ボクは、オリジナルの何を見ているのか。:1976年への参加記録 #01
「オリジナルに忠実ですか?」
そう聞かれることがあります。
答えは、「はい」でもあり、「いいえ」でもあります。
ボクにとってオリジナルとは、1976年に生まれたアナーキーシャツです。
■ 先人のレプリカから、オリジナルへ
最初に手本にしたのは、精巧なレプリカでした。
先人たち(アナーキーシャツ職人の)の作品であれば、細部まで深く研究されていると考えたからです。
やがて制作を重ねる中で、少しずつアナーキーシャツへの理解が深まり、オリジナルを観察するようになりました。
■ 勢いの痕跡を受け取る
ヴィヴィアンやジョーダン、マルコムたちが作り出したオリジナルには、整いすぎていない部分があります。
手を動かしたときの勢いや衝動が、そのまま布の上に残っているように見えました。
ボクがオリジナルから受け取ったのは、その「ラフな印象」です。
■ 解釈と技術の配置
受け取ったニュアンス。
その勢いのあるラフさは、これまでに培った感性や感覚で演出する。
そして、丁寧に作るべきところは、あくまで丁寧に作る。
オリジナルが持つ特有の空気を、自分自身の技術と判断で表現しています。
ボクは、オリジナルをそのまま写し取りたいわけではありません。
そこから発せられている「何か」を自分なりに受け取り、現代の衣服として形にしたいのです。
仮にオリジナルを目の前にしたとしても、ボクは答え合わせをするのではありません。
また新しく観察し、自らの作品へ反映させていくだけです。
