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学園座さん『大江戸ロケット』火花パートの感想

僕が1年ほど通っていた母校の1つ?関西大学まで
学園座さんの大江戸ロケットを観てきた。

大江戸ロケットは劇団新感線さんの名作で、
今ではグレンラガン・キルラキルと人気アニメの脚本も手掛ける中島かずき氏のアニメ化作品でもある。

ざっくりあらすじ(※僕の主観の短めのあらすじです)

江戸時代、天保の改革により華やかなものや贅沢なものが禁止された時代、
江戸の職人たちが力をあわせて、宇宙人を返すためにロケットを作ると言うもの。

江戸版の下町ロケット的な作品である。


社会秩序からの抑圧を下町の活気が打ち払うエンターテイメント

舞台に入ると現れる大きな舞台装置が観客のテンションをあげてれる。

そして学園座さんの見せ場
華やかな場転ダンスシーンで(学園座さんではムービングというらしい。)
その町の雰囲気やキャラクターを彩っている。

下町の温かさと、社会の圧力の二層の空気感の差異をどう表現するかが問われる今作で、パフォーマンスと、人間ドラマの緩急のつけかたが上手いと思う。

1つ上手くいった出来事があると解放感が生まれるが、そこに暗雲がたちこめ、それを越えるために町人が団結する。その波の様子がすごく良い作品。

演者の雑感

主人公、玉屋はずっとハイテンションで(どんな体力してるんだろう)観ているだけで賑やかでいい。

宇宙人のソラはマスコットとヒロイン性を兼ね備えて物語の軸になるキャラクターとして存在感がしっかりある。
悪戯で赤いロケットの原型みたいなのに火をつけてからプチアニメ的な動作で逃げるの好き。

錠前屋の銀次郎は、表はフラフラしているが影の多い役所。自分の立ち位置に葛藤する姿が凄く良く、役柄だけでなく役者がすごく良い。

同心の赤井は、一見、下っ端キャラだが常に影を帯びていていてよい。

算学者の駿平は、状況説明や対立構造からのセリフが多い今作で純粋に感情をぶつける感じが光る。

番犬小町のおぬいは、声がキレイ。響き方とか。

隅のご隠居は、常に演技が良い意味で平坦で不気味さと安心感という2つの相反する印象を両立させている。

白浜屋女将のお伊勢は、懐の広い感じが良かった。

曲芸の天天は使いにくそうな小道具を頑張ってた。

芸人の天鳳はなんだか可愛らしい役どころかなと思ったら後半の殺陣所作が奇麗でその二面性も良い。芸人2人のコンビネーションも良い。

秤屋の源蔵は頼もしい感じが良かった。

カラクリ師の新座は表情芸が凄く、わちゃわちゃしたコミカルな場面でも無駄のない演技で、とても見やすい。技量の高い役者さんだなって思う。
周りに自分が死んだという噂を流されて、生きているのに自分が死んだと錯覚するシーン好き。

大工の三太・瓦屋の六兵衛は「江戸っ子」って感じの強い二人で町人100人分を二人で演じるようなパワーも良い。それでいてシリアスな一言を聴かせるのは良い。
玉屋不在時を仕切っているところが熱くなる。

火縄の鉄十は2幕から突然出てきて印象が強すぎて、出演時間は少ないはずなのにずっといたような強烈なインパクトがあった。

そして今作の特徴はアンサンブルが少なく
敵勢力である幕府側のメンバーが6人しかいない江戸と幕府が14:6の構図だが
黒衣衆が登場するたびに不穏な空気が流れる感じが良く
特に御奉行、鳥居のただならぬラスボス感が強くMVPに推すならこの人だろうと思う。

まとめ

コロナ渦で多感な時期を抑圧されてきた世代による大江戸ロケット。
SFエンタメではあるが俳優たちの抑圧への反骨精神や、解放感は彼らの生身の輝きを感じる。

小道具のロケットもとても良い作り込みで最初から最後まで見る人をワクワクさせたい気持ちにあふれた舞台だった。

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