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YOASOBIの「ロラパルーザ」メインステージ出演の反響に見える、日本の音楽の世界での伸びしろ

アメリカのシカゴで開催された世界的音楽フェス「ロラパルーザ」にYOASOBIとAdoが出演し大きな話題になっていたようです。

なにしろ「ロラパルーザ」と言えば、4日間の開催期間の動員数が46万人を超えるフェスで、50万人を動員すると言われる「コーチェラ」と比較されることも多い巨大な音楽フェスなのです。

特にYOASOBIは、この「ロラパルーザ」に出演するのは2024年に続いて2回目。
しかも2024年の時には15,000人を収容するBACARDIステージのトリでの出演となっていたのですが、今年はなんとメインステージに出演し、約3万人の観客を動員することに成功していたようです。

今回のYOASOBIの快挙に、日本の音楽の世界での伸びしろが明確に見えますので、ご紹介したいと思います。

 

2023年に「アイドル」の大ヒットで世界にファンを増やす

YOASOBIの世界での大ヒットと言えば、やはり何と言ってもアニメ「推しの子」の主題歌であった「アイドル」の印象が強い方が多いでしょう。

この楽曲は、2023年4月にリリースされると、圧倒的に人気が拡がり、6月には日本語の楽曲史上初めてビルボードの米ビルボード・グローバル・チャート“Global Excl. U.S.”で1位を獲得したことが大きな話題になりました。

その反響は世界中に拡がり、YOASOBIのファンを世界中に増やす結果となりました。

象徴的なのは徒然研究室さんが分析したYouTubeにおけるYOASOBIの楽曲の再生数の分布世界地図でしょう。

この「アイドル」の大ヒットもあり、YOASOBIはアイドルをリリースした2023年12月からはアジアツアーを実施し成功をおさめた後、翌年の2024年には「コーチェラ」と「ロラパルーザ」に立て続けに初出演を果たすことになるわけです。

またMUSIC AWARDS JAPAN 2025の海外部門である世界でヒットした国内楽曲を称える「Top Global Hit From Japan」の初回の受賞が、この「アイドル」であったことも、YOASOBIの世界での人気の大きさを象徴する結果だったと言えるでしょう。
 

すでにYouTubeの再生数も半分以上は日本以外

一方で、少し日本で誤解されがちなのは、YOASOBIの「アイドル」のヒットはアニメ主題歌ならではのヒットであるというイメージです。

米ビルボード・グローバル・チャート“Global Excl. U.S.”で1位を取るほどの大ヒットになったのは確かに「アイドル」一曲の現象かもしれませんが、YOASOBIはその後も継続的にワールドツアーや、海外フェスへの出演を繰り返し、着実に世界のファンを増やしているのです。

象徴的なのは昨年6月にロンドンのウェンブリーで、2日間のワンマンライブを開催し1.8万人を動員。さらにはスペインの音楽フェス「Primavera Sound Barcelona 2025」にて「日本人初」となるメインステージでのパフォーマンスを披露していることでしょう。

こうした世界での活動の積み重ねこそが、着実にYOASOBIの世界でのファンを増やすことにつながっていることは間違いありません。

実際にYOASOBIのYouTube上での国別再生数を見ると、直近3ヶ月の総再生数2億3000万のうち、日本での再生数は1億900万ほどで、半分以上は海外での再生であることが分かります。

こうした実績があるからこそ、今回「ロラパルーザ」においても2024年の出演に続く2回目の出演の声がかかり、しかもメインステージという大役を任されることになったと考えられるわけです。
 

初見の参加者もファンにする素晴らしいパフォーマンス

さらにYOASOBIの凄さは、自分達のパフォーマンスを通じて、YOASOBIを初見の「ロラパルーザ」参加者も、自分達のファンにする力を持っている点です。

YOASOBIがメインステージでパフォーマンスをしたのは、夕方の17時の時間でYOASOBIの後には「TURNSTILE」とヘッドライナーの「THE XX」が控えています。

そういう意味では、YOASOBIの時間帯に見に来ている参加者には、後のステージの場所取りの人も含まれていたはずで、初めてYOASOBIのステージを目にする人も少なくなかったはずです。

ただ、YOASOBIのXのアカウントにアップされた動画を観れば、Ikuraさんの煽りに合わせて会場中の人達が一斉に反応しているのが良く分かるはずです。

ステージの後、Ayaseさんは自身のインスタグラムに「日本の音楽が世界に届いていることを心から感じることができました。圧巻の景色を、自分たちの力で掴み取ったという確かな自信を得ることができました。」と投稿されています。

実際にAyaseさんのInstagramのアカウントにアップされている動画を観ると、メインステージに集まった大量の人達が一斉に手を振っているステージからの圧巻の景色を少し味わうことができます。
 

YOASOBIの「勇者」が楽曲検索で2位に

今回のYOASOBIの「ロラパルーザ」のステージの反響がシンプルにわかるのが、音楽認識アプリ「Shazam」が発表した「ロラパルーザ」のメインステージで最も検索された楽曲ランキングです。

この「Shazam」というアプリは、周囲で流れている曲の名前を検索することができるアプリなのですが、このアプリで検索された楽曲のランキングでYOASOBIの「勇者」が2位に入っているのです。

初めて「ロラパルーザ」でYOASOBIが「勇者」を披露したのを聞いた人達が、この曲を気に入って検索したことは間違いありません。

「勇者」もアニメの主題歌ではありますが、「ロラパルーザ」の観客はそう言う背景情報を知らずに、楽曲を聴いて検索したのは明白です。

YOASOBIのパフォーマンスが、間違いなく彼らの楽曲を初めて聞いた「ロラパルーザ」の参加者にも深く届いていることが、こうした結果からも見えてくるわけです。

なお、その後間髪明けずにYOASOBIは北米ツアーを開始し、8月4日には早速ボストンでライブを開催されていたようです。

実はYOASOBIは「ロラパルーザ」の前にはカナダの音楽フェス「OSHEAGA」にも出演されています。

YOASOBIはこうした世界でのパフォーマンスを積み上げていき、その一つ一つで着実に新しいファンを増やしてくことで、着実に日本の音楽のファンを世界に増やしているわけです。

今回「勇者」が「ロラパルーザ」のメインステージで検索された楽曲の2位になったように、YOASOBIの楽曲はアニメきっかけ以外でも、実際のパフォーマンスを聴いてもらえれば、まだまだ世界でファンが増える伸びしろが大きいことが証明されたと言えるでしょう。

YOASOBIは2年前の「ロラパルーザ」のステージで、「また戻ってくる」と約束し、今回メインステージに戻ってきました。

AyaseさんがInstagramで「次はメインの大トリ獲るぞ」と宣言しているように、YOASOBIが世界の音楽フェスのメインステージでヘッドライナーを飾る日は、決して遠くない気がします。

この記事は2026年8月6日Yahoo!ニュース寄稿記事の全文転載です。

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徳力基彦|エンタメビジネスウォッチャー ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございます。 このnoteでは、日本のエンタメのミライを密かに応援すべく公開メモを綴っています。 XのスペースとYouTubeライブで雑談部屋も開いてますので、よければ是非ご参加下さい。