秘密のボタン 【せりふ三題噺】
俺は高身長のイケメン
スポーツ万能で学業優秀
おまけに
大企業の御曹司ときてる
もてない訳ないだろ
そして今日は卒業式
女の子たちによる俺の制服のボタンの争奪戦さ
第二ボタンはあの娘にって決めてたのに
あの娘に会えないまま女の子に囲まれちゃって
ボタン全部持ってかれた
仕方なく帰ろうと駐輪場へ行くと
あの娘が立っていた
「遅かったわね。女の子たちに捕まってたんでしょ?」
少しだけ棘のあるあの娘の言葉がチクリと胸を刺す
「はは」
俺は曖昧に笑ってごまかす
「ボタン無くなっちゃったね」
少し淋しげに彼女
「内緒だからな」
俺は辺りを見回しボタンの無くなった学生服を脱ぎ捨てた
こんな事もあろうかと学生服を2枚来ていた
すべてのボタンが無事なままの学生服を見て彼女が笑った
「たい焼き食べて帰ろうか」
春の坂道に自転車を押す俺と横に寄り添うあの娘の影が伸びていた
こちらの企画に参加させて頂きました。よろしくお願いします。
