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肉じゃがを知らなかった頃。

10月も残すところあとわずか。秋が深まるにつれ、なんとなくノスタルジックな気分になるのは、毎年のこと。

秋の空は爽やか。

すこしひんやりとしてきた、朝晩の空気感に懐かしいものを感じるんですよね。それがなぜなのかは、よくわからないですが、この感覚は学生の頃からのものだったりします。


🚄すこし早い帰省の話題

この時期になると実家との電話で、年末年始の帰省予定の話題が出はじめます。まだ2ヶ月もあるのにと思うのですが、新幹線の予約のことや、もちろん仕事のスケジュールなどなど、調整すること準備することは盛りだくさん。母子そろって、事前準備しないと気がすまない性分なんですね。たぶん、遺伝してます。

この夏の故郷の風景。

帰省の話題が出ると、必ず母はこう訊いてくれます。

帰ったらなに食べたい。

🏠️リクエストはなぜか和食

ありがたいなぁと思いつつ、答えるのですが、毎回リクエストするメニューがおなじなのは、ちょっと申し訳ないかなという思いもあったり。

牛肉のしぐれ煮、だし巻き玉子、白和え、ぬた、きずし、などなど。

ふだん洋食好きを公言しているわりにというか、だからこそなのか、故郷のメニューとして浮かぶのは、和食が中心。

母親自体は料理をするのが好きな人で、洋食だろうが中華だろうがなんでもこいのスキルがあって、実際に母のカレーはいまでも自分の理想です。

それなのに、ついつい和風の料理主体に選びがちなのが、我ながら不思議です。これが故郷の魔力、おふくろの味の力というものなのでしょうか。

🥔肉じゃがを知らなかった頃

さて、そんな実家の料理のひとつ、これ。

子どもの頃から、わりと好物です。でも内心、地味だなと思ってました。

みなさん、なにに見えますか。

そう、いうまでもありませんね。肉じゃがです。肉じゃがなんですよ、いま思えば。

いま思えば…。

というのも、我が家ではこのメニューのことを、お肉とおいもさんの炊いたん、と呼んでたんですね。なので子どもの頃は、肉じゃがという料理を知らなかった…。

いや、その名前は知ってたかもしれません。でも、我が家ではそう呼んでなかった。つまりこのメニューと肉じゃがが、おなじものであることを知らなかったのです。

いつからこれを肉じゃがとおなじものだと認識するようになったのかは、いまもって不明。でもきっと、大学生になり、居酒屋とかにいくようになってから、気づいたような気がします。

🔪お肉とおいもさん炊きます

今回はそんな、お肉とおいもさんの炊いたん…こと、肉じゃがを実家のスタイルを思い出しつつ、つくってみます。

我が家の定番食材はこんな感じ。今回結びしらたきを使いますが、実家では灰色をした糸こんにゃくが定番でした。そもそもしらたきって、おんまり見なかった気がします。

お肉は、作り置き冷凍の牛肉のしぐれ煮を、リメイクして使います。

にんじんとか、絹さやとかそういう色味がはいってなかったので、ますます地味に感じたのかも。

出汁は昆布と干し椎茸。このあたりも、いまとなってはなんとなく、関西っぽく感じます。

まずは材料をひととおり炒めます。

全体に油がなじんだら、さあ煮込み準備。取っておいたお出汁と、みりん、醤油、砂糖を注ぎます。

まずは強火で一気に沸かします。

あとは中火に落として、煮込むだけ。じゃがいもにすっと竹串がとおれば、炊き上がりです。

🥔炊けた炊けたよ、おいもさん炊けた

しばらく冷まして、味をしっかりと染み込ませます。クタッとなった、玉ねぎがおつゆを吸い込んだこの色、おいしそうです。

食べるときに温め直して盛り付けたら、ほっとする味、お肉とおいもさんの炊いたんこと、肉じゃがのできあがり。

🗾さん付け、敬称、関西ことば

この料理の実家かねてからの呼び名では、お肉と呼ぶだけで牛という指定がありませんが、関西なので、ただ単に肉といえばそれは牛。なので、地元ではこの名を聞けば、誰しもが牛肉を使った炊いたん、すなわち煮物だとわかるはずです。

そういえば、関西の言葉って、けっこう食材や料理をさん付けで呼んだり、頭におを付けたりしますね。お豆腐、お豆さん、お粥さん、おつゆなどなど。いわゆる敬称ってことですね。

地方の言葉って、その中で暮らしているとわからないのですが、けっこう独特なその地ならではの言い回しや表現があって、おもしろいなと思います。

🥔お肉とおいもさんの炊いたんのレシピ

🥔分量(2皿分)

・じゃがいも…3個
・牛肉のしぐれ煮…50グラム
・玉ねぎ…1/2個
・結びしらたき…4束
・昆布…1枚
・干し椎茸…1個
・水…3カップ
・醤油…1/4カップ
・みりん…1/4カップ
・砂糖…大さじ2

🔪作り方

①お鍋に昆布と干ししいたけをいれて水を注ぎ、そのまま1時間ほどおいて出汁を取ります。
②結びしらたきはさっと下茹でしてアク抜きをしておきます。
③じゃがいもは皮を剥いてひと口大に切り分け、面取りをします。玉ねぎも食べやすく切り分けます。
④お肉は今回の記事では、作り置きで冷凍しておいたしぐれ煮を使いましたが、牛肉のこま切れがあれば大丈夫です。
⑤お鍋に油を熱し、牛肉、じゃがいも、玉ねぎ、結びしらたきをいれて、全体に油をからめるように炒めます。
⑥⑤に①のだしを注いで、みりん、醤油、砂糖を足して強火にかけます。
⑦⑥が沸騰してきたら中火に落として、じゃがいもにすっと竹串がとおるようになるまで煮込みます。
⑧炊きあがったら、いったん冷まして味を染み込ませます。
⑨食べるときに温め直して、盛り付けたらできあがり。

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