おつくね祭はなぜ続くのか─ 福井大学ラウンドテーブル 【前編】
はじめに — 変わりながら続くという営み
2026年2月21日、福井大学文京キャンパスで開催されたラウンドテーブル。

テーマは
変わりながら続くという営み。

その題材として取り上げられたのが、福井市東郷地区のおつくね祭でした。
おつくね祭は1995年に始まった地域の祭り。
おにぎりの無料配布と防災訓練を組み合わせた、東郷ならではの取り組みです。
この日登壇したのは、
第27回おつくね祭実行委員長 酒井英之
東郷ふるさとおこし協議会 会長 北川真也
同協議会 常任理事 佐々木無我
同協議会 常任理事 広報部会長 岩佐克彰
司会は福井大学教職大学院の冨永良史氏。

ここからは、そのトークセッションの記録です。
要約はせず、できる限り会場の空気や掛け合いを残しています。
自己紹介
司会(冨永)
ではまず皆さんの自己紹介をお願いします。酒井さん。
酒井英之
はい。地元のお祭りおつくね祭の、去年第27回の実行委員長を務めさせていただきました酒井英之といいます。よろしくお願いします。
北川真也
東郷ふるさとおこし協議会会長の北川真也と申します。
ふるさとおこし協議会は1991年、今から35年前にできた団体です。私がまだ小学校に入る前くらいですね。
その約5年後の1995年におつくね祭という祭りは立ち上がりました。
おつくね祭は東郷地区を一体化しようという思いで始まったイベントで、ふるさとおこし協議会はそれをずっとサポートしている団体です。現在は50代から20代まで、だいたい20〜30人ほどで活動しています。
佐々木無我
ふるさとおこし協議会の常任理事の佐々木無我です。
去年東郷に帰ってきました。おつくね祭には中学・高校時代から関わっていましたが、本格的に関わったのは去年からです。
小学校のときはおつくねジュニアスタッフとして関わっていました。
司会
ジュニアスタッフ?!
佐々木
そうなんです、ジュニアスタッフの話はまた後ほど。
よろしくお願いします。
岩佐克彰
東郷ふるさとおこし協議会、同じく常任理事の岩佐克彰です。
5年前にUターンして東郷に帰ってきました。広報部会の部会長をしています。20代のメンバーを中心に、東郷の魅力を発信する活動をしています。
司会
お願いします。まだ序盤、ちょっとみなさん行儀いい感じですね(笑)
おつくね祭って何なん?

司会
今このラウンドテーブルにはオンラインで40名以上の方が参加していらっしゃいますが、たぶんほとんどの方はおつくね祭って何?となっていると思うんですよ。
僕は去年8月に行っているんです。すごく感動して、このラウンドテーブルの運営スタッフにすごかったよとメールを流したんですが、僕が喋ると面白くないので、みなさんから聞かせてください。
おつくね祭って一体何なんですか。
酒井
元々は、地域のみんなが集まれる大きなお祭りを作ろうということと、防災訓練も兼ねようという意味合いで始まりました。
司会
祭りと防災訓練?
酒井
はい。それでおつくねって、おにぎりのことなんです。方言ですね。
2日間で約3000個のおにぎりを作って無料配布するんです。


司会
3000個?しかも無料?!
酒井
公民館で地区の自主防災グループや婦人会中心にみんなで作ります。それが炊き出し訓練にもなっています。


司会
僕行ったとき、本当に大行列でしたよ。
普段静かな駅前が屋台でいっぱいになって、ステージができて、、、
急におつくね無料配布って放送が流れて、みんな並び始めて。
司会の人が『皆さんの分もありますから安心してください』って言っていましたけど、僕の少し後ろの列くらいで売り切れで配布終了しちゃって。
全然安心できなかったですよ。
(会場笑い)
北川
ここ数年、特に並びますね。
お客さんが増えているということなので、ありがたい話です。

岩佐
去年はお米不足のニュースもあって、おつくね無料配布はかなりインパクトがありましたね。
東郷は米どころなんです。
地理的にお米づくりに適していて、水はけも良いし、山の雪解け水も流れてきて水がきれい。
だからお米がすごく美味しい場所なんです。
北川
米粒が集まっておにぎりができるじゃないですか。
東郷の住民一人ひとりが米粒のような存在で、それが集まって一つになる。
そんなイメージでおつくね祭ができたと聞いています。
お祭りの運営、正直面倒くさくない?
司会
おつくね祭に参加したときにびっくりしたのが、お客さんももちろん楽しそうだったんですけど、それより運営している人のほうが生き生きしているなって感じたんですよ。
皆さん全然、『やらされてる感』がなかったというか。
お祭りの運営って正直、めんどくさくないんですか?
酒井
正直、めんどくさいと感じることはいっぱいあります。
でも、歴代の方が築き上げてきた思いがあるんです。
ただ自分たちが楽しいことをやるだけじゃない。
変わってきたものと、変わらないものがある。
それを融合させて本番2日間を迎えたとき、やっぱり楽しかったです。
達成感はすごかったですね。
(前編終わり。中編に続く。)
