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【第2話】「また逃げるのか?」に、もう怯えない (修正版)

転職を決意すると、真っ先に頭をよぎるのは自分自身の内なる声ではなく、周囲の視線だ。
「また辞めるのか?」「今度はどれくらい続くのか?」──そんな問いが、まるで無言の空気のようにまとわりついてくる。

特に40代後半で5社目となれば、少なくとも一部の人からは「続かない人」「どこでも満足できない人」というイメージを抱かれても仕方がないという自覚はあった。

ただ、それを理由に身動きが取れなくなるのは、本末転倒だと思った。
他人の評価を気にしすぎるあまり、自分のキャリアを“消極的な選択の連続”にしてしまうことこそが、もっとも避けるべきことだと感じていた。

私の前職には、大きな不満があったわけではない。 人間関係に悩んでいたわけでもなく、業務が急激にハードになったわけでもない。 だが、日々の仕事の中に「自分がいなくても変わらない」という感覚が染みついていた。

誰に指摘されたわけでもない。 むしろ、周囲からは「安定している」「落ち着いて見える」と言われることも多かった。 けれど、心のどこかで“このままではいけない”という違和感が膨らんでいった。

一番の恐れは、“何も起きないまま年を重ねていくこと”だった。
惰性で過ごす日々の先にあるのは、心の摩耗であり、回復には時間がかかる。
私はまだ「動ける状態」であり、このタイミングを逃せば、次に本気で転職と向き合うのは相当しんどいと直感していた。

世間では、「逃げる」という言葉がネガティブな意味で語られることが多い。 だが私は、「逃げる」ことを「再配置」と考えるようにした。
自分の力を、より発揮できる場所に置き直すという“戦略的な撤退”──それが、今回の転職の本質だった。

「逃げたと思われたらどうしよう」と考えていた自分もいた。 でも、それは“誰かの物差し”で考えていたからだ。

キャリアの正解は、他人に評価されて初めて成立するものではない。 自分自身が納得し、前に進めるかどうか。

それが、私が今回の転職で一番大事にした判断基準だった。


次回は、そんな私が転職活動の起点でどのように情報収集を進め、求人サイトや転職エージェントとどう付き合っていったのかをお伝えしたい。

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