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小鳥のなっちゃん 5 がんばった幼稚園の運動会

なっちゃん泣かなくなったよ

ばあちゃんが笑顔で教えてくれました。
もう幼稚園バスに乗るときは泣かなくても大丈夫になったと嬉しそうに教えてくれました。

先生からのお便りにも

幼稚園の中でも泣かなくなりました。
もうちょっと経つともっと元気になりますよ。
大丈夫ですよ。

と書いてありました。

家族みんなホッとしました。

しばらくすると

幼稚園の運動会の練習をしています。

というお便りが入ってきました。


なっちゃんは

かけっこ 一番はやいんだよ!!
らじおたいそうも、おどりも
いちばん じょうずだよ!!

と教えてくれました。

うんどうかいで
いっとうしょうとるから
みにきてね!!

みんなは笑顔で

見に行くよ!
応援するからね!
楽しみだね!

と声をかけました。

そして運動会当日
なっちゃんは緊張して元気がありませんでしたが
それでも幼稚園バスに乗って行くことが出来ました。

お母さん、お父さん、お婆ちゃん、おじいちゃんが
幼稚園のグランドに到着すると
子どもたちの可愛い姿を見ようと沢山の鳥たちが
ガヤガヤと集まっていました。
まだまだ増えそうです。
みんな楽しそうに話をしながらシートを敷いています。

しばらくすると幼稚園から子どもたちが出てきました。
なっちゃんはどこかな?
みんなで一生懸命探します。

あっ!!
なっちゃんだ!!

なっちゃんはシクシクと泣いていました。
みんなは心配になりました。

ほどなくしてラジオ体操の音楽が始まりましたが
なっちゃんは泣き止みません。
とても上手に出来るよと言っていたのに
なっちゃんは肩を揺らしながら泣いています。

知らない人がいっぱいで緊張してるんだね

みんなは心配になりましたが

そのうち泣き止むよね

と言いながら見守りました。

ラジオ体操が終わるとみんなは、先生に連れられて席に戻りました。
席でもまだ泣いています。
他に泣いている子はいません。
なっちゃんが泣いている間も運動会は進み
かけっこ競争の順番がやってきました。

どの子も一生懸命走っています。
まだ泣いているなっちゃんを見て、お父さんは

なっちゃん走れるかな?

と心配になりました。ラジオ体操が出来なかった様子を見たあとだったので
家族みんなも同じことを思っていたようで、大丈夫だよとは誰も言いませんでした。

とうとう、なっちゃんたちの順番になりました。
まだなっちゃんは泣いています。泣きすぎて目の周りが真っ赤です。

先生がなっちゃんたちに声をかけました。

それでは行きますよ!

位置について!!
よーい
ドン!!

なっちゃんは泣きながら走り出しました。
凄いスピードで走りました。
泣きながら、他の友達が追いつけないくらい速いスピードです。
そのまま圧倒的速さでゴール!!

先生から
おめでとう!!
と言われてもまだまだ泣き止めません。

泣きながら一等賞を取った姿に
お母さん、お父さん、お婆ちゃん、おじいちゃんは
なっちゃんらしいね!
と言いながら笑顔になりました。


年中さん、年長さんのかけっこも終わり
年少さんと保護者の踊りの順番がやってきました。
なっちゃんの出番ですが、まだ泣いています。

保護者の方は、大きな輪になっているお子さんの隣に並んでください
と先生が言いました。
お母さんはなっちゃんのところに行き

なっちゃんの上手な踊り見せてくれる?
一緒におどろうね。
お母さんにおどり教えてくれる?

と話しかけましたが、まだまだ泣き止めません。
お母さんの服のスソを掴んで、シクシクと泣いています。

踊りが始まり、お母さんは他の人たちの真似をしながら
踊ろうとしますが、なっちゃんはお母さんの服のスソを
必死で掴んで泣いています。

しまいにはお母さんのオシャレな薄い上着のスソは切れてしまいました。
なっちゃんは少しも踊ることなく終わってしまいました。

そのようにして
なっちゃんの初めての運動会は終わりました。

帰りは家族と一緒に帰ります。
帰り道でお母さんは

なっちゃんがいっつも泣いているから恥ずかしかった
他に泣いている子はいなかったよ

と言いましたが
お父さんは

でも、かけっこ一等賞だったね!!速かったね!!

と、なっちゃんを褒めました。
お婆ちゃんと、おじいちゃんも

泣いている割には速かったね

と笑いました。
お母さんも

泣いているのに誰よりも速かった

と笑いました。
来年泣かなかったら、もっと速く走れるんじゃない?
と言いながらみんなで笑いながら帰りました。

この日にお父さんが撮った写真は
泣いているなっちゃんしか写っていませんが
この写真はこの先も、いつまでも、いつも
家族みんなを穏やかな笑顔にさせました。




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