【介護を考える】ケアマネ任せにしないで生活情報を“代弁”する重要さ
「〇〇さん、最近の様子はいかがですか?」
担当者会議やモニタリングの場で、ケアマネージャー(以下、ケアマネさん)からこう尋ねられた時、あなたなら、あるいはあなたの施設の職員なら、何と答えるでしょうか。
「はい、特に変わりなく過ごされていますよ」
この、一見穏やかで問題のない報告。
実は、ここにこそ、利用者の生活改善のチャンスを逃してしまう、大きな落とし穴が潜んでいるのです。
介護職として、そして母を介護する当事者として、この
「特に変わりないです」
という言葉重要性を危惧しています。
ケアマネさんは、あなたの生活を24時間見ていないんです。
どんなに素晴らしいケアマネさんでも超人ではありません。
彼らが利用者さんのお宅を訪問するのは、多くて月に1回程度。
その短い時間で、生活のすべてを把握することなど、物理的に不可能なのです。
つまり、ケアマネさんが作るケアプランの「質」は、どれだけ質の高い情報が現場から提供されるかに懸かっていると言っても過言ではありません。

では、その最も正確で、最もリアルな情報を持っているのは誰でしょう?
そう、毎日利用者さんの傍らにいて、その表情の曇り、食事を残す量、夜中のトイレの回数まで把握している、私たち現場の介護職員や家族なのです。
私たちは、利用者さんの生活における「最高の情報源」であり、言葉にならないSOSを汲み取って、それを伝える「代弁者」でなければなりません。
例えば……
❌「特に変わりないです」
その代わりに、私たちが日々目にしている「事実」を、具体的な言葉と数字で伝えるのです。
⭕「この1週間で、夜間に3回、トイレへ行く途中でふらつき、転倒しかける場面がありました」
⭕「〇月〇日から、食事の量が普段の半分以下になる日が続いています」
⭕「ご家族が面会に来られた際、『最近、夜眠れていない』と疲れ切った表情で話されていました」
どうでしょうか。
「変わりない」という一言では決して見えてこなかった、具体的なリスクや課題が、くっきりと浮かび上がってきませんか?
【数字+事実】で伝える。
主観的な「大変そうです」ではなく、客観的な情報を伝えることで、ケアマネさんは初めて
「では、手すりを追加する検討をしましょう」
「訪問看護の導入を主治医に相談してみますか」
「ご家族のために、レスパイト(休息)目的のショートステイをプランに入れましょう」
と、具体的なアクションを起こすことができるのです。
これこそが、ケアプランを「ただの書類」から「生活を守るための武器」に変える、最強の方法です。
自宅で介護をしている方……
日々の小さな変化でも、ぜひ電話やケアマネさん訪問時に自宅でのリアルな状況を遠慮せず伝えてください。
ディケアなどに通っていらっしゃる場合は、連絡帳などやお電話で職員にお伝えください。
介護職の皆さん……
担当者会議やモニタリング等でぜひ、ケアマネさんに具体的にお伝えください。
あなたの一言が、誰かの生活を救うことになります。
これこそが介護の仕事を「お世話」から「生活改善のプロデュース」へと進化させる、ということにもなります。
明日から、私たちにしかできない「代弁」を始めませんか。


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