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東京で見るサギソウ(鷺草)の花

 サギソウ(鷺草)の花を見たことはありますか。

 写真は数年前に、東京・世田谷区の瀬田フラワーランドで撮影したものです。
 このサギソウは、自生のものではなく、人の手で大切に育てられた鉢植えのものでした。

 この花がかつては東京のあちこちで、当たり前のように咲き誇っていたそうです。

 世田谷区では、サギソウが「区の花」に制定されています。

 かつては、九品仏・浄真寺の東門あたりや本堂付近の池で、数多くのサギソウが自生していました。この九品仏・浄真寺は、正式名称を「九品山唯在念仏院浄真寺」といい、浄土宗の寺院です。広大な敷地を持ち、四季折々の美しい自然が楽しめる場所でもあります。
 現在は池の畔に植え込まれているものを、見ることができるだけとなっています。

 また、この写真を撮影した瀬田フラワーランドは、世田谷区の管理する農業公園で、様々な花や植物が楽しめる場所です。ここでは、水辺近くに置かれた、植木鉢で育った花をみることができます。

 サギソウ(鷺草)は、ラン科サギソウ属に分類される湿地性の多年草です。

 その名前の由来は、なんといっても、その花の形にあります。白い花びらが、まるでシラサギが羽を広げて飛び立とうとしているかのように見えることから、「鷺草」と名付けられました。
 英語でも「White egret flower」、まさに「シラサギの花」と呼ばれていることからも、世界中でその姿がシラサギに例えられていることがわかりますね 。

 花期は7月から8月にかけて。夏の盛り、湿地のほとりでひっそりと咲くその姿は、見る者の心を惹きつけます。
 その花言葉は「清純」「繊細」「夢でもあなたを想う」 。
 どれもこの可憐な花にぴったりの言葉だと思いませんか。

 サギソウの分布は、台湾、朝鮮半島、そして日本。
 日本では本州、四国、九州と、比較的広い範囲に分布しているとされています。

 しかし、その美しい姿とは裏腹に、サギソウは今、絶滅の危機に瀕しています。
 湿地の開発、栽培目的での乱獲、そして自然の移り変わりによる湿地の乾燥化など、様々な要因が重なって、多くの自生地が失われてしまいました。
 その結果、日本では環境省のレッドリストで「準絶滅危惧種(NT)」に指定されています。さらに、東京都では「絶滅種(EX)」に指定されていて、東京ではもう自生地を見ることはできないようです。

 絶滅危惧種とは、文字通り、絶滅の危機に瀕している生物種のことです。
 国際自然保護連合(IUCN)が作成するレッドリストは、世界中の生物の絶滅の危険性を評価して、リストアップしています。
 日本でも環境省が独自のレッドリストを作成していて、サギソウのように「準絶滅危惧種」や、さらに深刻な「絶滅種」といったカテゴリーに分類されています。

 例えば、私たちにとって身近な動物の中にも、絶滅が危惧されている種は少なくありません。
 沖縄に生息するヤンバルクイナは「絶滅危惧IB類(EN)」に、本州以南に分布するニホンウナギは「絶滅危惧IB類(EN)」に指定されています。
 彼らもまた、サギソウと同じように、開発や環境の変化によって生息地を奪われ、その数を減らしているのです。

 サギソウのような植物や動物たちも、私たち人間が豊かな自然の中で生きていく上で、かけがえのない存在です。彼らの減少は、私たちの生活にも大きな影響を与える可能性があることを忘れてはなりません。


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