無罪の人をテロリスト💣にでっち上げる公安🕵️♂️
無罪の人をテロリスト💣にでっち上げる公安🕵️♂️
特高のように再び国民を支配しようとする公安🕵️♂️の
官僚組織や手口に迫っていきます。
青木理「ルポ国家権力」

青木理(あおき おさむ)
1966年長野県生まれ。ジャーナリスト、ノンフィクション作家。
90年に慶応義塾大学卒業後、共同通信社入社。
社会部、外信部、ソウル特派員などを経て、
2006年よりフリーとして活動
テロリスト💣をデッチ上げる公安警察🕵️♂️
掲載:『FRIDAY』2010/12/31号
晒された個人情報
「私がテログループと関係がある?冗談じゃありませんっ。
いい加減な話でヒドい目に遭わせ、個人情報をばら撒くなんて異常です。私の国にも公安(組織)はあるけど、こんなにヒドくない。
日本の公安っていうのは、バカですか?」
従わない外国人を見せしめにして、脅して言いなりにする工作がなされていると窺われる。
「こんなデマが広がれば、店が潰れてしまいます。それに私の子供はどうなりますか?父親がテロ関係者などといわれたら、仲間外れにされ、イジメに遭いかねません。私の国はテロ対策に厳しいですから、もう国にも帰れない。いったい私は、どうすればいいんですか・・・・・・」
都内のエスニックカフェ。経営者の男性が憤懣やる方ない様子で訴えた。
「私がテログループと関係がある?冗談じゃありませんっ。いい加減な話でヒドい目に遭わせ、個人情報をばら撒くなんて異常です。私の国にも公安(組織)はあるけど、こんなにヒドくない。日本の公安っていうのは、バカですか?」
さる2010年10月末、警視庁公安部のものとみられる内部資料がネットに大量流出したのは周知の通りである。
男性は、資料の中で「危険人物」扱いされ、経営するカフェは「テログループのインフラ(基盤)になる恐れあり」などと名指しされた。
その上、家族構成や携帯電話番号、旅券番号といった詳細な個人情報を、顔写真付きの資料として晒されてしまったのである。
加えて11月末には、流出資料をそのまま掲載した書籍が出版された。
憤った男性らはこの書籍の出版差し止めを求める一方、警視庁公安部が内部資料を違法に流出させたとして、東京地検へ刑事告訴に踏み切っている。男性がいう。
「こんなデマが広がれば、店が潰れてしまいます。それに私の子供はどうなりますか?父親がテロ関係者などといわれたら、仲間外れにされ、イジメに遭いかねません。私の国はテロ対策に厳しいですから、もう国にも帰れない。いったい私は、どうすればいいんですか・・・・・・」
男性は1990年代中盤、イスラム教を国教とする地中海沿いの国から日本にやってきた。数年間はオーバーステイ状態で不法就労していたが、1990年代後半に日本人女性と結婚し、永住権を取得。
その後、2人の子供にも恵まれ、こつこつ貯めた金で小さなカフェをオープンした。そんな男性に公安警察が近づいてきたのは2002年末のことだった。男性の話。
「警察の人が突然やってきて、『イスラム教を勉強したい』っていうんです。
変だと思ったんですが、お茶くらい飲み、雑談を交わす関係になりました」
この警官は、イスラム教徒に片っ端から接触を図っていたようだが、ずいぶんと間抜けな人物らしく、いったん電話で雑談を交わした後、他のイスラム教徒と勘違いして再び電話をかけてきたこともあったという。
「知らんぷりして聞いてたら、警官は最後まで気付かずに同じ話を続けていました」と男性はいう。
ところが2008年になると、男性は突如逮捕されてしまう。容疑は「詐欺」。
店を開く前のわずかな間、失業保険を受けていたのは違法だ――それが容疑内容のすべてだった。いわゆる「微罪逮捕」である。
「当時は店の開店準備中で、収入はなかったから問題ないはずなんです。
実際、警察では容疑と関係ない話ばかり聞かれ、結局は(不起訴で)釈放されました。
それでも弁護士費用がかかったし、腹が立ったので(警察を)訴えようと思ったんですが、(警察に)睨まれるからやめたほうがいいと(弁護士などに)いわれ、泣く泣くあきらめたんです」
組織維持のための歪んだ捜査
そう、外事3課が新設された時期とピッタリ重なっている。
そして公安警察が躍起となって繰り広げるのが、「協力者」と称する情報提供者を獲得する作業。加えて微罪逮捕などで対象者に圧力をかけ、同時に強制捜査で情報収集を図るのも”お家芸”である。
流出資料には、この男性に対する捜査の"成果”として次のような記述がある。
『ネットの掲示板に××(イスラム原理主義組織の幹部)を礼賛する書き込みを行うなどテロインフラ形成者の素地あり』
組織維持のために歪んだ捜査と的外れな情報収集を続け、
その資料をネットにばら撒いても知らぬ振りを決め込む公安警察こそ、
私の眼には”真の危険団体”に見えて仕方ない。
公安警察に協力に求められたかと思えば、一転して微罪で逮捕され、挙げ句の果てには個人情報を晒される――。
散々な目に遭った男性には失礼だが、彼の話を訊きながら私は、思わず苦笑いしてしまった。
公安警察がなぜこれほど的外れで、でたらめな動きをしたか、
その背後事情が手に取るようにわかったからである。
冷戦体制の終結後、公安警察は組織縮小を余儀なくされたが、
2001年の9・11テロが風向きを変えた。
世界的に高まった「テロ対策」の名目の下、警視庁公安部に外事3課が新設されたのは2002年10月。
「国際テロ対策」を主任務に掲げ、現在は150人の人員を擁する大所帯となっている。ここで男性の証言を思い出してほしい。男性が警察から接触を受け始めたのは2002年末。
そう、外事3課が新設された時期とピッタリ重なっている。
そして公安警察が躍起となって繰り広げるのが、「協力者」と称する情報提供者を獲得する作業。加えて微罪逮捕などで対象者に圧力をかけ、
同時に強制捜査で情報収集を図るのも”お家芸”である。
冷静に考えれば、国内にイスラム過激派がそれほど潜入しているはずもない。
しかし、立派な組織を立ち上げてしまった以上、仕事をしているフリは示さねばならない。
不法就労状態の時期には放置されていた男性が、2002年以降になって格好の標的とされ、翻弄され続けた背後には、そうした馬鹿げた事情がある。
同じような目に遭った在日イスラム教徒は他にも多い。
都心の飲食店で働くアフリカ系男性は、数年前に中東の某国大使館関係者と些細なトラブルを起こし、その国の外務省ホームページに書き込みをして抗議文を送った。これが「名誉毀損」と「脅迫」にあたるとして、2004年夏に逮捕されたのである。その男性がいう。
「逮捕といわれて啞然としましたが、すぐに釈放されました。
でも、警察は私のパソコンや携帯を徹底的に調べましたよ」
流出資料には、この男性に対する捜査の"成果”として次のような記述がある。
『ネットの掲示板に××(イスラム原理主義組織の幹部)を礼賛する書き込みを行うなどテロインフラ形成者の素地あり』
この程度で危険視されれば、およそすべてのイスラム教徒は「テロ基盤の形成者」にされてしまう。カフェ経営の男性は「とにかく資料流出を認めて謝罪し、
私たちがテログループなどと関係ないことを明確にしてほしい」と懸命に訴えるのだが、これに警視庁が応じるかは微妙だろう。
流出元が内部犯なのは疑いなく、すでに特定されているフシもあるのだが、
公安部の資料だと自認するのを避けたい警視庁は、一切の対応をせず、完全に知らぬ振りを決め込む公算が高い。
男性らの弁護人を務める岩井信弁護士はこう指摘する。
「アルカイダ関連団体のサイトを閲覧しただけで危険人物視された方もいます。
普通のイスラム教徒の反発と憎悪を煽り、テロの素地をつくっているのは
むしろ、警視庁公安部ではないでしょうか」
まったく同感である。組織維持のために歪んだ捜査と的外れな情報収集を続け、
その資料をネットにばら撒いても知らぬ振りを決め込む公安警察こそ、
私の眼には”真の危険団体”に見えて仕方ない。
[追記]
警視庁は当初、流出文書が外事3課のものであることを頑に認めようとしなかったが、事件の発覚から2カ月も経った2012年12月になって「内部文書の可能性」をしぶしぶ認めた。
ただ、被害者への直接謝罪はせず、当時の池田克彦警視総監は
「組織の総力を挙げて事実を解明する」と大見得を切って内部捜査に乗り出した。
しかし、捜査容疑としていた偽計業務妨害罪の公訴時効が目前に迫った2013年10月4日、警視庁は被疑者の特定を事実上断念すると明らかにし、事件は未解明のまま時効を迎えてしまった。
一方、流出文書によって個人情報を晒されたイスラム教徒の日本人と外国人
計14人が国と東京都に損害賠償を求めた裁判で、2014年1月、東京地裁は
「流出したデータは警察が作成し、内部の職員が持ち出したもの」
「警視庁の情報管理体制が不十分だったため流出し、イスラム教徒らの名誉を傷つけた」と認め、東京都に計9020万円の損害賠償の支払いを命じた(警視庁側は控訴)。
伊丹万作「騙されることの責任」
もちろん、「騙す方が100%悪い」のは紛れもない事実である。
その上で更に「騙されることの責任」を考えよう。

もう一つ別の見方から考えると、いくら騙す者がいても誰1人騙される者がなかったとしたら今度のような戦争は成り立たなかったに違いないのである。
つまり、騙す者だけでは戦争は起らない。騙す者と騙される者とがそろわなければ戦争は起らない。一度騙されたら、二度と騙されまいとする真剣な自己反省と努力がなければ人間が進歩するわけはない。騙されたとさえいえば、一切の責任から解放され、無条件で正義派になれるように勘違いしている人は、もう一度よく顔を洗い直さなければならぬ。
伊丹万作「戦争責任者の問題」より
