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映画感想 『ぐるりのこと。 4Kリマスター版』 (★★+)

約10年間にわたる、少し変わった夫婦愛の物語。

2008年製作。木村多江が日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、橋口監督が報知映画賞最優秀監督賞、リリー・フランキーがブルーリボン賞新人賞を受賞した作品。

ポップで饒舌で、お仕事映画の要素が強い前半は、伊丹十三や周防正行の作品を観ているよう。しかし後半、じっくりと人間を描く語り口は健在。本当に、最後まで気が抜けない。

140分と長尺なぶん、モチーフもテーマも多様で複雑。それが、少し生煮えな印象の原因かも知れない。
法廷画や日本画を描く技術と、日々を生き延びる技術。罪を裁く法廷と、自分で自分を罰し続ける罪悪感。本作に通底するのは、「技術」と「罪と罰」という二つのモチーフだと思う。

舞台は1993年から2001年。オウム真理教事件や阪神淡路大震災、そして酒鬼薔薇事件の時代だが、あえて特定の事件と結びつけることはしない。
その距離の取り方も、社会問題より先に一人ひとりの人間を見つめる橋口監督らしい。あくまで、夫婦の半径5メートルを描く。それが、「ぐるりのこと。」ということなのだろう。

そして、木村多江とリリー・フランキーが交わす、夫婦の会話が実に味わい深い。リリー・フランキーが語る「女の手は小さい方が良い」理由には納得しかない 笑

登場人物が多く、賑やかな印象の本作。今ではインディーズ映画の常連となり、テレビでもよく見かける俳優たちの、若き日の姿が見られるのも楽しい。


(評価は、無星 / ★ / ★★ / ★★★)
Filmarks: https://filmarks.com/users/tokuos

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