中小企業診断士1次試験まで、まもなくです。会場の片隅から、みなさんへ
はじめに
いよいよ8月1日・2日。中小企業診断士の1次試験まで、ついに1週間を切りました。指折り数えられる日数になって、そわそわしている方も多いのではないでしょうか。
実は私、この2日間を「監督補助員」として過ごします。答案用紙や問題冊子を配ったり、本人確認や時間の合図を手伝ったり、会場を整えたり。
監督員のそばで、みなさんが実力を出しきれるよう、裏方として支える役割です。答案に向かうみなさんのすぐそばで、その頑張りを見届ける側にいます。だからこそ、受験生だった頃を思い出しながら、この残りわずかな日々の過ごし方を、みなさんに伝えたくなりました。
新しいことは、もうやらなくていい
直前期にいちばんやりがちなのが、「あの論点が不安だから」と新しいテキストや問題集に手を出してしまうこと。気持ちはよく分かります。でも、残されたこの数日で必要なのは"広げる"ことではなく、"固める"ことです。
これまで解いてきた過去問、間違えた問題、付箋を貼った箇所。そこにこそ、みなさんが伸びる余地が残っています。新しい教材は不安を増やすだけ。今持っているものを、もう一度ていねいに見返してください。
おすすめは、過去問を「もう一度全部解き直す」のではなく、「間違えた問題だけ」をもう一周すること。正解できる問題に時間を使うのはもったいない。みなさんの点数を押し上げてくれるのは、これまで取りこぼしてきた論点です。一度間違えた問題を確実に拾えるようにするだけで、合計点は面白いように変わってきます。
「60点」で受かる試験だと、思い出す
1次試験は満点を取る試験ではありません。7科目の合計で6割、そして各科目40点未満の足切りを避ければ合格です。
だから戦略はシンプル。得意科目で貯金を作り、苦手科目は"40点を割らない"ことだけ考える。経営法務や経営情報システム、中小企業経営・政策のような暗記色の強い科目は、残り数日でもまだ伸びます。逆に、財務・会計や経済学は毎日少しずつ手を動かして、感覚を鈍らせないことが大切です。
満点を狙わない。この割り切りが、当日のメンタルを驚くほど軽くしてくれます。
科目の「順番」も味方につける
2日間で7科目。1日目は経済学・財務会計・企業経営理論・運営管理、2日目は経営法務・経営情報システム・中小企業経営政策という並びです。
大事なのは、終わった科目を引きずらないこと。手応えがなかった科目があっても、その場で気持ちを切り替えて、次の科目に全力を注ぐ。1次試験は「合計点」の勝負です。1科目の出来だけで合否は決まりません。休憩時間に前の科目の答え合わせをして落ち込む人がいますが、あれはいちばんもったいない過ごし方。終わった科目のことは、すべて終わってから振り返れば十分です。
体を、試験モードに合わせておく
試験は朝から始まり、2日間で7科目を戦い抜く長丁場です。ここで効いてくるのが、意外にも「生活リズム」。
残りの数日は、試験当日と同じ時間に起きて、同じ時間帯に頭を使う練習をしておきましょう。夜遅くまで詰め込むより、朝型に戻しておくほうが本番で力が出ます。睡眠を削って得た知識より、しっかり眠って冴えた頭のほうが、当日1点でも多くもぎ取れます。
食事にも少しだけ気を配ってください。試験当日にお腹を壊しては元も子もありません。この時期は生ものや食べ慣れないものは避けて、いつも通りの食事を。カフェインに頼りすぎると眠れなくなることもあるので、飲む量とタイミングもほどほどに。体調を整えることも、立派な試験対策です。ここまで頑張ってきた自分の体を、最後の数日はいたわってあげてください。
前日は「準備」に徹する
前日は、勉強よりも段取りの日。受験票、電卓、筆記用具、時計、会場までの経路と所要時間。当日の朝に慌てないよう、持ち物を並べて確認しておいてください。会場の下見までできれば、心にひとつ余裕が生まれます。
そして当日の試験中、ぜひ意識してほしいのがマークシートの扱いです。分からない問題で立ち止まりすぎず、一度飛ばして最後まで解き切る。マークのずれは致命傷になるので、時々「問題番号とマークの位置が合っているか」を確認する。見直しの時間を必ず数分残しておく。この小さな習慣が、実力を1点も取りこぼさないための保険になります。1次試験は、知識だけでなく「持っている力をどれだけ答案に残せるか」の勝負でもあります。
会場の片隅から、応援しています
当日、私は監督補助員として問題冊子や答案用紙を配り、時計と向き合い、会場の片隅で静かに見守っています。声をかけることはできません。でも、一枚一枚の答案の向こうに、この日のために積み重ねてきた時間があることを、私は知っています。
緊張して当たり前です。手が震えても、頭が真っ白になっても、それはここまで本気でやってきた証拠。深呼吸をひとつして、まず名前を書く。それだけで、いつもの自分が戻ってきます。
残された日々は、あとわずか。どうか体を大切に、みなさんの積み重ねを信じて。会場でお会いしましょう。心から、応援しています。
