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第1回: 自民党「次世代AI・オンチェーン金融構想PT」提言を読む——なぜ"金融側"から始めるのか

2026年5月19日、自民党デジタル社会推進本部の「次世代AI・オンチェーン金融構想PT」(座長・木原誠二氏、座長代理・平将明氏)の提言が党政調審議会で了承されました。

https://storage2.jimin.jp/pdf/news/policy/213248_5.pdf

骨太の方針2026への反映が調整されていると報じられており、単なる党内文書では終わらない重みがあります。
提言は未来像を描きます。構想PTはビジョンを示すものです。AIエージェントが選択・購買・支払・契約を自動で行う「エージェンティック・コマース」の時代が来る。そのとき取引の信頼性を担保する基盤が必要で、それがブロックチェーン——耐改ざん性、参照可能性、プログラマビリティ、24時間365日稼働——だという構図です。

「金融側から」という順序の妙

推進力を金融側のオンチェーン化に見出した点が評価できる点です。
第一に、AIエージェントのあらゆる活動の背後には決済と資金調達がある。第二に、コマース側は決済インフラを「所与」として扱うため、インフラの拡張はコマース側からは起きない。第三に、トークン化資産を担保にした融資まで含めれば、資産の検証から資金供給までがオンチェーンで一気通貫につながる。
これは実務者として何度も体感してきた真実です。決済インフラは空気のような存在で、使う側が能動的に更新を求めることはない。だからこそ供給側——金融と国家——が先に動く必要があるのです。

具体策の骨格

提言は金融を「18番目の成長投資分野」に位置づけ、金融庁に5年間のロードマップ策定を求めました。日銀当座預金のトークン化について年内の論点整理を要請し、東証のT+0即時決済、決済高度化プロジェクト(PIP)の拡大、アジア政策対話枠組みの創設まで踏み込んでいます。
本連載では10回にわたり、この提言を制度と実装の両面から、実務者の目線で読み解いていきます。SCとTDのどちらか一方を推すのではなく、それぞれが構造的に強い場面と設計上の論点を、具体的に示すことを心がけます。
第2回はエージェンティックコマースの定義から。

#本連載は個人の見解であり、所属組織を代表するものではありません。


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