愛子内親王は、天皇になれなくなった
ー昨日、皇室典範は改正されたー
皇室典範について、私自身、どこまで理解していただろうか。
SNSなどを見ていると、
「愛子様が次の天皇でよいのではないか」
という意見は少なくない。
誠実で親しみやすく、国民から広く慕われている愛子様を見れば、そう思う人が多いのもよく理解できる。
私も最初は、その一人だった。
しかし、今回調べてみると、皇位継承の問題は単に「愛子様が天皇になられることに賛成か、反対か」という話ではないことを知った。
問題は、その次の世代まで考えなければならないという点にあるようだ。
現在の皇室典範では、皇位を継承できるのは「皇統に属する男系の男子たる皇族」と定められている。
政府・自民党は、歴代の天皇が男系によって受け継がれてきたという伝統を重視し、男系男子による皇位継承を維持する立場を取ってきた。
2026年7月17日、皇室典範は改正された。
今回の改正では、
・女性皇族は一般男性と結婚しても皇族の身分を保持できるようになった。
・旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える道が設けられた。
一方で、
・女性天皇は認められなかった。
・女系天皇も認められなかった。
・皇位継承資格は、引き続き男系男子の皇族に限られている。
つまり、「女性皇族の身分」と「皇位継承」は、別の問題として整理されたということになる。
そのため、高市総理も、
「なぜ女性天皇を認めないのか」
という批判を受けているようだ。
ここで、私も勘違いしていた言葉がある。
日本国憲法第1条にある、
「天皇の地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」
という一文である。
私は当初、世論がそう望めば変えられるのかと思っていた。
しかし、そうではなかった。
日本国憲法第2条には、皇位は世襲であり、国会の議決した皇室典範の定めるところによって継承すると規定されている。
つまり、皇位継承制度を変更するには、国会で皇室典範を改正しなければならないという仕組みになっているようだ。
歴史を振り返ると、日本には8人、重祚を含めれば10代の女性天皇が存在した。
これは私も意外だった。
しかし、さらに調べて驚いたのは、その女性天皇はいずれも父方をたどれば天皇につながる「男系の女性」だったということだ。
そして、その女性天皇のお子様が母方の血筋によって皇位を継承する「女系天皇」が誕生したことは、一度もなかった。
つまり、女性天皇は存在したが、女系天皇は存在していなかったのである。
私自身、一番勉強になったのはここだった。
「女性天皇」と「女系天皇」は、同じ意味ではないのである。
仮に愛子様が即位された場合、愛子様ご自身は天皇陛下のお子様であり、父方から皇統を受け継いでいる。
したがって、愛子様は「女性天皇」ではあっても、「女系天皇」ではない。
愛子様が天皇になられた時点では、男系による皇位継承は維持されている。
問題は、その次である。
仮に愛子天皇が皇統に属さない一般男性と結婚され、その間に生まれたお子様が次の天皇になれば、そのお子様は母方から皇統を受け継ぐことになる。
お子様が男の子であっても、女の子であっても同じである。
男性であれば自動的に男系になるわけではない。
男系か女系かは、その人の性別ではなく、父方と母方のどちらから皇統を受け継ぐかによって決まるからだ。
そのお子様が即位すれば、日本の歴史上初めての女系天皇となる。
これは単に、次の天皇が男性か女性かという問題ではない。
歴代の天皇が父方を通じて受け継がれてきた皇位継承の原則を、大きく変更することになる。
つまり、女性天皇を認めるかどうかは、
「愛子様に天皇になっていただくか」
という一代だけの問題ではなく、
「その次の天皇を誰にするのか」
「愛子様のお子様にも皇位継承資格を認めるのか」
「男系による継承を将来も維持するのか」
というところまで考えなければ結論を出せない問題なのだと分かった。
仮に愛子様を女性天皇として認めながら男系による皇位継承を維持するのであれば、愛子様の次は、お子様ではなく、別の男系男子の皇族が皇位を継承することになる。
その場合、愛子様の即位は、男系男子の継承者へ皇位をつなぐ一代限りの女性天皇という位置づけになる可能性がある。
過去の女性天皇も、結果として男系による皇位継承を次の世代へつなぐ役割を果たしてきたようだ。
一方で、愛子様のお子様にも皇位を継承させるのであれば、女系天皇を正式に認める制度へ変更する必要がある。
どちらを選ぶにしても、日本の皇位継承の在り方を大きく左右する決断になることは間違いない。
一般の国民から見れば、誠実で思いやりのある愛子様が天皇になられてもよいのではないか、と思う気持ちは私にもよく分かる。
しかし、今回調べてみて、皇位継承は現在の人気や個人の人柄だけで決められる問題ではないことを知った。
女性天皇を認めるかどうかよりも、その次の皇位をどのように継承するのか。
そこまで含めて初めて、この問題の本当の意味が見えてくるのだと思う。
さらに調べているうちに、なぜそこまで男系による皇位継承にこだわる人がいるのかも、少し分かった気がした。
それは単なる制度論ではなく、日本文化の継承という考え方にもあるのではないだろうか。
伊勢神宮は二十年ごとに社殿を建て替える。
しかし、日本人は「古い神宮が失われた」とは考えない。
形は新しくなっても、命や精神は受け継がれていると感じるからだ。
日本文化とは、形を残す文化ではなく、命や精神を次の時代へ受け渡していく文化とも言われる。
男系による皇位継承を重視する人々は、その一本の時間軸を守ろうとしているのであって、単に男性か女性かだけを論じているわけではない。
だからこそ、この問題は制度だけでなく、日本という国の歴史や文化をどのように未来へ受け継ぐのかという問いにもつながっているのだと思った。
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私は娘を持つ親として、あの優しく微笑ましい愛子様には、そのような重い宿命を背負わせるよりも、一人の女性として幸せな人生を歩んでいただけたらと願ってしまう。
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