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鬼死骸異録|最後の音が揃わない

この物語は、実在の土地・史跡を基にした
フィクションであり、神話であり、記録である。
一つの語りとしての記録である。
(鬼死骸村探検隊|実在する旧鬼死骸村を舞台にした物語)


<あらすじ>
村に伝わる「あかりの唄」は、
誰もが知っているはずなのに、同じ旋律として再現されたことがない。
沢渡は複数の楽譜記録を照合するが、
いずれもわずかに異なり、完全には一致しない。
祖母の家で見つかった手書きの譜面にも書き直しの痕跡があり、
「同じにしないと、残らない」という言葉が残されていた。
やがて三人は、記録が増え続ける異様な現象と、
実際に聞こえる唄がどの記録とも一致しない事実に直面する。
揃えることで失われるもの、揃わないまま残るもの。
その境界が揺らぐ中、彼らは“選ばずに残す”という選択に辿り着く。
しかし、揃えようとするほど、記録は増え続けた。
——最後の音だけが、遅れて残った。

本編:約7,000文字

冒頭

その唄は、最後まで揃えられたことがない。
記録の上では、何度も。
だが、それを実際に同じ形で聞いた者は、ひとりもいない。

この村には、同じ唄が複数ある。
どれも「あかりの唄」と呼ばれているが、
旋律は一致しない。

わずかに高い音。
一音だけ欠けた節。
途中で、別の調にずれるもの。

違いは小さい。
だが、重ねると揃わない。

それでも、記録は揃っている。

五線譜は、どれも整っている。
誰が見ても再現できる形で、
同じように並べられている。

——違っているはずのものが、
同じ形式に収まっている。

記録は、集会場で見つかっている。
古い家の引き出しからも出ている。
端末の中にも、同じ形式のデータが残っている。

書いたと名乗る者も、ひとりではない。

だが、
同じものを見ているはずなのに、
同じ記録に辿り着いた例はない。

この村では、記録は残る。

ただし、
何を消して残したのかは、残らない。

——その唄は、
最初から揃っていたのか。

それとも、
揃えられたのか。


第一章:観測

沢渡が最初に違和感を覚えたのは、その「揃い方」だった。

端末の画面には、いくつもの五線譜が並んでいる。
すべて同じ唄の記録だ。

——あかりの唄。

この村では、誰もが知っている。

だが、並べてみると分かる。
どれも、完全には一致しない。

一音だけ高いもの。
途中で休符が増えているもの。
終わり方が、わずかに違うもの。

違いは小さい。
それでも、揃わない。

沢渡は、画面を拡大した。

音符の位置は整っている。
小節も揃っている。
五線譜としては、どれも正確だ。

だから余計に、違いが浮く。

「……何してるんですか」
声に振り返ると、映美が入口に立っていた。
いつからいたのかは分からない。

沢渡は、画面を指で示す。
「これ、見てくれ」

映美は近づき、モニターを覗き込む。
並んだ五線譜を、ひとつずつ目で追っていく。

特に驚いた様子はなかった。

「同じ唄だよな」
沢渡が言う。

「はい」

「だけど、全部違う」

少しだけ間があって、映美はうなずいた。
「そうですね」

それだけだった。

沢渡は、思わず眉をひそめる。
「気にならないのか」

「気になりますよ」

「じゃあ——」
言いかけて、言葉が止まる。

映美は、画面の一つを指さした。
「これ、さっき見てたやつですか」

「ああ」

「この音、少し高いですね」

沢渡は小さくうなずく。
「そこだけ、引っかかる」

映美は、別の五線譜に視線を移した。
「でも、こっちにはないですね」

「だから——」

沢渡は、今度こそ言い切った。
「どれかが、違う」

映美は、すぐには答えなかった。

画面から目を離さずに、静かに言う。
「間違ってる、っていうのは」

「うん」

「どれかを正しくするための言い方ですよね」

沢渡は、何も返さなかった。

映美は続ける。
「同じにしたいんですか」

「……違うのか?」
問い返した瞬間、自分の声が少し強くなっていることに気づく。

映美は、首を横に振った。
「同じじゃないまま、残ってるんだと思います」

沢渡は、画面に視線を戻した。

並んだ五線譜。
整っているものもあれば、どこか歪なものもある。

「でも、記録っていうのは——」
言いかけて、止める。

“揃えるものだ”と言いそうになった。

映美が、その続きを拾う。
「揃えた方が、扱いやすいですよね」

「……ああ」

「でも」
映美は、最初の五線譜をもう一度指さした。
「これ、きれいすぎませんか」

沢渡は、何も言えなかった。

整いすぎている。
揺らぎがない。

「整ってるって、いいことだと思ってましたけど」

映美は、少しだけ視線を落とした。
「整えると、残らないものもあるんですね」

沢渡は、ゆっくりと息を吐いた。

画面の中の五線譜が、さっきまでとは違って見える。

違っているのに、どれも正しそうで、
正しそうなのに、どれも信用できない。

「……これ、誰が書いたんだろうな」
思わず口に出た言葉に、映美は反応しなかった。

少しだけ考えてから、言う。
「書いた人は、いると思います」

「そりゃあな」

「でも」
映美は、画面から目を離さなかった。
「残した人と、同じとは限らないですよね」

沢渡は、何も言えなかった。

「それ、俺が書いたやつだよ」
声がした。

沢渡は顔を上げた。

誰もいなかった。


第二章:発見

響子がその引き出しを開けたのは、特に理由があったわけではなかった。

祖母の家の奥。
普段は使われていない部屋。

片付けを頼まれて、古い紙類をまとめているだけだった。

木の引き出しは、少し引っかかりがあった。
力を入れると、乾いた音を立てて開く。

中には、紙が重なっていた。

帳面。
封筒。
見覚えのない手書きのメモ。

その一番下に、折りたたまれた紙があった。

広げる。

五線譜だった。

「……」

見覚えがある。

あかりの唄。

音を追うまでもなかった。
旋律は、体が覚えている。

——そう思った。

だが。

指で一音ずつなぞっていくと、途中で止まる。

「……ここ」
音が、違う。

覚えている流れと、繋がらない。

もう一度、最初からなぞる。
今度は、頭の中で歌いながら。

——やはり合わない。
どこかで、ずれる。

響子は、紙を少し傾けた。
光の角度が変わる。

そのとき、気づいた。

「……消してる」
音符が一つ、薄く歪んでいる。

鉛筆で書かれていたものを、強く擦って消した跡。
その上から、別の音が書き足されている。

書き直されている。
元の音ではなく、別の形に。

響子は、しばらくその部分を見ていた。

どちらが正しいのかは分からない。
だが、はっきりしていることがある。

——自分が覚えている旋律は、ここではない。

紙の端に、小さな文字があった。
かすれて、読みづらい。

顔を近づける。

「……同じにしないと、残らない」
小さく、読み上げる。

誰の字かは分からない。
祖母のものとも違う。

その下に、もう一行。
こちらは、さらに古い筆跡だった。
インクが滲んで、ところどころ途切れている。

「——大武丸のときと同じ」

意味は分からなかった。

だが、その言葉だけが、紙の中で浮いているように見えた。

響子は、もう一度五線譜を見た。
消された音。
書き直された音。
そして、何も触れられていない音。

どれが元なのかは、分からない。

そもそも——
“元の旋律”が、あったのかどうかも。

遠くで、何か音がした。
風か、人の気配か。

響子は顔を上げる。

部屋の奥は暗く、誰もいない。
視線を戻す。

さっきまで見ていたはずの位置と、
音符の並びが、わずかに違っている気がした。

「……」

見間違いかもしれない。

そう思って、もう一度見直す。

今度は、分からない。
さっき何に違和感を覚えたのか、思い出せない。

響子は、紙をそっと畳んだ。
元の場所には戻さなかった。

しばらく考えてから、ポケットに入れる。

その動作に、理由はなかった。

ただ——
残しておかないといけない気がした。

何を、とは思い出せないまま。


第三章:接続

「これ、見てほしいんだけど」
響子は、封筒をテーブルの上に置いた。

集会場の窓は半分だけ開いていて、
外の風が紙の端をわずかに揺らしている。

映美が手で押さえた。

「祖母の家で見つけたの。でも——祖母のものじゃない気がして」

沢渡は、封筒の中身を取り出す。

折り目のついた紙。
黄ばんでいる。

五線譜だった。

「……これ」
思わず、声が出る。

見覚えがある。

だが、同時に違っていた。

沢渡は端末を開いたままにしていた。
画面の中にも、同じ唄の五線譜が並んでいる。

紙と画面を、交互に見る。
「似てる。でも、違う」

「……増えてる」
映美が、ぽつりと言った。

沢渡が顔を上げる。
「何が?」

「記録」

映美は、画面の端を指さした。
開いた覚えのないファイルが、一つ増えている。

沢渡は眉をひそめた。
「こんなの、あったか?」

ファイルを開く。

三つ目の五線譜。
やはり同じ唄だ。
そして、やはり違う。

響子が、ゆっくりと言う。
「さっきの部屋でも……少し違った気がする」

「違った?」

「うまく言えないけど」

言葉を探すように、視線が揺れる。
「見てたものが、そのままじゃなかった感じ」

沢渡は何も言わなかった。

ただ、三つの五線譜を並べる。
違う。

だが、同じ形式に収まっている。

「これ……分岐してるんじゃないな」

沢渡が言う。
「最初から、別だ」

映美は、少しだけ考えてから言った。
「別のまま、残ってる」

その言い方に、沢渡は引っかかった。
「だけど、残すなら揃えるだろ」

「揃えると、一つになりますよね」

「それが記録だ」
沢渡は、少し強く言った。

映美は否定しなかった。

ただ、紙の端に目を落とす。

「これって」
指で示す。

小さな書き込み。
かすれた文字。

「“同じにしないと、残らない”って書いてある」

響子が、静かにうなずく。

「消されてた音もあった」
沢渡は、その言葉を反芻した。

「消して、揃えたのか」
誰に言うでもなく、口に出る。

そのとき、風が少し強くなった。

窓が鳴る。

紙がめくれかけて、映美が押さえ直す。

一瞬だけ、五線譜の一部が見えた。

沢渡は、目を細める。
「……今」

「何?」
響子が聞く。

沢渡は、紙を引き寄せた。

さっき見ていた位置を、もう一度確認する。

「違った気がした」

「どこが?」

「分からない」

沢渡は、首を振る。
「でも——」

言葉が続かない。

三つの五線譜を見比べる。
どれも違う。
どれも整っている。
どれも、正しく見える。

「揃えようとしてるな」
沢渡が、低く言う。

映美が顔を上げる。
「誰が?」

沢渡は答えなかった。
代わりに、画面を見た。
開いているファイルが、もう一つ増えている気がした。
四つ目を開こうとして、手を止めた。

「……やめた方がいいかもしれないな」
誰にともなく、言う。

「何を?」
響子が聞く。

少し間があって、沢渡は答えた。
「確認するのを」

映美は、何も言わなかった。

ただ、三つの五線譜を見ている。

違うまま、並んでいる。
揃わないまま、残っている。

——それでも、まだ増えている。


第四章:発生

最初に気づいたのは、沢渡だった。
「……今、何か聞こえなかったか」

映美が顔を上げる。
「風じゃない?」

窓は閉まっている。
さっき、自分たちで閉めたはずだった。

沢渡は、何も言わずに耳を澄ませる。

——かすかに、音がある。

規則的ではない。
だが、途切れながら続いている。

「……声だ」
小さく、言う。

もう一度、聞こえた。
今度は、はっきりしている。

響子が立ち上がる。
「外、見てくる」

「待て」
沢渡が言う。

だが、その声より先に——
音は、内側にあった。

集会場の奥。
廊下の先。

使われていないはずの部屋の方から、聞こえてくる。

映美が、小さく言った。
「……誰かいる」

三人で、音の方へ向かった。

廊下は短い。
突き当たりの扉の前で、足が止まる。

声は、まだ続いている。

——やまのむこうで

沢渡は、五線譜を思い出した。
だが、合わない。

「違う……」
無意識に、口に出ていた。

——よばれたものは

音が一つ、低い。
本来来るはずの高さではない。

沢渡は、頭の中で修正しようとする。
合う形に、直そうとする。

だが——合わせられない。
「これ……記録に、ない」

映美は、何も言わない。
ただ、聞いている。

——さかいでまつもの

響子が、小さく息を呑む。
「同じ……」

だが、すぐに首を振る。
「違う」

記憶とも、さっき見た五線譜とも、合わない。

沢渡は、ポケットから紙を取り出した。
響子が持ってきた五線譜。
線の上に並ぶ音符を、目で追う。
耳に入る声と、合わせようとする。

——一瞬だけ、重なった。

次の音で、外れた。
「揃わない……」

その言葉が、初めて自分の中で確定した。

合わせることができない。
どの記録にも、収まらない。

そのとき。

扉の向こうで、声が止んだ。

——最後の音だけが、少し遅れて残った。

誰も、その遅れを指摘しなかった。

沈黙が落ちる。

沢渡が一歩、前に出た。
手を伸ばし、扉を押す。
軋む音が、やけに大きい。
中は、暗かった。

人の気配はない。

ただ、
窓が少しだけ開いている。
カーテンが、わずかに揺れていた。

「……誰もいない」
響子が言う。

沢渡は、部屋の中を見回した。

机も、椅子も、何もない。

床に、紙が一枚落ちている。
拾い上げる。

白い紙。

何も書かれていない。
沢渡は、それを裏返した。
何もない。

だが——
五線譜があったはずの“位置”だけが、分かる。

「……これ」
声が、少し低くなる。

「さっき、ここにあった」
響子が、小さく言う。

映美は、白紙のままの紙を見ている。

「消えたんじゃない」
静かに言った。

「形が変わっただけ」
沢渡は、紙から目を離さなかった。

さっきまであったはずのものが、ない。
だが、“なかったこと”にはなっていない。

「……増えてるな」

響子が聞く。
「記録が?」

沢渡は、首を振る。

少し考えてから、言い直す。
「違う」

白紙の紙を見たまま、言う。
「……揃え方が、増えてる」

誰も、それに答えなかった。

開いた窓から入る風が、
もう一度だけ、どこか遠くの音を運んできた。

今度は——
誰も、それを確かめに行こうとはしなかった。


第五章:選択

集会場に戻っても、しばらく誰も座らなかった。

さっきの部屋の空気が、
そのままついてきたような気がした。

沢渡は、机の上に紙を置いた。

白紙。

何も書かれていない。

だが三人とも、
そこに何かがあったことを知っている。

「どうする?」
響子が言った。
誰に、というわけでもなく。

沢渡は答えなかった。

代わりに、端末の画面を開く。

そこには、整った五線譜。
音も、配置も、崩れがない。

これまで見てきた中で、
一番“正しそうな”形だった。

「これを残すのか」
自分に言うように、呟く。

「それとも——」
言いかけて、止まる。

響子の持ってきた紙は、
もう一度、折りたたまれている。

同じ唄のはずなのに、
並べると、合わない。

「どっちが正しいかって話じゃないよね」
響子が言う。

沢渡は、小さくうなずいた。
「残すなら、どっちかになる」

その言葉に、映美が反応した。
「ならない」

はっきりとした声だった。

二人が見る。

映美は、机の上の白紙を指で押さえた。
「どっちかを選んだ時点で、
もう一つは消える」

沢渡は、少しだけ眉をひそめる。
「記録って、そういうもんじゃないのか」

映美は、すぐには答えなかった。

少しだけ考えてから、首を振る。
「それは、“整理”です」

言葉を区切る。

「記録は、もっと雑多なものだと思う」

誰も、すぐには口を開かなかった。

映美は続ける。
「同じでも、同じじゃない」

「違うまま、残っていいはずなのに」

視線を、端末の画面に向ける。
「後から来た人が、“一つにまとめる”」

沢渡は、何も言わなかった。

その言葉が、自分のやってきたことに近いと分かっていた。
「……それって」

響子が言う。
「……分かりにくくなりませんか」

映美は、小さくうなずいた。
「なります」

間を置く。

「分かりやすくした時点で、消えてるものがある」
沢渡は、視線を落とした。

机の上には、
整った五線譜と、
折りたたまれた紙と、
何も書かれていない紙。

三つが並んでいる。

どれも、同じ唄に関係している。
どれも、揃わない。

映美が、白紙の紙を持ち上げた。
「これも残す」

「何も書いてないぞ」
沢渡が言う。

「書いてないことも、記録になる」
映美は、紙を裏返す。

やはり、何もない。

「さっき、あの部屋にあった」
静かに言う。

「……今はない」

少しだけ、間を置く。

「その“消え方”も含めて、残す」

沢渡は、何も言わなかった。

端末の画面に目を向ける。
整いすぎた五線譜。
その形が、急に不自然に見える。

「……揃えようとしてたんだな」
小さく呟く。

誰に対してかは、自分でも分からない。

映美は、答えなかった。
代わりに、三つの紙を並べ直す。

整ったもの。
揺れているもの。
何もないもの。

「選ばないまま、残す」

その言葉は、強くはなかった。

だが、はっきりしていた。

沢渡は、しばらく動かなかった。

やがて、端末の画面を閉じる。
整っていた五線譜が消える。
代わりに、何もない画面が残る。

響子が、それを見ていた。
何も言わなかった。

「……増えてるな」

映美が、静かにうなずいた。
「うん」

誰も、もう聞き返さなかった。

何が増えているのか、
三人とも、分かっていたからだ。


最終章:記録

——記録A
当該唄は、従来の形式と一致する。
差異は確認されていない。

——記録B
同一唄の複数記録を照合したが、
旋律の一致率は低い。

——聞き書き(年代不明)
同じ唄だったと思う。
でも、誰が歌っていたかは思い出せない。

——記録C
音階の一部に欠損が見られるが、
補完の必要はないと判断する。

——手記
祖母は、その唄を歌わなかった気がする。

——記録D
当該資料は、整合性を保っている。

——断片
——さかいでまつもの

——記録E
欠落は確認されていない。

——記録F
当該資料は白紙である。
記録対象は確認されていない。

——

(空白)


■ 欠落記録
 本項目は参照された形跡があるが、
 内容は確認できない。


■付記
本記録は、複数の資料を基に再構成されたものである。
ただし、各資料間に整合性は確認されていない。

また、一部の記録に、
参照・編集の痕跡が認められる。
ただし、当該操作を行った記録は存在しない。

——誰が揃えたのかは、記録されていない。


■追記
記録は増加している。
ただし、その総数は把握されていない。

同一内容と思われる記録においても、
差異が確認される。

白紙の記録が、複数存在する。

それらはすべて、
「何も残っていない」という点だけが一致している。


※本記録は、未送信のまま保存されている。

送信されなかった理由は、確認できない。

ただし——

送信された記録との間に、
内容の差異は認められていない。


誰の唄も、最後まで同じには聞こえなかった。


この物語は、実在する岩手県一関市・旧鬼死骸村を舞台にした、
記録・神話・現代が織りなす物語の一編です。
この村には、フィクションでは作れない地形と歴史があります。
鬼死骸村の全体像は、【鬼死骸村探検隊】(ポータルページ)にて。
地図・動画・神話・怪異記録が重なっています。



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