宇宙怪獣カメギロン 【せりふ三題噺】
妻と息子と観覧車に乗っている
遊園地に来るのもこれが最後になるだろう
「大きなマシュマロ」
三歳の息子が空を指差して言った
「そうだね、マシュマロみたいね」
妻が空を見上げて言った
「マシュマロだったらいいね」
私は息子の靴下を直しながら言った
空に浮かんでいるのは巨大な隕石
ここ数日でかなり大きくなった
地球最後の日も近いのだろう
「あれ?亀?」
今度は西の空を指差して息子が言った
私と妻が同時にそちらを見た
確かに巨大な亀だ
亀の名前は宇宙怪獣カメギロン
数年前までは何度も地球の危機を救ってくれていた
邪悪な宇宙人の侵略を阻止し
巨大隕石からも何度か守ってくれた
だが数年前
飛来した巨大隕石とともに姿を消していた
宇宙怪獣カメギロンは死んだと思われていた
だが生きていたのだ
観覧車から降りて空を見上げる
さっきまで空に浮かんでいた巨大なマシュマロのような隕石は消えていた
「次はあれに乗りたい!」
そう言って息子がメリーゴーランドへと走り出す
私と妻がその後を追う
走りながら空を見上げて私は言った
「ありがとうカメギロン」
こちらの企画に参加させて頂きました。よろしくお願いします。
