【実務家ノート 第4号】 SC/TD別・AML/CFT態勢構築チェックリスト50—「規制に服する」と「態勢を作る」の間にあるもの
無料連載の第5回で、ステーブルコイン(SC)とトークン化預金(TD)のAML/CFT態勢は「同じ規制に服しても、実務設計はまったく違う」と書きました。本号はその完全版です。態勢構築の実務項目を50個に分解し、一つひとつにSCの場合の要点とTDの場合の要点を並記したチェックリストをお渡しします。
先に本号の使い方を示します。新商品の企画段階なら、50項目を「議論済み/未議論」で塗り分けるだけで検討の抜けが可視化されます。態勢構築の途中なら、自己評価列で弱点領域を特定できます。そして経営や当局に説明する場面では、「この50項目を潰しています」という構造そのものが、態勢の説明力になります。
態勢構築の全体像——5つのカテゴリ
50項目は、次の5カテゴリに整理しました。
A. 組織・規程(10項目): リスク評価、三線管理、経営関与、規程・研修
B. KYC・保有者管理(10項目): 取引時確認、継続的顧客管理、ウォレットと顧客の紐付け
C. 取引モニタリング(10項目): シナリオ設計、オンチェーン分析、24/365アラート
D. トラベルルール(10項目): 通知事項、技術方式、未対応先の扱い、FATF勧告16改訂対応
E. 凍結・当局対応(10項目): 制裁スクリーニング、資産凍結の技術的執行、検査対応
すべての出発点は、リスクベース・アプローチです。金融庁のマネロンガイドラインが求めるのは「全項目を一律に厚くする」ことではなく、自社の商品・顧客・地域・取引のリスクを特定・評価し、リスクに見合う低減措置を講じること。SCとTDで態勢が変わるのは、まさにこのリスクの所在が違うからです。以下、有料部分で5カテゴリを歩きながら、SC/TDの分岐点がどこにあるかを示します。
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