連作短篇小説「河童少年のモイモイモイスチャー日記 Day 22」(2025年11月27日)
『ちょっとだけカッパー』――今期放送してるドラマの中に河童が入り込めそうなタイトルがあったので、ちょっとだけモジッてみた。
もちろん原題は『ちょっとだけエスパー』だけど、人がちょっとだけ河童になったらいったいどうなるんだろう。頭頂部だけちょっと薄くなるとか、肌がちょっとだけ潤うとか、背筋がちょっとだけ甲羅みたく割れるとか、きゅうりがだいぶ好きになるとか。
きゅうりは人間だってもともとちょっとだけ好きみたいだから、ちょっとだけ河童になると「ちょっと×ちょっと=だいぶ」好きになるっていう計算。
肌が潤うのはお母さまがたに喜ばれそうだけど、ちょっと生臭くはなるのでどっちを取るかってのはある。人間の場合、腹筋が6つに割れていると格好いいってことになってるらしいけど、あれの何がそんなにいいのかわからない。
それを言ったら河童の背中=甲羅は常に6パックだか何パックだか数えたことはないけど割れてるっちゃあ割れてるというか、くっきり線が入ってるわけだけど、格好いいとか羨ましいとか抱かれたいとか一回も言われたことはない。やっぱりだいぶ湿ってるからだろうか。
ほかにもいまやってるドラマはいろいろあるけど、『新東京水上警察』ってドラマはなんだか河童の敵っぽい題名なので観ていない。やっぱり河童が川を泳いでるだけで、不当に逮捕されたりする展開もあるんだろうか。川の治安を守ってくれるならいいんだけど、普通に泳いでるだけで通報されるとか結構あるからな。
そういえば刑事ドラマの『相棒』はもうシーズン24になってるみたいだけど、そろそろ相棒を河童にしてみたらどうだろうか。右京さんがむやみに高いとこからいれる紅茶の熱いしぶきが飛びはねてこないかどうか、河童的にはいつも気が気じゃないとは思うけど。
『小さい頃は、神様がいて』と言われると、「河童もいて」と題名にひとことつけ足したくなってくるし、『じゃあ、あんたが作ってみろよ』と言われたら、すぐ「河童の川流れ」とか言ってくる奴らに『じゃあ、あんたが泳いでみろよ』って言い返したくなってくる。
あと、『ザ・ロイヤルファミリー』ってもしかしてウチのことかと思ったけど実際には馬の話みたいで、『シバのおきて~われら犬バカ編集部~』なんて犬のドラマまであるのに、どうして河童のドラマがないんだろう。やっぱりちょっとどころではなく湿ってるからだろうか。
こうなったら『もしもこの世が舞台なら、 楽屋はどこにあるのだろう』の続編で、『もしもこの世が舞台なら、 河童はどこにいるのだろう』ってのはどうでしょうか三谷先生。楽屋の場所なんかより、河童のいる場所のほうがよっぽど気になると思うんだけど。河童はここにいるよ、君の心の中にもいるよ。
【Day 23】
【Day 1】
