A級になれる人は、才能があるのか――競技かるたの「素質」と「練習量」を本気で考える
「結局、A級になれる人は才能があるのでしょうか」
「A級でも勝てる人は、もともとの素質が違うのでしょうか」
競技かるたを続けていると、一度は考えることだと思います。
同じ時期に始めたのに、どんどん昇級していく人がいる。
練習量は同じくらいに見えるのに、自分より速くなる人がいる。
札を覚えるのが速く、上の級にも臆せず勝つ人がいる。
そういう人を見ると、
「自分には才能がないのかもしれない」
と思ってしまうことがあります。
これはかなり難しい話です。
ただ、先に自分の考えを言うと、全体的には、
練習量、言語化、考える量
がめちゃくちゃ大事だと思っています。
もちろん、才能や素質がまったく関係ないとは思いません。
感じが良い。
反応が速い。
加速しやすい。
暗記が得意。
運動神経が良い。
身長が高い。
腕が長い。
勝負所で落ち着ける。
こうした部分には、最初からかなり個人差があると思います。
始めたばかりなのに感じが良い人もいる。
動き方をほとんど教わっていないのに、自然に体を使える人もいる。
札を覚えるのが速い人も、本番で普段以上の力を出せる人もいる。
そういう意味で、才能や素質はたぶんあります。
ただ、自分は才能を、
あるか、ないか
だけで考えない方がいいと思っています。
むしろ、
自分の中で、どこが良くて、どこが苦手なのか
という話に近い気がします。
感じは良いけれど、払いが安定しない人もいる。
運動神経は良いけれど、暗記が雑な人もいる。
腕は長いけれど、札際が弱い人もいる。
反応は速いけれど、お手つきが多い人もいる。
暗記は強いけれど、相手陣への攻めが遅い人もいる。
体格的には不利でも、配置や暗記、送り札、試合運びがめちゃくちゃ上手い人もいる。
だから、
素質が良い人が、そのまま強くなる
というより、
自分の良いところを、かるたの中で活かせる人が強くなる
のだと思います。
才能は、持っているだけでは強さにならない
感じが良くても、動きが悪ければ取れません。
加速しやすくても、札の場所が入っていなければ出られません。
腕が長くても、手の出し方が雑なら札際で負けます。
運動神経が良くても、決まり字変化を追えなければお手つきします。
暗記が得意でも、試合中に使える暗記になっていなければ意味がありません。
才能や素質は、持っているだけでは強さにならないと思います。
それを、かるたの中で使える形にするために練習が必要です。
払い練をする。
札流しをする。
暗記練をする。
試合をする。
感想戦をする。
動画を見る。
自分の取りを振り返る。
苦手な場面を切り取って練習する。
なぜ取れたのか、なぜ取れなかったのかを考える。
こうした積み重ねがなければ、良いものを持っていても活かしきれません。
A級になる人や、A級で勝てる人は、何かしら良いものを持っていることが多いとは思います。
でも、それは単純に、
「才能があるから勝てる」
というより、
自分の武器を見つけて、試合で使えるところまで練習している
という方が近い気がします。
その結果を外から見ると、「才能がある人」に見えるのだと思います。
全部の能力で勝つ必要はない
自分には才能がないと思っていても、考え方や練習の仕方で伸ばせる部分はかなりあると思います。
そして、全部の能力で相手に勝つ必要はありません。
感じで勝つ人もいる。
暗記で勝つ人もいる。
攻めで勝つ人もいる。
自陣の安定感で勝つ人もいる。
粘りで勝つ人もいる。
送り札や試合運びで勝つ人もいる。
大事なのは、
自分は、どこで相手に勝てるのか
を考えることだと思います。
そのために、言語化が必要です。
「なんとなく負けた」
「相手が強かった」
「今日は出札が悪かった」
だけで終わると、次に何を練習すればいいのか分かりません。
でも、
「相手陣左に出られていない」
「暗記が追いついていない」
「送り札で相手を楽にしている」
「終盤に守りにいきすぎて攻めが消えている」
とまで言葉にできれば、練習する場所が見えてきます。
考える。
言葉にする。
練習する。
試合で試す。
また考える。
結局、この繰り返しをどれだけできるかが大きいと思います。
なので質問に答えるなら、
才能や素質はあると思います。
でも、それだけでA級になれるわけではないし、A級で勝てるわけでもありません。
全体的には、
練習量、言語化、考える量がかなり大事
だと思っています。
自分の良いところを見つける。
悪いところもきちんと見る。
良いところを、試合で使えるように練習する。
悪いところを、少しずつ減らす。
自分に合った勝ち方を考える。
才能がある人が強い、で終わらせるのは少しもったいないです。
才能や素質は人によって違います。
でも、それをかるたの強さに変えるには、やはり練習が必要です。
結局、強くなる人は、
自分が持っているものを、きちんと使えるようにしている人
なのだと思います。
ここから先について
ここまでが、以前質問箱で回答した内容です。
質問への結論だけなら、ここまでで伝えたかったことはほとんど書けています。
ただ、このテーマについて考えていくと、
「そもそも才能とは何なのか」
「A級になる人と、A級で勝つ人は何が違うのか」
「自分の武器はどうやって見つけるのか」
「練習量を、どうすれば実際の強さに変えられるのか」
という、さらに大きな問題につながっていきます。
ここからは、質問への回答を一歩進めて、
自分の持っているものを、どうやって勝てるかるたに育てるのか
を具体的に考えます。
有料部分では、
競技かるたにおける「才能」の分け方
A級になるための強さと、A級で勝ち続ける強さの違い
自分でも気づきにくい武器の見つけ方
調子が悪い日にも残る、本当に信頼できる武器
練習量を経験や再現性へ変える方法
武器・弱点・新しい挑戦の練習配分
伸び悩んだ時に、自分のかるたを立て直す方法
「才能がない」と感じる時に見落としやすいこと
明日から使える、自分のかるたの整理方法
について書いています。
すぐに速くなる技術や、A級になれる必勝法ではありません。
その代わり、
自分は何を伸ばし、何を直し、どんなかるたを作ればいいのか
を考えるための土台になる内容を目指しました。
自分の才能に自信が持てない人。
練習しているのに、なかなか結果につながらない人。
自分の強みや勝ち方が分からない人。
A級を目指している人。
A級になった後、どう強くなればいいか迷っている人。
そういう方には、かなり役立つ内容になっていると思います。
競技かるたの才能と練習について、自分なりに長く考えてきたことを、今できる限り整理しました。
このテーマについては、自分でもかなり自信のある内容です。
ここから先が、このnoteで本当に書きたかった部分です。
才能には、少なくとも四つの意味がある
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