のビーイング・アーティストが担当していることが多い。そのひとつに目が向くと、芋づる式に他のアーティストたちを知ることになる。織田哲郎、栗林誠一郎、川島だりあ、小松未歩、上杉昇など・・・、その字面だけでも見覚えのあるアーティストばかりだろう。
つまりメロディーに耳を傾けつつも、同時に作詞・作曲したアーティストを頭で思い浮かべるという、歌っていない瞬間ですらビーイング・アーティストを意識してしまう構造なのだ。
その関係性は歌は主演の役者、作詞・作曲は脚本・監督的であり、著名な脚本家・監督なら映画やドラマを視聴しながらその存在を意識することと似ているだろう。
まさにその繋がりがビーイング系という惑星の引力と言える。
自分は高卒で就職。僅か1年ももたなかったが、会社員時代の給料でビーイング系CDを買い漁る。それが唯一の楽しみだった。
MANISHとの出会い
それは偶然だった。
とっくに正社員を辞めていた2014年だったと思う。ビーイング系を発掘作業真っ最中。また同時期にたまたまアニメ『スラムダンク』を見てもいた。
場所はブックオフの250円(当時)のCDコーナー。
その頃にはある程度、"目利き"ができていたのである。
目利きとはまずCDのジャケットの背表紙の会社レーベルに注目。すると脳内に蓄積されたレーベルのデータベースから"B-Gram・ZAIN・GIZA"という表記に反応できるようになる。きっとAIも真っ青だろう。
すると、あるCDに向かって手が動く。
それは直感に等しく、触角に来るという感覚だ。
CDに"ZAIN RECORDS"の表記アリ。
きたきた、これは・・・。
タイトルは確認する。
『MANISH』。
アーティスト名も同じくMANISH。
まだ見ぬビーイング・アーティストを見つけた瞬間!昂る鼓動の中、何の気なしにCDを裏返す。そこの収録曲を見ると、見覚えのある曲のタイトルすらあった。
『声にならないほどに愛しい』(2ndシングル)
それはWANDSの『complete of WANDS at the BEING studio』でセルフカバーをすでに聴いていた(MANISH版では上杉昇がバックコーラスを担当)。
言うまでもなく、『MANISH』を手にしてレジに直行。
それからMANISHについて調べると、アニメ『スラムダンク』のED『煌めく瞬間に捕われて』を歌っている事実を知ることになる!そう、OP・EDは全てビーイング系が担当している(BAAD、ZARD、WANDS、ZYYG大黒摩季)。が、その繋がりでアニメ『スラムダンク』を見たわけではなく、全くの偶然。偶然の偶然に引き寄せられたようだった。
それはビーイング系という構造的な繋がりを『スラムダンク』を通しても改めて知った瞬間だった。
それからまもなく同じブックオフの250〜500円のコーナーから、アルバム『INDIVIDUAL』・『Cheer!』を発掘し購入。
そのブックオフで色々とビーイング系のCDを多数購入し、小さい店ながら豊富な品揃えだったものの、近くに大型のブックオフができたためか、閉店してしまった。自分にとっては幾多のカルチャー発見の思い出の地だったので残念である。
アルバム
ここからMANISHのアルバムをサラッと触れていきたい。ベストアルバムまで触れたいところだが、本記事では長くなってしまうのでオリジナル・アルバムに留めておく。
『MANISH』
1stアルバム(収録曲は7曲なのでミニアルバム)。
アルバムのタイトルがバンド/ユニット名はビーイング系では割とよくあること。
デビュー曲の「恋人と呼べないDistance」は「130 Brand-New Mix」バージョンという新録・アレンジで、ベスト盤でもこちらが収録されることになる。デビュー版=シングル版は実質封印の扱いで、中古でもかなり高値。
シングル版とアルバム版を比較すると、シングル版は90年代初頭の打ち込み系サウンドという時代を感じる仕上がりかつ、高橋美鈴のヴォーカルも初々しい。一方、アルバム版は曲と歌唱も洗練されていて完成度は高いと言えるが、シングル版も『MANISH』のデビュー曲=はじまりとしては重要な存在だと聴き手としては思う。歴史の起源なのだから。
1stアルバム『MANISH』は後から見ればまだ成長過程。他の収録曲も初期っぽく、方向性はまだ定まっているとはいえないが、それでも全体的に聴きやすく、というか全部良曲だと思う。
他の収録曲(アルバム曲)で好きなのは『素直になれない』。タイトルの通りの内容で要は片思い?相手に強気=今でいうツンデレな態度に出てしまう主人公を歌ったものだが、歌詞の主人公像と高橋美鈴の声質はかなり合っている。
『INDIVIDUAL』
アルバム『MANISH』で成長過程と書いたのは、この2ndアルバム『INDIVIDUAL』から一気に高橋美鈴の歌唱力が一気に完成され、同時に曲の方向性も定まったと言えるからだ。1stアルバム『MANISH』から伸びっぷりが凄まじいということだ。高橋美鈴はこのアルバムが出た当時20歳だったようだが、歌声に貫禄すら漂う。
有名な話だが、ヴォイストレーナーは大黒摩季で声質と歌い方は被る。『煌めく瞬間に捕われて』などで両者を混同している人がチラホラ見受けられるが、違うのだ。
高橋美鈴は大黒摩季のパワフルさに比べてソフトな印象を受けるものの、やはり芯があって力強い。この辺りからスケールを感じる歌声になる。
収録曲の1〜3曲は『だけど 止められない』・『走り出せLonely Night』・『明日のStory』と派手なイントロと動きのあるシングル曲が続く中、4曲目はチェンジ・オブ・ペースの『ゆずれない瞬間』。個人的にかなりの名曲。また他のアルバム曲の『My Boy』・『いつでも君に会いたかった』はシングル曲の疾走感とは違うトーン低めのMANISHの魅力がある。
『Cheer!』
3rdアルバムにして、最後のオリジナルアルバム。MANISHの集大成ともいえる。
ここに来るともはや高橋美鈴の歌唱力に円熟みがかかっている。
トップバッター=1曲目は『煌めく瞬間に捕われて』。言わずがなMANISHの代表曲とされ、野球選手もテーマとして使っている人もいる。
シングル曲『眩しいくらいに・・・』はアルバムバージョンで収録され、シングル版とは違い限りなくシンプルなアレンジとなっている。
『さよなら Lazy Days』については今まで曲は打ち込み系だったが、この曲の前半はアコースティック・ギターを使用。シンプルめの曲調が高橋美鈴のヴォーカルの魅力を存分に引き立てていた。
他にもアルバム曲の『イラナイ』・『せつない自由』など完成度と楽曲の幅の広さ=可能性を感じさせながらも、やはり最後のオリジナル・アルバムとなってしまったのは非常に残念。
MANISHの特に好きな曲
『ゆずれない瞬間』
アルバムレビューで名曲と書いたが、トップクラスで好きな曲。
クオリティ的になんらかのタイアップのように思えるが、実はシングル曲ですらなく驚くことにアルバム曲にすぎない。ZARDでいう、『Oh my love』的な存在といえよう。
この曲は恋愛ではなく、夢追い人が現実の中で苦悩を抱えてもがきながらも前を向く気持ちを歌ったもの。高橋美鈴の歌声ももちろん力強いが、曲調も含めて優しさも漂う。曲の完成度も高く、ベストアルバム『complete of MANISH at the BEING studio』に収録されているのもその証左といえよう。
『イラナイ』
実はMANISH史上の問題作。
ラジオチューニングのSEから幕を開き、恋愛の歌でもなければ、夢の歌でもない。現状の不満をぶちまけた歌。しかも、"世界が終わっても"という大変物騒な文言が飛び出し、その時代性(ノストラダムス)とWANDSすら想起させる。サビには自己嫌悪のフレーズすらある。
高橋美鈴のエッジの効いた低音とサビの感情の高鳴りの緩急が、不穏な曲の世界観を成立させている。
アルバム『Cheer!』の収録順は2曲目で、もしかするとその並びはちょっと意味深である。それは1曲目の『煌めく瞬間に捕われて』の歌詞の中に"刺激が欲しい"ワードが登場するが、『イラナイ』にも同様に出てくる。どこか『煌めく瞬間に捕われて』を反転させたような歌詞なのだ。
また、『Cheer!』のレコーディング・ノーツ(ビーイング系のアルバムは入ってることが多い)の『イラナイ』ついて重要なことが触れてあるので引用したい。
"レコーディングも大詰めで、自宅とスタジオとの往復という毎日を送っていた中で書かれた歌詞には、主人公に高橋の気持ちが投影されているようだ。"
こういうテイストはこれが唯一で、今までがプロレスでいう爽やかなベビーフェイス的な路線なら、ここからはヒール路線も行けるぞと思わせる曲だった。
MANISHとしてもお気に入りなのか、ベストアルバム『Escalation』にも収録されている。
『せつない自由』
『せつない自由』は恋人と別れ、その未練の歌詞をバラードに乗せた曲。MANISHというと、アップテンポで力強いイメージが強いが、それとは対照的な曲である。
斬新なのがサビがないという点。前述のレコーディング・ノーツによると敢えてサビを作っていないらしく、Bメロが実質サビの役割を果たしている。サビがないため全体的に引き締まりがないが、それが別れた後の喪失感や行くあてのない浮遊感を醸し出しているようで、狙い通りの演出なのかもしれない。
『せつない自由』というタイトルもなかなか印象。
過去に知人から別れ話を聞いた時、恋人のいない孤独=消極的な自由という的な言葉が飛び出た瞬間、真っ先に『せつない自由』が頭に浮かび、タイトルの意味がよく分かった。
映像としてのMANISH
『LEGEND OF 90's J-ROCK BEST LIVE & CLIPS』
『LEGEND OF 90's J-ROCK BEST LIVE & CLIPS』を触れなければならない。
2枚組でDISC1はT-BOLAN、WANDS、DEEN、FIELD OF VIEW、栗林誠一郎のLIVEの一部を集めたもので、DISC2はさまざまなビーイングアーティストたちのMV集となっている。
しかしフルコーラスではなく、TVオンエア・サイズとして1コーラスものが多い(最初からフルコーラスバージョンは撮影していのかは不明)。だが、それでもかなりマニアックなチョイスでTWINZER(生沢佑一)『OH SHINY DAYS』や、川島だりあ『Shiny Days』・『Don't Look Back』などが収録されているのは素直に嬉しい。そして最大の個人的なポイントはMANISHのMVが収録されていること。
MANISH収録曲
・『声にならないほどに愛しい』
・『ゆずれない瞬間』
・『だけど 止められない』(以下、TVサイズ)
・『もう誰の目も気にしない』
・『明日のStory』
・『走り出せLonely Night』
・『煌めく瞬間に捕われて』
MANISHはCDのジャケットや歌詞カードではその姿はお目にかかれるものの、映像としてのMANISHは見れるのは強い。
MVはスタジオでの撮影が多く、時折2人が合間に?談笑しているシーンが映されており、断片的ながらも砕けた姿が垣間見れる。
そもそもMANISHの映像自体がかなり貴重だけど、やはりその時代にMANISHが"存在"していたんだとリアルタイムのファンではないからこそ、このDVDを通して知らしめられた。
高橋美鈴と西本麻里についてはフレッシュさとシャープさを併せ持つフロントマンと一歩引いた、どこかミステリアスな雰囲気の佇まいと表現したが、映像で見るとかなりそのイメージが鮮明で、特に高橋美鈴の存在感=姉さん感がとても強く、カッコいい。
そしてアルバム曲の『ゆずれない瞬間』はフルコーラスでの収録(『声にならないほどに愛しい』は小節の一部カットされている)。曲のクオリティーはさることながら、わざわざMV撮影しているのにシングル曲にならなかったの何度も言うが勿体無い。というか、好きな曲のMVがフルコーラスなのは最高である。
『THE BEST OF TV ANIMATION SLAM DUNK~Single Collection~』
アニメ『スラムダンク』の主題歌集。
特典DISCにはアニメのOP・ED映像とともに、ビーイング系の1分30秒の音楽番組『NO.』(ワンコーラス分のMVが流れる)と主題歌CDのテレビスポット(CM)も収録。貴重である。
アニメで使われた「煌めく瞬間に捕われて」はキー下げ・別アレンジ版(こっちも良い)。
『NO.』版のMVは『LEGEND OF 90's J-ROCK BEST LIVE & CLIPS』と微々に映像が違う。ここはかなりポイントが高いぞ!
ビーイング系とMANISHと・・・
ビーイング系。それは確実に90年代を象徴する音楽=J-Popの申し子だろう。
傾向として曲・歌詞と共にとても耳心地も良く、番組のタイアップもかなり多い。だからこそ、その世代の日常に溶け込み、代表する存在であろう。
がその反面、量産的で歌詞はヴォーカルが書いていても個人の感情的が一部のアーティストを除いて見えづらい印象を受ける。それはビーイング系チューニングといえ、"功罪"でもあろう。その辺が"ビーイング系ダサい"とされる所以かもしれない。
これはプロレス団体のWWF/WWEにおける、入団した選手が(最近ではその傾向は薄れたが)何らかのギミック=キャラ付けされた上でデビューすることと似ている。もちろん、それで上手くいかなかったケースも多々ある。
しかし、ビーイングは日本の国民的ソングを数々生み出していて、風物詩的存在かつ応援歌ZARDの『負けないで』、B.B QUEENSの『おどるポンポンコリン』など、世代を超えた永遠のスタンダードがそこにある。
音楽性・作家性はミュージシャンの魅力のそのの。その一方、Popさも魅力のひとつであって、曲の最初の遭遇もそのPopさであることが常だ。多くの人間に届かなければ、存在すら知られない。
かつてビーイングの黄金期のアーティストのひとりであった上杉昇は現在、自身の追求する音楽を突き詰めているが、WANDS時代を振り返った時、今となってはその時代を肯定できているが、長年に渡る否定的な想いがあったことも明かしている。
ビーイングの功罪もあって、こちらも受け手として手放しに評価できなかったり、複雑な想いになることは多々ある。
その中で、MANISHは事務所の事情的なことなのか、それは分からないけど表舞台から降りて行った。本来は活動再起の狼煙になるはずだった『MANISH BEST -Escalation-』の最後のトラックは『声にならないほどに愛しい』のカップリング曲『DREAM AGAIN』。きっとそこに思いが込められていたような気もする。
最近の歌手は親しみやすさや共感を得るためにか、こちら側の目線に降りてくることが多く、距離感も近い。しかもSNSも手伝っていろんな側面から追うことが可能だ。
しかし、今となっては断片的な形=CDやMVなどでしかMANISHを追うことしかできない。だからこそ、一定の"Distance"がずっと保たれ続けている。
かなり長くなってしまった。
4〜6月と気温の変化でなかなか記事の執筆に集中できずに2ヵ月も要した。また、物語なら記事としてどのように書けば良いかはイメージがつくが、音楽となる話は変わる。ギターを習っているもののジャンルや曲調、楽器等も詳しくないので説明が難しい。
そのためにMANISHを書くと決めた時、毎日MANISHを聴き、パートの出勤前にはMVを見るというルーティンを繰り返すことで、自分の中でのMANISH像を明確にしていった。
しかも電車移動の際にMANISHを聴くためにワイヤレス・イヤフォンまで買ったぞ!
おかげで『煌めく瞬間に捕われて』を聴く移動中はまるで"湘南に行くような"高揚感に包まれる。
そして何より、書く前よりも確実にMANISHが好きになっているし、これからもずっとMANISHを聴くだろう。
