映画『ツイスターズ』
大きな竜巻と言えばアメリカの「トルネード・アレイ(Tornado Alley)」と呼ばれる中部の平原地帯が有名。特にテキサス州、オクラホマ州、カンザス州、ネブラスカ州、ミズーリ州などが竜巻の発生源として知られている。
この地域はメキシコ湾からの暖かく湿った空気と、ロッキー山脈からの冷たい空気がぶつかるため、世界でも最も多くの竜巻が発生している。
その数、年間平均で約1,200~1,300件と言われ、数千棟規模の建物被害と、毎年平均して約55人が犠牲になっている。大規模竜巻では1件で10億~20億ドル(約1,000~2,000億円)の被害額というからスケールの大きさが違う。
竜巻が恐ろしいのは、その強大なエネルギーもさることながら、いつ何処で発生するか、発生したらどちらに進むのか予測が難しい点にある。ひとたび襲撃されたら街が一つ無くなるくらいの自然災害になるのだからひとたまりもない。
そうした竜巻を追いかけるストームチェイサーと呼ばれる人々がいる。趣味やユーチューバーとして活躍している人もいれば、竜巻の予報精度を上げるために挑んでいる研究者たちもいる。この映画は、そうした人々の物語だ。
この映画、脚本が良い。
端的に言えば、ただの災害パニック映画なのだが、鑑賞後の満足感が高いのは脚本の力によるものだと思っている。竜巻を追いかけているうちに巻き込まれて大変な目に遭うというだけでは無いストーリーと、ウィットに富んだ台詞回しが小気味良い。
ただし災害にトラウマがある人は注意した方が良いだろう。
極めて自然で作りもの感が無いVFXが素晴らしいのはもちろん、誇張し過ぎない効果演出とサウンド・デザインが物語を引き締めている。
竜巻の様な流体をコンピューターグラフィックスでここまでリアルに描けるようになったことも興味深い。
映画の中でも、ここ最近は竜巻が増えているという台詞があるが、ここのところ日本でも竜巻が増えている。アメリカほど大きなものでは無いが、それでも竜巻が通過したエリアは壊滅的な被害を被るから他人事ではない。
いざ遭遇した時にどのような行動が生死を分けるのか、それを学べるところも価値ある映画だと思った。
おわり
