No.005電場(電界)
はじめに
皆さんは電場と聞いて何を思い浮かべますか?
「電気的な空間?」「電波っぽい何か?」「電気の影響力??」どれも間違いではないかもしれません!
今回は電磁気学の電気の分野の主役「電場(電界)」についてまとめたいと思います。
クーロンの法則
まず電磁気学で1番最初に習う法則であるこの式から出発するとしよう。

引用
長岡洋介, 物理学入門コース新装版電磁気学I-電場と磁場, 岩波書店, 2022, p.26
この式を文章化すると
「静止した2つの点電荷の間にはたらく力は, 両者を結ぶ直線方向を向き, その大きさは各々の電荷の積に比例し, 電荷間の距離の2乗に反比例する.」
である。
古典力学では力はものに触れていないと作用させられないと考えられていたが、電荷間のクーロン力は電荷同士が密接していなくても作用するため、力の伝搬には必ずしも触れると言う行為は要らないことがわかって来た。クーロン力のように離れたところでも作用するものは遠隔作用と呼ばれる。それに対して古典力学的な力を近接作用という。
そこで昔のすごい人達は電磁気現象に「場」と言うのもを導入してこの遠隔作用の説明を試みた。以下では、場を主役として議論をしていく。
クーロン力と電場
電気的な現象の説明に電場が用いられる。そこで、クーロン力と関連付けるために以下のような電場の定義式を示そう。

上式においてq=1[C]のときクーロン力と電場は等しくなる.このことから電場は次のように言い表せる。狭い意味では、
「電場とはある静止した電荷が単位電荷1[C]に及ぼすクーロン力である。」
広い意味では、
「電場とはある電荷分布が空間に与えられたときに単位電荷1[C]が受けるクーロン力である。」
要するに、電荷分布が与えられるとはベクトル場Eという「空間への影響」が生じることを言っている。
ここで言うある電荷分布とはガウスの法則における「系」のことであり電場の式の形も変わってくる。単にクーロンの法則の両辺をqで割った以下の式になるわけではないことを言っている。

引用
長岡洋介, 物理学入門コース新装版電磁気学I-電場と磁場, 岩波書店, 2022, p.26
実際どう式が変わってくるのかは各自演習にてやってみると良い。(後日加えるかも、、、)
電位(静電ポテンシャル)
電位は力学のポテンシャルエネルギーと同様に定義される物理量でありエネルギーの次元を持つ。(ベクトルではない)後に出てくるベクトルポテンシャルに対してスカラーポテンシャルとも呼ばれる。定義式は以下のようである。

引用
長岡洋介, 物理学入門コース新装版電磁気学I-電場と磁場, 岩波書店, 2022, p.52
この式は
「電位とは電場中にある単位電荷1[C]を基準点(電位が0)から点Pまでクーロン力に逆らいながら静かに運ぶのに外力がする仕事である」
ことを言っている。
微分演算子∇を使って表現するならば

引用
長岡洋介, 物理学入門コース新装版電磁気学I-電場と磁場, 岩波書店, 2022, p.56
電位が分かればその勾配(gradient)を取ることで電場を得ることができる。(後にポアソン方程式の導出でも使う)
今まるで電場が保存力であるかのように話を進めていたがこれは以前に話した「渦なしの法則」から示すことができた。安心してポテンシャルを定義しよう。以下に載せている。
スカラー場の勾配

引用
https://diracphysics.com/portfolio/physicalmath/S3/pgradient.html
e:各方向の単位ベクトル
式から分かるように勾配は微分を拡張したものである。
単にgrad f(r)と書くことがある。
波動方程式
マクスウェル方程式を変形していくと次の波動方程式にたどり着く。

引用
長岡洋介, 物理学入門コース新装版電磁気学II-変動する電磁場, 岩波書店, 2024, p.274
この方程式の解は波動を示す関数となることが知られている。今波動方程式を満たす関数は「電場」であるので「電場は波である」ことが分かる。
終わりに
今回は電気の分野で最も基本的な量である電場をまとめてみました。電場は波であったり空間であったりと個性満載ですが電磁気の世界ではそれも当たり前なんだろうなと感じますね〜
今回話したのは全て真空中の話で物質中だと分極が起きて電束密度で議論した方がいいとかはここでは述べてないんですよね。あくまでも電場のまとめですからその話はまた今度。
