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14歳にも分かる・コンピュータの仕組み

はじめに

 朝起きて、スマホのアラームを止める。
 これはコンピュータです。

 電車に乗るとき、Suicaをかざす。
 これもコンピュータが働いています。

 友達と最新のゲームで遊ぶとき、あの美しい映像を描き出しているのも、やはりコンピュータの仕事です。

 「コンピュータ」と聞くと、ちょっと難しそうな黒い箱や、冷たい機械を想像するかもしれませんね。
 でも、私たちの日常生活の「便利だなぁ」「楽しいな」のほとんどは、この機械のおかげで成り立っていると言っても過言じゃありません。

 もし今、世界中のコンピュータが一斉にストップしたらどうなると思いますか?

 スマホもATMも、交通信号さえも動かなくなってしまう。
 想像するだけで、ちょっと怖いでしょう?

 そんな世界を一変させた「ただの箱」

 コンピュータが一体どんな仕組みで動いているのかを、一緒に覗いてみましょう。


コンピュータって何?

- - その正体は、計算好きの天才秘書

 「コンピュータ(Computer)」という言葉のルーツは、「計算する人」や「計算機」という意味です。

 そう、大昔は計算を専門とする職業の人を指していたんですね。
 なんだか意外じゃないですか?

 今や、コンピュータは私たちにとって「何でも屋さん」ですが、その本質は「ものすごい速さで、命令された通りの計算を正確にこなす機械」なんです。

 私たちが「今日の天気は?」とか「このボタンを押したら、このキャラクターをジャンプさせて」と命令を出すと、コンピュータはそれを「0」と「1」だけの言葉(二進数といいます)に翻訳して、一瞬で数万回、数億回の計算をこなしてしまう。

 しかも、彼らは感情を持たないので、私たち人間のように「面倒くさいな」とか「ちょっと疲れたから休憩」なんてことは絶対に言いません。

 ひたすら正確に、休まず働く。
 まさに、世界最高の、そして計算が大好きな天才秘書みたいな存在なのです。


コンピュータって何ができるの?

- - たった二つのことで世界を創る

 コンピュータがやっていることは、突き詰めて言えばたった二つしかありません。

  ・計算(処理)すること

  ・記憶(保存)すること

 この二つしかできないのに、なぜゲームも、SNSも、衛星の軌道計算もできるんでしょう?

 それは、「計算」の速度が異常に速いからです。

 例えば、ゲームでキャラクターを動かすとき。
 私たちがボタンを押した瞬間に、「キャラクターの位置をX軸方向に5ピクセル移動させて」「その移動に伴って影も調整して」「背景の雲も少し動かして」といった、何千もの細かすぎる計算が、瞬時に行われています。

 そして、その計算結果や、ゲームのデータ、あなたが撮った写真などを一時的・長期的に「記憶」することで、私たちが楽しめるコンテンツになっているんですね。

 私たちが日常生活で楽しんでいる「マルチタスク」も、コンピュータが実は一つ一つの作業をものすごいスピードで順番にこなしているからこそ、まるで同時に動いているように錯覚しているだけなんですよ。

 人間よりずっと賢く、そしてずっと手先が器用なんです。


コンピュータの仕組み

- - 脳・作業机・図書館の完璧チーム

 では、その天才秘書がどんな構造になっているかを見ていきましょう。

 コンピュータの主要なパーツは、人間の活動に例えるととても分かりやすいんです。

図1. コンピュータの仕組み


(1)CPU(中央演算処理装置)- チームの「脳」

 CPUは「Central Processing Unit」の略で、まさにコンピュータの「脳」です。
 すべての計算、すべての指示を理解し、実行する最高責任者なんです。

 CPUはさらに、二つの部分に分かれています。
A.演算装置(ALU:Arithmetic Logic Unit)
  足し算や引き算などの計算や、AとBのどちらが大きいかといった比較判断を行います。
B.制御装置(Control)
  プログラムの指示を解釈して、CPUの各部分やメモリ、入出力装置などがどのように動作するかを制御します。

 あなたがスマホでアプリを立ち上げようとタップした瞬間、「よし、アプリを起動しろ」と判断して、各パーツに具体的な命令を出すのがこのCPUです。
 彼が賢く、そして速ければ速いほど、あなたのスマホやパソコンはサクサク動きます。


(2)メモリ(RAM)- チームの「作業机」

 メモリは「Random Access Memory」の略で、CPUが今まさに使っているデータやプログラムを置いておく「作業机」です。

 あなたが本を読みながらノートを取るとしましょう。
 本(データ)とペン(CPUの道具)を作業机(メモリ)に広げますよね。机が広ければ広いほど、複数の本を同時に開いたり、大きなノートを広げたりできます。

 メモリがパソコンにとって大事なのは、CPUがデータを遠い倉庫(後述のストレージ)に取りに行くより、手元の作業机からサッと取り出すほうが断然速いからです。

 ただし、メモリは電源を切ると、机の上のものが全て消えてしまうという特徴を持っています。
 だから、作業中に停電したらデータが消えるのは、このメモリの特性によるものなんですね。


(3)ストレージ(SSD/HDD)- チームの「図書館」

 ストレージは、あなたの写真、動画、インストールしたアプリなど、電源を切っても消えてほしくないデータを「長期的に保管しておく図書館」です。

 SSDやHDDといった種類がありますが、彼らはCPUとメモリが作り出した大切な成果物や、これから使う予定の全てのデータをしっかりと保管してくれます。

 この「図書館」から必要な本(データ)を取り出して、メモリという「作業机」に広げて、CPUという「脳」が処理をする。
 これがコンピュータが動く基本的な流れなのです。


(4)入出力装置
 コンピュータとユーザーとの間で情報を受け渡すための部分です。
A.入力装置(Input)
   キーボードやマウスなど、私たちがコンピュータに指示やデータを送るためのものです。
B.出力装置(Output)
   ディスプレイやプリンターなど、コンピュータが処理結果を私たちに伝えるためのものです。


これからどうなるの?

- - 人間とコンピュータの新しい関係

 コンピュータは進化し続けています。
 特に最近は、AI(人工知能)の進化が目覚ましいですよね。

 AIは、過去の膨大なデータを読み込み、そこから自分で「学習」して、計算(処理)の結果を出す、コンピュータの新しい姿です。

 もはや、コンピュータは私たちの秘書というより、最高の相談相手、あるいは創造的なパートナーになりつつあります。

 しかし、どんなにAIが進化しても、一つだけ変わらない真実があるのです。
 それは、コンピュータは、私たち人間が「何をしたいか」「何を面白いと思うか」という意志と命令がなければ、ただの箱である、ということです。

 コンピュータは、人間のように感動したり、誰かを心から愛したり、新しいアイデアにワクワクしたりはできません。
 それはいつだって、私たち人間の役割です。

 あなたがこれから触れるコンピュータは、単なる道具ではなく、あなたのアイデアや情熱を、現実の世界で実現してくれる「魔法の杖」のようなものです。

 これからあなたは、どんなことを創造していくのでしょうか。



【補足】GPUとは?

 GPUという言葉をよく聞きますね。CPUとは違うものなのでしょうか。

 GPU(Graphics Processing Unit)は、画像処理や機械学習など、大量の計算を同時に処理するのが得意なプロセッサ(計算や処理を行う装置)です。ゲームグラフィックスやAIモデルの計算で活躍します。

 一方CPUは、複雑な処理や制御を行うのに適していて、汎用的で柔軟ですが並列計算はGPUほど得意ではありません。

 CPUもGPUもプロセッサなのですが、
  ・プロセッサ → 「作業をする人」全体
  ・CPU →「司令塔や考える人」
  ・GPU →「大量作業を同時にこなす作業員チーム」
と言えるでしょう。


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