月に続く石段 【第39回 3つのお題に空想のひらめきを】

月へ続く石段を一段ずつゆっくりと登ってゆく

一段登るたびに見える景色が変わってゆく

幼い頃に見た母の顔

そして

若かった頃の父の顔

毎日遊んだ公園のブランコ

幼馴染みのあの笑顔

毎日渡った橋から見下ろした水の流れ

あの頃はこんなに澄んでいたんだ

投げた小石の波紋の中で

幼い僕が揺れている

石段をどれくらい登っただろう

月はまだ遠い

景色の中の僕は学生服を着ている

初恋の彼女の背中が見える

渡せずに握りしめた手紙

思い出の苦い味が口の中に広がる

思い起こせば

いい人生だった

この石段を登った先に待つ世界は

そこで待っている懐かしい人たちは

期待と不安を胸に

私は登り続ける


こちらの企画のイラストから連想した物語を書かせて頂きました。よろしくお願いします。

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