感情を観察することで見えてきた、心の静けさと新しい怖さ
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感情を観察する習慣を始めて、そろそろ二ヶ月ほどになります。
この間、心の内側にはいくつかの変化がありましたが、特に印象的だったのは、以前よりも「静けさ」が増してきたことでした。
怒りに巻き込まれたり、落ち込みに沈んだりする時間が少しずつ減っていき、感情そのものを“そのまま眺める”ことが自然になってきたのです。
けれど、思いもよらない変化もありました。
心が静まった一方で、他人の怒りや悲しみが、以前よりも強く胸に刺さるようになってきたのです。
これは不調なのか、それとも別の段階に入ったということなのか──そんな疑問と共に、この二ヶ月を振り返ってみたいと思います。
二ヶ月の練習で育っていった、心の静けさ
最初は、感情を観察するなんて難しいことだと思っていました。
けれど実際にやってみると、「観察する」という行為そのものが、心を少しずつ落ち着けてくれることに気づきました。
たとえば、ふとした瞬間に不安が浮かんだり、理由もなく苛立ちが生まれたりすることがあります。
そのたびに「いま、不安があるな」「これは怒りの気配だな」というように、心の中の動きを名前を付けるようにして見つめてきました。
すると、感情がこちらを巻き込む前に、その“姿”が少しだけ見えるようになっていきました。
心の静けさは、こうした小さな練習の積み重ねで育っていったのだと思います。
心が静かになったら、外の刺激が痛くなった
意外だったのは、静けさが増すほどに、他人の感情が強く感じられるようになってきたことです。
怒られているわけでも、責められているわけでもないのに、相手の怒りの気配や沈むような悲しみが、以前より鮮明に胸に響くようになりました。
まるで、湖の水面が静かになったからこそ、小さな石の音でもよく聞こえるような感覚でした。
仏教には「心湖(しんこ)」という例えがあります。
心がざわついていると波立ってしまい、何が起きているのか見えなくなる。
逆に心が静かだと、小さな変化でも明確にわかる。
今の私は、ちょうどこの“静かすぎて敏感になる時期”に入っているのだと思います。
メタ認知が育つと、多くの人が似た変化を経験するそうです。
それを知ったとき、「これは弱さではないのかもしれない」と少し安心できました。
刺さってしまった日のこと
最近、ある出来事がありました。
詳細は控えますが、相手の怒りや悲しみが、直接言葉として向けられ、強く胸に刺さってしまいました。
長い話し合いで、そのときの気配だけが胸に残るような感覚があり、それ以降、少し調子を崩していました。
「どうしてこんなに影響を受けてしまうんだろう」
そう考えながら、心が静かになったのに揺れやすくなっている自分に、複雑な気持ちを抱きました。
でも振り返ってみると、怖かったのは相手の感情そのものではなく、
“怒りや悲しみが自分に向けられるかもしれない”
という可能性だったのだと思います。
これは過去の経験や、共感しやすい性質とも関係している気がします。
他人の気分で振り回された経験があると、どうしても敏感になりやすいのかもしれません。
そして、自分がもともと「人の感情に入り込みやすい性質」を持っていることにも改めて気づきました。
こうした怖さは、今の私にとって自然な反応なのだと思います。
この揺れは“不調”ではなく“調整期間”
他人の感情が刺さりやすくなったのは、観察する心が育ったことによる変化で、多くの人が通る段階だと言われています。
心の境界が少し薄くなっているような状態で、外からの刺激が入りやすくなっているのだと思います。
だからこれは“不調”ではありません。
ただ、環境との距離の取り方を調整している時期なのだと捉えるようにしています。
そんな時期だからこそ、
焚き火、静かな時間、子どもの笑顔、好きな仕事の時間、そしてクリエイティブに没頭できる“ゆるこみ作成時間”など、
自分にとっての“安全基地”のような場所が本当に大切になってきます。
こうした場所は、心が揺れたときの回復を助けてくれます。
そしてもうひとつ意識しているのは、
「他人の感情は相手の内側の問題であって、自分の責任ではない」
という確認です。
言葉にすると当たり前のようですが、心の深いところに落ちるまでには、やっぱり少し時間が必要なのだと感じます。
静けさの中に生まれた揺れは、前に進んでいるサイン
振り返ってみると、今感じている揺れは
「観察が深まったからこそ見えるようになった景色」
なのだと感じています。
心の静けさが育つと、外の刺激が強く見える時期があり、そこからゆっくりと心の境界が整っていきます。
今の私は、そのプロセスのちょうど途中にいるのだと思います。
まだ調整期間の真ん中ではありますが、
これを抜けた先には、もっと穏やかで、もっと軽く生きられる場所が見えてくるはずです。
焦らなくて大丈夫です。
ゆっくり、静かに、このまま進んでいけばいい。
これからも、自分の心の中で起きている変化を受け止めながら、観察を続けていきたいと思います。
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