[IPA]情報セキュリティ10大脅威2025【個人編】
情報化社会が進む現代において、私たちは日々様々な情報セキュリティの脅威に晒されています。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が発表する「情報セキュリティ10大脅威 2025 個人編」は、こうした脅威から私たち自身を守るための重要な指針となるでしょう。
ここでは、個人が直面する主要な脅威について、
脅威の概要
具体的な手口
実践的な対策
などを解説しています。
この記事を参考にして、自身のデジタルライフにおけるリスクを理解し、適切なセキュリティ対策を講じるようにしてください。
1.情報処理推進機構(IPA)とは
情報処理推進機構(IPA)
正式名称は「独立行政法人 情報処理推進機構」。
日本の政府関連機関で、ITやサイバーセキュリティ分野の発展・安全確保を目的としています。
主な活動は、
・情報処理技術者試験の実施(例:基本情報技術者、応用情報技術者など)
・サイバーセキュリティの啓発・支援
・IT人材育成
・脆弱性情報の公開(JVN)
情報セキュリティ10大脅威 2025
個人、組織について詳細を知りたい人は、以下を参照してください。
2.情報セキュリティ10大脅威 2025【個人編】
「情報セキュリティ10大脅威 2025【個人編】」の概要を紹介します。

より詳細な記述のある原文はつぎを参照してください。
2.1 【個人編】」の概要
「情報セキュリティ10大脅威 2025」は、2024年に発生した社会的に影響が大きかったと考えられる情報セキュリティにおける事案から、IPAが脅威候補を選出し、情報セキュリティ分野の研究者、企業の実務担当者など約200名のメンバーからなる「10大脅威選考会」が脅威候補に対して審議・投票を行い、決定したものです。
10大脅威 2025では、個人の10大脅威の順位は掲載せず、五十音順で並べています。これは、順位が高い脅威から優先的に対応し、下位の脅威への対策が疎かになることを懸念してのことです。順位に関わらず自身に関係のある脅威に対して対策を行うことを期待しています。
元の詳細な記述を読みたい人はこちらを参照してください。
2.2 情報セキュリティ対策の基本
世の中には「情報セキュリティ 10 大脅威」にランクインした脅威以外にも多数の脅威が存在しています。
そして、「攻撃の糸口」は共通するものが多いのです。
IPAでは「表」に示すように「攻撃の糸口」を 5 つに分類して、それぞれに該当する対策を「情報セキュリティ対策の基本」としています。
「攻撃の糸口」に変化がない限り、「情報セキュリティ対策の基本」による効果が期待できます。これを意識して継続的に対策を行うことで、被害に遭う可能性の低減が期待できるでしょう。
IPAが紹介している「情報セキュリティ対策の基本」は以下の表を参照してください。

2.3 【個人編】脅威への共通の対策
「個人」向け脅威への共通対策について概要を紹介します。
(1)認証情報を適切に運用する
強固なパスワード設定、パスワードの使い回しを避ける、多要素認証の活用.
(2)情報リテラシー、情報モラルを向上させる
疑わしい情報を見抜く力を養う、ネット上のモラルを守る.
(3)メールの添付ファイルの開封、メールやSMSのURLリンクのクリックを安易にしない
不審なメールやメッセージに注意し、安易にファイルを開いたりリンクをクリックしたりしない.
(4)適切な報告/連絡/相談を行う
被害に遭ったり、不審な点に気づいたりした場合は、速やかに専門機関や信頼できる人に相談する.
(5)サーバーやPC、ネットワーク機器に適切なセキュリティ対策を行う
OSやソフトウェアの更新、セキュリティソフトの導入など.
(6)適切なバックアップ運用を行う
データ損失に備えて定期的にバックアップを取る.
3.【個人編】10大脅威への個別の対策
オリジナルの各項目を要約して掲載します。
3.1 インターネット上のサービスからの個人情報の窃取

【概要】
ショッピングサイトなどのインターネットサービスで不正アクセスや不正ログインが行われ、登録されている個人情報が窃取される被害が続いています。窃取された情報はダークウェブで拡散され、詐欺メールやクレジットカードの不正利用につながる可能性があります.
【攻撃者と被害者】
・攻撃者:
サービスの脆弱性や設定不備を悪用する者、他のサービスから窃取した認証情報を悪用する者.
・被害者:
インターネットサービスの利用者(ショッピング、教育、金融など).
【脅威と影響】
攻撃者はサービスの脆弱性や利用者のパスワード使い回しを悪用し、個人情報(氏名、生年月日、メールアドレス、クレジットカード情報など)を窃取します。窃取された情報は売買されたり、詐欺メールの送信に利用されたりするおそれがあります.
【攻撃手口】
・サービスの脆弱性や設定不備を悪用:
セキュリティ対策が不適切なサイトの脆弱性や設定不備を悪用し、個人情報を窃取したり、Webサイトを改ざんして情報を詐取します.
・他のサービスから窃取した認証情報を悪用:
別のサービスから入手したIDとパスワードを使って不正ログインし、個人情報を窃取します.
【対策と対応】
・被害の予防:
利用していないサービスは退会する、必須項目以外の情報は登録しない、多要素認証を設定する、認証情報を適切に運用する.
・被害の早期検知:
クレジットカード利用明細を定期的に確認する、漏えいしたメールアドレスが検索できるサービスで確認する、ログイン通知機能を有効にする、ログイン履歴を確認する.
・被害を受けた際の対応:
適切な報告/連絡/相談を行う、認証情報を適切に運用する、クレジットカードの利用を停止する.
3.2 インターネット上のサービスへの不正ログイン

【概要】
アカウントを作成した本人以外の第三者がログインを行い、アカウントの乗っ取りや、アカウントに紐づいた個人情報を窃取する事案です。多要素認証であっても、利用者の情報リテラシーの低さから突破されるケースもあります.
【攻撃者と被害者】
・攻撃者:
フィッシングなどで詐取したIDやパスワード、パスワードリスト攻撃、パスワード類推攻撃を行う者.
・被害者:
インターネットサービスの利用者(ショッピングサイト、キャッシュレス決済サービス、SNSなど).
【脅威と影響】
不正ログインされると、サービスの提供内容に応じて被害が発生します。ショッピングサイトでは個人情報やクレジットカード情報の窃取、不正購入、ポイント盗用。キャッシュレス決済では残高やポイントの不正利用。SNSではプライベートな情報の覗き見、投稿の削除、フィッシング詐欺につながる投稿など.
【攻撃手口】
・フィッシング詐欺:
偽のメールやSMSでフィッシングサイトに誘導し、認証情報を詐取します.
・マルウェア感染:
悪意あるWebサイトへのアクセスや添付ファイルの開封によりマルウェアに感染させ、入力されたIDやパスワードを窃取します.
・パスワードリスト攻撃:
不正に入手したIDとパスワードのリストを使い、自動的にログインを試みます。複数のサービスでパスワードを使い回している利用者が標的になります.
・パスワード類推攻撃:
固有名詞や数字、芸能人・知人の個人情報など、類推しやすいパスワードを試行します.
【対策と対応】
・被害の予防:
「情報セキュリティ対策の基本」を実施する、Webサイトはブックマークからアクセスする、セキュリティソフトで危険なWebサイトへのアクセスをブロックする、メールの添付ファイルやURLリンクを安易に開かない、多要素認証を有効にする、利用していないサービスは退会する、利用頻度が低いサービスではクレジットカード情報を登録しない.
・被害の早期検知:
ログイン通知機能を有効にする、ログイン履歴を確認する、クレジットカードやポイントの利用履歴を定期的に確認する.
・被害に遭った際の対応:
クレジットカードの利用を停止する、適切な報告/連絡/相談を行う.
3.3 クレジットカード情報の不正利用

【概要】
オンラインショッピングやキャッシュレス決済の普及に伴い、フィッシング詐欺やWebサイト改ざんなどによってクレジットカード情報が詐取され、不正利用される被害が増加しています。カード利用停止後も、オフライン決済を悪用した不正利用が継続するケースも確認されています.
【攻撃者と被害者】
・攻撃者:
フィッシング詐欺、不正アクセス、ウェブスキミング、クレジットマスター攻撃、マルウェア感染、漏えい情報の悪用を行う者.
・被害者:
クレジットカード所有者.
【脅威と影響】
クレジットカード情報が窃取されると、正規の利用者が知らない間に不正利用され、金銭的な被害を受けるおそれがあります。一度も使用したことのないカードでも、番号を推測されて悪用される可能性もあります.
【攻撃手口】
・フィッシング詐欺:
偽のメールやSMSでフィッシングサイトに誘導し、クレジットカード情報を入力させて詐取します.
・ウェブスキミング:
ECサイトの脆弱性を悪用し、決済画面を改ざんして入力されたクレジットカード情報を窃取します.
・不正アクセス:
決済代行会社のシステム脆弱性を悪用し、不正アクセスにより保存されているクレジットカード情報を窃取します.
・クレジットマスター攻撃:
限られたパターンであるクレジットカード番号、有効期限、セキュリティコードの組み合わせを総当たりで入力し、情報を特定して悪用します.
・マルウェア感染:
悪意あるファイルやリンクにより端末をマルウェアに感染させ、入力されたクレジットカード情報を窃取します.
・漏えいした情報の悪用:
他のインターネットサービスから漏えいしたクレジットカード情報を悪用します。これらの情報は闇サイトで売買されることもあります.
【対策と対応】
・被害の予防:
「情報セキュリティ対策の基本」を実施する、クレジットカード会社の本人認証サービス(3Dセキュアなど)を利用する、メールの添付ファイルやURLリンクを安易に開かない、不審な画面には情報を入力しない、プリペイドカードやデビットカードの利用を検討する、利用可能枠を抑える、利用頻度が低いサービスではクレジットカード情報を保存しない、利用していないカードは契約解除や物理的破棄を検討する.
・被害の早期検知:
クレジットカード利用明細を定期的に確認する、サービス利用状況の通知機能を利用する.
・被害を受けた際の対応:
クレジットカードの利用を停止する、停止後も不審な利用履歴がないか確認する、マルウェア感染した端末を初期化する、適切な報告/連絡/相談を行う、認証情報を適切に運用する.
3.4 スマホ決済の不正利用

【概要】
スマートフォンを利用したキャッシュレス決済(スマホ決済)の普及に伴い、第三者によるなりすましなどの不正な取引による金銭的被害が確認されています.
【攻撃者と被害者】
・攻撃者:
不正に入手したIDとパスワードで決済サービスに不正ログインする者、フィッシングサイトに誘導し決済情報を窃取する者、送金サービスを悪用する者.
・被害者:
スマホ決済サービスの利用者41.
【脅威と影響】
攻撃者は不正に入手したIDとパスワードで決済サービスに不正ログインし、窃取したクレジットカード情報などを利用して別の決済サービスに登録し、不正なスマホ決済を行います。これにより金銭的被害を受けるおそれがあります.
【攻撃手口】
・スマートフォンのキャッシュレス決済を悪用:
フィッシングサイトでログイン情報や決済情報を窃取し、スマホ決済サービスに登録して商品を購入します.
・スマートフォンのオフライン決済を悪用:
タッチ決済のオフライン決済は利用停止後も一定の制限内で決済が可能なため、少額商品を連続して購入します.
・スマホ決済の送金サービスを悪用:
ネットショッピングの返金を装って決済アプリの送金設定を指示し、利用者に攻撃者へ送金させます.
・不正ログインによるアカウントの乗っ取り:
不正に入手したIDとパスワードでスマホ決済に不正ログインし、アカウントを乗っ取ってスマホ決済を行います.
【対策と対応】
・被害の予防:
「情報セキュリティ対策の基本」を実施する、多要素認証を設定する、スマホ決済でクレジットカードを利用する場合は3Dセキュアを利用する、フィッシングに注意する、利用していないサービスは退会する、スマートフォンの紛失時の対策(画面ロック、遠隔消去/初期化機能設定)を行う.
・被害の早期検知:
スマホ決済サービスの利用状況通知機能の利用および利用履歴の定期的な確認、連携する銀行口座やクレジットカード利用履歴の確認.
・被害を受けた際の対応:
必要に応じて連携しているクレジットカードの利用を停止する、認証情報を適切に運用する、適切な報告/連絡/相談を行う.
3.5 偽警告によるインターネット詐欺

【概要】
Webサイト閲覧中に偽のセキュリティ警告画面が突然表示され、不安を煽られた閲覧者が画面の指示に従うことで金銭を騙し取られる被害です。ソフトウェアやアプリの購入、サポート詐欺(サポート料金請求や遠隔操作による金銭詐取)などがあります.
【攻撃者と被害者】
・攻撃者:
インターネット広告の悪用やWebサイトの改ざんにより偽警告を表示する者、偽のサポート窓口を装い金銭を詐取する詐欺グループ.
・被害者:
Webサイト閲覧者、インターネット利用者.
【脅威と影響】
偽警告の指示に従うと、ソフトウェアやスマホアプリを購入させられたり、偽のサポート窓口に連絡することで遠隔操作され、サポート料金や修復費用を請求されます。また、入力した個人情報(氏名、メールアドレス、クレジットカード情報など)が別の詐欺や漏えいにつながる二次被害のおそれもあります.
【攻撃手口】
・巧妙に細工が施された偽の警告画面:
インターネット広告の悪用やWebサイトの改ざんにより、実在する企業のロゴを使用したり、警告音や音声メッセージで不安を煽ったり、ポップアップ画面を閉じられないように見せかけたりして、偽警告を表示します.
・サポート詐欺:
偽警告に表示されたサポート窓口へ電話をかけさせ、遠隔操作ソフトウェアをインストールさせ、マルウェア駆除などの修復費用として、プリペイド型電子マネーやギフトカード、クレジットカード決済、インターネットバンキングの送金などを要求します.
・セキュリティソフトやスマホアプリのインストール・購入に誘導:
偽警告から偽のセキュリティソフトやスマホアプリのダウンロードや購入に誘導し、アフィリエイト報酬を得ることが目的の場合もあります.
【対策と対応】
・被害の予防:
「情報セキュリティ対策の基本」を実施する、セキュリティソフトで危険なWebサイトへのアクセスをブロックする、表示される警告を安易に信用しない、偽警告の画面の指示に従わない(ソフトウェアのインストール、電話、遠隔操作、支払いなど)、偽警告が表示されたらブラウザを終了する、ブラウザの通知機能を不用意に許可しない、ポップアップや広告のブロック機能を設定する.
・被害を受けた際の対応:
PCを遠隔操作された場合は初期化やシステムの復元を行う、スマホアプリをアンインストールし自動継続課金設定がないか確認・解除する、適切な報告/連絡/相談を行う.
3.6 ネット上の誹謗・中傷・デマ

【概要】
SNSの普及により、個人が匿名で広範囲に情報を発信できるようになり、意図的な誹謗・中傷、脅迫、犯罪予告、デマの書き込みが問題となっています。真偽不明の情報が拡散され、社会的な混乱を引き起こす可能性もあります.
【攻撃者と被害者】
・攻撃者:
匿名で誹謗・中傷やデマを発信する者、SNSでの収益化を狙いセンセーショナルな内容を拡散する者、真偽を確認せずに情報を拡散する第三者.
・被害者:
個人、組織.
【脅威と影響】
攻撃の対象が個人であれば精神的苦痛、組織であれば風評被害による経済的損失など、様々な影響が出ます。非常時に偽情報が拡散されると社会的な混乱を引き起こすおそれがあります。誹謗・中傷やデマの発信は犯罪になりうる行為であり、安易に拡散した人も社会的責任を問われることがあります.
【攻撃手口】
・影響のある情報を匿名で発信できる:
匿名での発信は身元がばれないという誤解から内容が過激になりやすいですが、名誉毀損などに該当する場合、法律に基づいて身元が特定される可能性があります.
・第三者による情報の拡散・改変:
SNSなどで発信された誹謗・中傷やデマを第三者が真偽を確認せずに無自覚に拡散し、伝言ゲームのように広がり、内容が改変されることもあります.
【対策と対応】
・被害の予防:
情報リテラシー、情報モラル、法令遵守の意識を向上させる、情報の信頼性を確認する(複数の情報元や真偽発信サービスを確認)、誹謗・中傷や公序良俗に反する投稿や拡散をしない(不特定多数に見られることを想定する)、投稿や拡散の責任を問われることを理解する(匿名でも身元特定が可能で犯罪になりうる).
・被害を受けた際の対応:
管理者やプロバイダーへ削除依頼を行う(慎重に弁護士などに相談する)、適切な報告/連絡/相談を行う.
3.7 フィッシングによる個人情報等の詐取

【概要】
公的機関や金融機関、ショッピングサイト、宅配業者などの有名企業を装ったメールやSMSを送りつけ、正規のWebサイトを模倣したフィッシングサイトへ誘導し、認証情報、クレジットカード情報、個人情報を入力させて詐取する行為です。詐取された情報は金銭的被害などにつながります.
【攻撃者と被害者】
・攻撃者:
公的機関や有名企業を装ったメールやSMSを送り、フィッシングサイトへ誘導する者.
・被害者:
メールやSMSの受信者.
【脅威と影響】
攻撃者は本物だと勘違いさせるような巧妙な手口で偽サイトに誘導し、入力された情報を詐取します。詐取された情報は、オンラインサービスへの不正ログイン、クレジットカードの不正利用、金銭の詐取、個人情報の悪用など、様々な二次被害に繋がります.
【攻撃手口】
・メールやSMSによる誘導:
本物そっくりのメールやSMSを送り、記載されたURLリンクをクリックさせてフィッシングサイトに誘導します.
・有名企業やサービスを騙る:
宅配業者、金融機関、ECサイト、公的機関などを装い、緊急性や重要性を煽って誘導します.
・ドメイン名の類似やURL短縮サービスの悪用:
正規サイトと酷似したドメイン名や、URL短縮サービスを利用して巧妙に偽サイトへ誘導します.
・OAuthクライアントの同意画面を悪用:
偽の同意画面を表示させ、ユーザーがアクセス権を許可すると、個人情報や認証情報を窃取します.
・二段階認証を突破する手口:
偽のサイトで認証情報を入力させると同時に、攻撃者が正規サイトでログインを試み、表示された二段階認証コードを偽サイトに入力させることで、認証を突破します.
【対策と対応】
・被害の予防:
「情報セキュリティ対策の基本」を実施する、メールやSMSのURLリンクを安易にクリックしない、送信元を安易に信用しない、Webサイトはブックマークからアクセスする、表示される警告を安易に信用しない、多要素認証を設定する、フィッシングサイト対策機能が有効なセキュリティソフトを導入する.
・被害の早期検知:
ログイン通知機能を有効にする、サービスのログイン履歴を確認する、クレジットカードやポイントの利用履歴を定期的に確認する、漏えいしたメールアドレスが検索できるサービスで確認する.
・被害を受けた際の対応:
認証情報を変更する、適切な報告/連絡/相談を行う、クレジットカードの利用を停止する.
3.8 不正アプリによるスマートフォン利用者への被害

【概要】
不正アプリとは、利用者の意図しない動作をするアプリや、悪意のあるソフトウェアが組み込まれたアプリのことです。これらがスマートフォンにインストールされることで、個人情報の窃取、金銭的被害、端末の乗っ取りといった被害が発生します.
【攻撃者と被害者】
・攻撃者:
不正アプリを作成し配布する者(偽アプリストア、SNS広告、SMSなどから誘導).
・被害者:
スマートフォン利用者.
【脅威と影響】
不正アプリがインストールされると、端末内の連絡先、写真、位置情報などの個人情報が窃取されたり、インターネットバンキングやオンライン決済サービスのアカウント情報が窃取されて金銭的被害が発生したりするおそれがあります。また、端末を遠隔操作されて不正な操作をされたり、詐欺メールの送信元として利用されたりする可能性もあります.
【攻撃手口】
・公式マーケット以外のアプリストアからインストールを誘導:
SNS広告、SMS、Webサイトなどで「不正なアプリストア」や「ファイル共有サイト」へ誘導し、不正アプリのインストールを促します.
・公式マーケットへの不正アプリの登録:
審査が緩い公式マーケットに不正アプリが登録されることがあります。不正アプリは正規アプリと類似した名称やアイコンを使用したり、正規アプリに紛れて偽装されたりすることがあります.
・Webサイトからのインストール:
Webサイトにアクセスした際に、利用者に不正アプリのインストールを促す場合があります.
・マルウェア感染:
悪意のあるファイルやリンクを介して端末にマルウェアを感染させ、不正アプリをインストールさせたり、端末の情報を窃取したりします.
【対策と対応】
・被害の予防:
「情報セキュリティ対策の基本」を実施する、公式マーケット以外からアプリをインストールしない、開発元が不明なアプリや身に覚えのないアプリをインストールしない、アプリのアクセス許可を確認する、危険なWebサイトへのアクセスをブロックするセキュリティソフトを導入する、スマホのOSやアプリを最新の状態に保つ、パスワードを設定する、多要素認証を設定する.
・被害の早期検知:
スマホ決済サービスやクレジットカードの利用履歴を定期的に確認する、身に覚えのない請求がないか確認する、ログイン通知機能を有効にする、利用しているサービスのログイン履歴を確認する.
・被害を受けた際の対応:
不正アプリをアンインストールする、端末を初期化する、認証情報を変更する、適切な報告/連絡/相談を行う.
3.9 メールやSMS等を使った脅迫・詐欺の手口による金銭要求

【概要】
メールやSMSを利用して、不正アクセスによる個人情報窃取や秘密暴露を仄めかしたり、ウイルス感染、未払い料金、当選などを装って、利用者に金銭を要求する詐欺手口です。多くの場合、金銭を支払っても要求が止むことはなく、詐欺グループに「お金を支払う人」として認識され、継続的に被害に遭う可能性があります.
【攻撃者と被害者】
・攻撃者:
脅迫・詐欺メールやSMSを送信する者.
・被害者:
メールやSMSの受信者.
【脅威と影響】
脅迫・詐欺メールやSMSを信用してしまうと、金銭的被害に遭うだけでなく、個人情報が詐取されたり、マルウェアに感染したりするおそれがあります。一度でも金銭を支払うと、さらに要求がエスカレートしたり、詐欺グループに「お金を支払う人」として認識され、継続的なターゲットになる可能性があります.
【攻撃手口】
・個人情報窃取や秘密暴露を仄めかす脅迫メール:
過去のサイト閲覧履歴や個人情報を把握しているかのように装い、口外しない代わりに金銭を要求します。不正ログインなどで窃取した情報が悪用されることもあります.
・ウイルス感染を装う詐欺メール:
端末がウイルスに感染したと偽り、解決のために金銭を要求したり、不正なアプリの購入を誘導したりします.
・未払い料金の請求を装う詐欺メール:
未払いの利用料金があるかのように装い、支払いを促して金銭を要求します.
・当選を装う詐欺メール:
高額な賞金や景品が当たったと偽り、受け取り手続きと称して手数料や税金などの名目で金銭を要求します.
・宅配業者を装うSMS:
偽の配達通知を装ったSMSを送り、不在通知や再配達の手続きと称して偽サイトに誘導し、個人情報やクレジットカード情報を詐取します.
【対策と対応】
・被害の予防:
「情報セキュリティ対策の基本」を実施する、メールやSMSのURLリンクを安易にクリックしない、身に覚えのない金銭要求や不安を煽る連絡を安易に信用しない、不審なメールやSMSは無視する、金銭要求に応じない、個人情報の安易な公開を避ける.
・被害の早期検知:
家族や友人に相談する、利用明細やアカウント履歴を定期的に確認する.
・被害を受けた際の対応:
警察や消費生活センター、IPAなどの相談窓口に相談する、認証情報を変更する、クレジットカードの利用を停止する、マルウェアに感染した端末を初期化する.
3.10 ワンクリック請求等の不当請求による金銭被害

【概要】
利用者がWebサイトを閲覧中に、誤ってリンクをクリックしたり、自動再生された動画を視聴したりしただけで、「登録完了」や「料金請求」の画面が表示され、不当な金銭を要求される詐欺手口です。無視すれば被害は発生しないことが多いですが、しつこく請求されたり、個人情報を特定されたりして不安を煽られるケースもあります.
【攻撃者と被害者】
・攻撃者:
ワンクリック請求を行う悪質な事業者.
・被害者:
Webサイト閲覧者.
【脅威と影響】
ワンクリック請求の画面が表示されても、通常はすぐに金銭的被害にはつながりません。しかし、不安に駆られて請求に応じると金銭を騙し取られたり、氏名、住所、電話番号などの個人情報を入力してしまい、さらに不当な請求を受けたりするおそれがあります。悪質な場合は、電話で執拗な支払いを要求されたり、不当な請求がエスカレートする可能性もあります.
【攻撃手口】
・登録完了を装う手口:
Webサイト閲覧中に「登録完了」などの画面を突然表示させ、利用者に登録の意思がなくても契約が成立したかのように見せかけ、料金の支払いを要求します.
・年齢認証を悪用する手口:
年齢確認を促すWebサイトで、クリックすると登録が完了したと偽り、金銭を要求します.
・利用規約を悪用する手口:
サイトの隅に小さな文字で利用規約を記載し、利用者がサイトを閲覧した時点で利用規約に同意し契約が成立したと主張して、金銭を要求します.
・通信事業者等を騙る詐欺:
通信事業者などを装い、利用料金の未払いを通知するSMSを送り、偽のWebサイトに誘導して金銭を要求します.
・SMSを使った詐欺:
未払い料金や不在通知などを装ったSMSを送りつけ、偽サイトに誘導して金銭を要求します.
【対策と対応】
・被害の予防:
「情報セキュリティ対策の基本」を実施する、ワンクリック請求画面が表示されても無視する、不審なポップアップや広告はクリックしない、危険なWebサイトへのアクセスをブロックするセキュリティソフトを導入する、OSやブラウザを最新の状態に保つ.
・被害を受けた際の対応:
適切な報告/連絡/相談を行う(IPA、警察、消費生活センターなど)、不安な場合は家族や友人に相談する.
詳細については、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のウェブサイトで公開されている「情報セキュリティ 10大脅威 2025 個人編」を確認してください 。
4.書籍の紹介
・情報セキュリティ読本 六訂版 [プリント・レプリカ] Kindle版
独立行政法人情報処理推進機構 (著)
実教出版 (2024/4/26)
これ1冊で情報セキュリティの概要がわかる!●実例→基礎→個人向け→組織向け→技術→法規と制度→IPAの活動という展開により、初心者にも分かりやすいよう工夫しています。●教育機関での教材としてはもちろん、企業の新入社員や管理職の研修用としてもお使いいただけます。●六訂版では、テレワークのセキュリティやゼロトラストなど、いまの時代にあわせた新しい内容も追加しました。
( ※ 書籍の解説等は原則としてリンク先(Amazon)における解説をベースに記載しています。詳細内容はリンク先を参照願います。)
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
・社会人1年生の情報セキュリティ超入門 Kindle版
ハッカーかず (著), 一般社団法人 あしたの仕事力研究所 (著)
技術評論社 (2025/3/4)
「サイバー攻撃でシステムがダウン! 利用者は大混乱!」
「個人情報が流出! 氏名や住所、クレカ情報まで…」
情報漏洩やランサムウェアなどのニュースが絶えない今、あなたの普段の行動は本当に安全ですか?
実はパスワードの正しい管理方法、安全なファイルの共有方法など、知っているだけで被害のリスクを大きく減らせます。
本書は、難しい専門用語をなるべく使わず、図やイラストを用いて解説しているので、事前知識がなくてもわかります。
( ※ 書籍の解説等は原則としてリンク先(Amazon)における解説をベースに記載しています。詳細内容はリンク先を参照願います。)
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