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そのうっとりするほど官能的な曲線美:ハッセルブラッドHというじゃじゃ馬ムスメ

今日はおっぱいの話ではありません。


カメラの話です。カメラのシルエットの話です。私はこのカメラにもう10年以上ほれ込んでいます。

私は広告写真を生業とするカメラマンで、普段は化粧品ブランド様の商品を写真に納めたり、あまりにもガチなガチ中華を中国本土で食べ歩いたりしています。

初めてのnoteなので、日本ではまだ無名の、そして私の中では最高の中華料理について書こうかとも思ったのですが、やっぱりここは、愛するカメラのことを書くことにしました。

手前でボケているじゃじゃ馬

月に行ったやつでも、今売ってるやつでもなく

ハッセルブラッドのHシリーズをご存知だろうか。

月に行ったフィルム時代の"あの"ハッセルブラッドでもなく、現行のXシリーズでもありません。

カメラに詳しい方には説明するまでもないのですが、フィルムカメラでいう「フィルム」にあたる感光部、いわゆるセンサーが大きい「中判デジタル」と呼ばれるジャンルのカメラです。同じハッセルでも現行のXシリーズよりボディがかなり大きく、他社のカメラとも明確に一線を画したデザインをしています。

ボディ、センサー、ファインダー、レンズなど各パーツがモジュールになっている

H1からH6Dまで、ざっくり6世代。面白いのは、この6世代を通してシルエットがほとんど変わらないこと。初代から形が完成していたのです。ちなみにHシステムは富士フイルムとの共同開発で、初代H1は富士フイルムから「GX645AF」という別名でも売られていました。ライバルであるPhase One社をはじめとした他社製デジタルバック(=センサー部モジュールのこと)をつける方法も存在し、その拡張性も大変面白いカメラです。

最後のモデルとなったH6Dの発売が2016年。もはや10年前です。そして2023年、Hシステムは正式に製造・サポートを終了しました。今ハッセルブラッドの現行機といえば、ミラーレスのXシリーズです。

空中に浮くじゃじゃ馬

なぜ、Phase Oneではなく、Hなのか

ライバルにPhase Oneという、これまたプロ向けの中判システムがあります。素晴らしいカメラです。ただ私は、そのPhase Oneよりも柔らかいHの描写、レンズまわりのアクセサリー類の充実、これらが自分のワークフローにしっくり来て、ずっとHを使い続けています。

私の仕事は、化粧品の撮影。液体、パウダー、クリーム。そういう"質感そのもの"を撮るのが専門です。ツヤの艶やかさ、粉のマットな質感、クリームのとろみ。その微妙なトーンの階調を、Hシステムは驚くほど素直に拾ってくれる。だから手放せないのです。

Hシステムを、本気で知りたい人へ

とはいえ、ボディやレンズの細かいスペックを、ここで私が改めて一から解説するつもりはありません。それはもう、私よりずっと丁寧に、ずっと網羅的にまとめてくださっている先達がいるからです。Hシステムを深く知りたい方は、ぜひこちらを読んでみてください。

CRAPHTO様(京都・工芸品撮影)

Hシリーズへの理解の深さと、網羅的な知識が、とにかく分かりやすくまとまっています。特に「デジタルバックとボディの対応表」は、中古でHを探すときに本当にありがたいガイドです。概要・ボディ・レンズの3本を読めば、Hシステムの全体像がほぼつかめます。

  • HASSELBLADのHシステムのこと(中判デジタル概要編) https://craphto.com/blog/post-981/

  • HASSELBLAD Hシステムのこと(シリーズ、ボディ解説編) https://craphto.com/blog/post-650/

  • HASSELBLAD Hシステムのこと(レンズ解説編) https://craphto.com/blog/post-813/

富永秀和氏(フォトグラファー)

数多くの中判デジタルを実際に触り、撮り比べた上で書かれている連載です。Hシステムが中判デジタル全体の中でどういう立ち位置なのかが、実機を触った方ならではの説得力で分かります。中判デジタルそのものがどんな世界か知りたい方は、あわせて「中判デジタルの魅力」もぜひ。

  • HASSELBLAD Hシステム https://jp.pronews.com/column/202401051229450947.html

  • 中判デジタルの魅力 https://jp.pronews.com/column/202401060846451325.html

正直に言うと、めちゃくちゃ手がかかる

さて、ここまで散々ほめてきましたが・・・このカメラ、本当に手がかかります。

まず、新品では手に入りません。中古一択。しかもハッセルブラッドジャパンが店舗を畳んでしまったので、メンテナンスも一苦労です。なにしろ古い機体なので、本国にも補修部品がどれだけ残っているか怪しいところ。

撮影時の接続も曲者です。パソコンに繋いで(テザーして)撮るには、H6D以外はFireWire接続。今どきのパソコンに繋ぐのは、正直かなり難しい。
※難しいけれど不可能ではなく、私はいつも繋いで撮影しています。

つまりそう、完全な暴れ馬。じゃじゃ馬です。

……でも、ですよ。

当時、本体とデジタルバックで100万円から、上は500万円ほどもしたシステムが、今では数十万円で手に入ることもある。レンズも今は一本10〜20万円ほどで手に入ると思います。ただし中古なのでもちろん全て自己責任。それでもこのじゃじゃ馬は、その苦労にきっちり見合うだけのトーンを、きっとあなたにもたらしてくれます。

中古市場では時々値ごろ感のある巡りあいも


このじゃじゃ馬を乗りこなすのは、正直、しんどい。
でも、その苦労に見合う何かが、確かにここにはあります。

もし中古屋さんで、そのボディを見かけることがあったら。ぜひ一度、あの曲線に触れてみてください。


うっとりするほど、官能的なので。


ここまで読んでくださって、ありがとうございました。「わかる」と思った方も、「何を言ってるんだこの人は」と思った方も、よかったらスキやコメントで教えてもらえると嬉しいです。

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次は、また別の機材の話か、撮影現場の話を書こうと思います。

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