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『ジャイアントロボ』ひとくちメモ

 「ロボの初期デザインは胸にハーケンクロイツ、鉤十字が描かれていたけど、あれは本来ナチの残党が作ったロボットという設定だったわけ」(平山亨/『ジャイアントロボ 資料編』)。
 ナチの残党が作ったジャイアントロボは、初期デザインでは胸に鉤十字のマークが描かれていたが、海外輸出を考慮して変更。
 「おかげで全米で放送というわけじゃなかったけど『赤影』に続き『ロボ』も海外に売れたよね」(平山亨)。
 海外では『ジャイアントロボ』は『JOHNNY SOKKO AND HIS FLYING ROBOT』のタイトルで放映された。配給はAIP。

『JOHNNY SOKKO AND HIS FLYING ROBOT』タイトル

 のちには第1話、第2話、第17話、第10話、最終回を再編集したテレフューチャー『VOYAGE INTO SPACE』(1970年)も作られている。日本の特撮怪獣映画は海外に輸出され、多額の外貨を齎した。

『VOYAGE INTO SPACE』タイトル

 「東京撮影所・京都撮影所から「お前らは要らない」と弾き出された千人の仲間がリストラの恐怖に怯えていた。「この仲間とテレビの仕事で定年まで同じ釜の飯を食って行けたらなぁ」というピンチの意識があったから、その危機感が次から次へと無数のアイデアをもたらしてくれたのもラッキーであった」(平山亨/『水木しげる原作テレビドラマ『悪魔くん』『河童の三平 妖怪大作戦』完全ファイル』青林堂刊)。
 平山亨が手がけた東映テレビ部作品は「リストラの恐怖」の中で作られていた。「平山亨のボール紙理論」は、その危機感が生み出したアイデアのひとつ。
 「ライトの当て方や撮影のアングルしだいで、プラモデルでも本物らしく見せることはできる。私のやり方もちょっと強引だったけど、視聴者の子供たちが喜んでくれるならボール紙の飛行機でもいいと思った」(平山亨/『泣き虫プロデューサーの遺言状』)。
 第1話に出てくる戦闘機には市販のプラモデルが使われた。特撮に使う金属製のミニチュアは非常に高価で、戦闘機ひとつが当時の金額で5万円ほどしたという。

第1話より、プラモデルを使った特撮カット。

 当時の記事によると、ジャイアントロボの飛行人形は70センチ。1.8メートルの着ぐるみは重さが30キロもあった。ロボが空中を飛行するシーンは、約40人がかりの大仕事だったという。

『ジャイアントロボ』放送当時の記事。

 「本来テレビ部の発想は、今度の大量配置転換によって吐き出された余剰人員の活用にあって、私たち現場経験者を求める人事になっていたことは私たち新入者にとって幸運だった」(平山亨/『東映ヒーロー名人列伝』風塵社刊)。
 東映特撮のメイキングで、会社の内情に関する情報は2000年代に入ってようやく表に出るようになった。東映テレビ部の作品は本来、「余剰人員の活用」が目的であったが、それ以前の文献では「東映特撮の力量を内外、テレビ界に示そう」といった、技術論(見た目論)的なものとなっている。

 初期の東映テレビ部作品における「怪獣技術」という役職は、今でいうスーツアクターのこと。阿部洋士は擬斗の久地明と協力して、着ぐるみに特殊な動きをつけていった。

『キャプテンウルトラ』(1967年)より。

 ジャケットデザインが秀逸なLD『ジャイアントロボ・メモリアル』。映像特典はスタッフの特別インタビューを収録した「メイキング・オブ・ジャイアントロボ」。矢島信男の証言によると、第2話に登場した大魔球グローバーは「機雷」がモデル。『宇宙鉄人キョーダイン』(1976年)に出てくるダイキライのルーツ。

LD『ジャイアントロボ・メモリアル』
大魔球グローバー
『宇宙鉄人キョーダイン』に登場したダイキライ。

 『ジャイアントロボ』第2話の次回予告には、サタンローズの触手を操作するスタッフが写り込んでいる。

 発砲する戦車の模型は、足回りや砲身などから判断すると増田屋のブリキ製ラジコンタンクが使われていたようだ。

第2話より。
第3話より。

 第12話でアンバランが破壊する新幹線は、車体の文字や車輪から判断するとアサヒ玩具の「22寸ひかり号」か?

第12話「合成怪獣アンバラン」より。
第12話「合成怪獣アンバラン」より。

 「僕は凝り性なんですね。だから、あの銀粉を塗ったメイクも自分からやろうと言いだしたんですよ」(安藤三男/『ファンタスティック・コレクションNo.24 ジャイアントロボ』朝日ソノラマ刊)。
 ドクトル・オーヴァの銀粉メイクは安藤三男が自ら提案したもの。スター・システムの東映は、悪役の造形にも工夫を凝らした。

第3話より。

 「サタンローズなんかは予算が無くて外注に出せなくて、安井さんが徹夜で手作りしてくれたんだよ」(平山亨/『東映特撮大全』双葉社刊)。
 第3話に登場した宇宙植物サタンローズは美術の安井丸男が制作。サタンローズを甦らせる植物学者の名前も安井だった。

 再放送が多かったと言われる『ジャイアントロボ』だが、筆者の地元の広島では、1970年代後半には幻の作品となっていた。広島の視聴環境では『戦え! 僕らのヒーロー大集合』(1976年5月15日放送)で紹介されたのが最後。

東映ビデオからリリースされたVC版のジャケット。

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