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メディア支配📺📰して世論工作する公安🕵️‍♂️の『I・S』

メディア支配📺📰して世論工作する公安🕵️‍♂️の『I・S』

特高のように再び国民を支配しようとする公安🕵️‍♂️の
官僚組織や手口に迫っていきます。

青木理「ルポ国家権力」

青木理「ルポ国家権力」

青木理(あおき おさむ)
1966年長野県生まれ。ジャーナリスト、ノンフィクション作家。
90年に慶応義塾大学卒業後、共同通信社入社。
社会部、外信部、ソウル特派員などを経て、
2006年よりフリーとして活動



新たなる公安組織『I・S』、あるいは『07』の全貌

掲載:「FRIDAY」2010/8/23号・2010/8/20・27号

まったく新しいタイプの公安組織

自由なはずの選挙に介入し、選挙などを操作する「民主主義に反する」公安の極秘組織を『I・S(アイ・エス)』、あるいは『07(ゼロナナ)』。
その組織は、公安警察内部でそう呼称されている――。
この部署は、警察として守るべき一線を完全に踏み越えている

公安警察とは、実に隠微な組織である。
世界が東西冷戦構造に支配され、日本国内でも左派勢力が一定の力を持っていた時代、日本の公安警察は「治安維持」と「防共」を最大限目として組織を極度に肥大化させ、内部には巨大な秘密組織まで育て上げた。

だが、公安警察の組織と活動は厚い秘密のベールに覆われ、実態が外部に伝わることなどほとんどなかった。
1991年のソ連解体によって冷戦構造が崩壊し、国内の左派勢力が衰退しても、それは変わらない
公安警察は一部組織の縮小・再編を余儀なくされたものの、内部の秘密組織は今なお強固に維持し、密やかな活動を続けている。

公安警察の中枢である警察庁警備局。
その筆頭課である警備企画課には、課長の下に2人の「理事官」と呼ばれる幹部が配置されている。
1人の理事官は「オモテ」
もう1人の理事官は「ウラ」の担当と位置づけられ、
「ウラ」の理事官は日本の公安警察において最大の極秘組織のキャップ(統括・指揮)を務める。その組織に冠された〈チヨダ〉という名を耳にしたことのある人もいるだろう。

私も著書『日本の公安警察』(講談社現代新書)でその存在を明らかにした。
だが、これから記述していくのは、私が掴んだまったく新しいタイプの公安組織である。
しかも、この秘密組織の場合、チヨダとは別の意味で、
警察として守るべき一線を完全に踏み越えている
『I・S(アイ・エス)』、あるいは『07(ゼロナナ)』
その組織は、公安警察内部でそう呼称されている――。

民主党への政権交代後で初めての大型国政選挙となった2010年7月11日の参院選を
約1カ月半後に控えた5月28日、東京・霞が関の警察庁舎で「全国警備関係課長会議」なる会合が開かれた。
全国の都道府県警で公安部門を担当する課長級の幹部を一堂に集めた会議であり、
これを取り仕切ったのは警察庁警備局だった。

会議では、警備局警備企画課の桝田好1課長(当時)が雛壇に立ち、
居並ぶ全国警察の公安担当課長に向けて次のような指示を発している。

「不安定かつ不透明な政治、経済、社会情勢下で行われる今回の参院選は、
警備警察(筆者註・公安警察とほぼ同義)の情報力を示す絶好の機会だ。
どの県においても、貢献すべき情報は溢れている。
中でも"幅広情報"については、各県警幹部の意識や取り組み姿勢が成果を左右する。
各位におかれては、自らも率先して情報を収集するのだという意気込みを部下に示し、強力な指導力を発揮していただきたい」

青木理「ルポ国家権力」

警察内部にも懐疑の声

なぜ一線を越えてるか?と言うと、
かつて、極秘裏にFBI🇺🇸を操作し、議員たちの弱みを握って、大統領ですら罷免できないほど、支配し君臨したFBI長官フーバーと同じことをしているから。
特定の政党や議員を有利にするために、国民を監視し、市民の情報などを収集し、議員などの弱みを握って脅して言いなりに従わせるために、特に政治情報は与野党を問わず、地方議会レベルの動きから中央政界における閣僚や有力議員のスキャンダルに至るまで、ありとあらゆる情報をかき集めている組織。
統一協会が議員の秘書として、信者を潜り込ませて、弱みや秘密を握って、日本の政治を支配しようとしているように、公安も支配しようとしていると伺える。

公明党や創価学会の情報収集にも熱心で、池田大作氏の動静や健康問題の情報も収集しており、公式には2023年に亡くなったことになっている、池田大作氏だが、実は2012年に既に亡くなっていたのに「お元気詐欺」で選挙動員させ続けていた疑惑もあり、池田大作氏の情報を隠蔽する見返りに、公明党の動向を操っていた可能性も指摘されている。

警備企画課長が目前に迫った参院選に向けて収集を厳命した「幅広情報(はばひろ)」とはいったい何なのだろうか。
同じ会合で桝田課長は、「社会全般の諸情勢を洞察し、治安に与える影響について分析を加え、その成果を"警察運営の高いレベルに反映させる"ためのもの」と説明しているが、これだけでは少々わかりにくい。

警察庁警備局の元幹部が解説する。
「警備・公安警察は従来、日本共産党をはじめとする左翼諸党派や右翼団体、
または外国諜報機関の活動などをウォッチし、それらに関連する情報の収集にあたってきました。
しかし、もっと幅の広い情報、"従来の活動からはこぼれ落ちてしまっているような情報"まで広範囲に集めはじめた。これを警察内部では『幅広情報』と呼んでいるんです」

さらに、警視庁公安部の中堅幹部はこんな風に明かしてくれた。
「『幅広情報』の中で最も重視されているのは政治関連の情報、そしてマスコミ関連の動向です。
特に政治情報は与野党を問わず、地方議会レベルの動きから中央政界における閣僚や有力議員のスキャンダルに至るまで、ありとあらゆる情報をかき集めています。
近年は公明党と創価学会関連の情報収集に熱心で、池田大作氏の動静や健康問題については、大きな関心事と位置づけられています」

こうした情報の収集、管理にあたっているのが、
公安警察内部で『I・S』、または『07』という符牒で呼ばれる組織なのだという。前出の警備局元幹部はこうも語る。

「I・Sは最近の警備・公安警察の中軸を成す組織となっており、予算面でも厚遇されていますが、警察内でも実態を知る人がほとんどいない。ただ、警備・公安警察の内部にも強い懐疑の声があるんです。
このまま放っておくと、極めて危険な存在になりかねませんから・・・・・・」

戦後日本の警察は自治体警察の形態を取り、各都道府県警はそれぞれの都道府県公安委員会の管理に服することとなっている。警察という権力装置の政治的中立と民主的運営を担保するためのシステムだが、これはあくまでも建前に過ぎない。
各都道府県警のトップをはじめとする枢要なポジションには警察庁採用のキャリア官僚が座り、事実上、警察庁を頂点とする牢固なピラミッド構造が形成されていると考えてよい。

この傾向は、公安警察においては一層顕著となる。
警察法が「国の公安に係る警察運営」は警察庁が指揮監督すると定め、
公安関連予算も国庫支弁となっていることもあり、各都道府県警の公安部門は警察庁の直接指揮下に置かれている。

かつて緒方靖夫・共産党国際部長宅を狙った盗聴工作(86年)など数々の非合法活動に手を染め、公安警察が運営する「協力者」という名のスパイを一括管理する〈チヨダ〉の実態と現状についてはすでに記したが、
一方の『I・S』は「オモテ」の理事官の管理下に置かれ、
やはり警備企画課内にある「総合情報分析室」が情報の取りまとめ役を担っているという。

少し前まで『I・S』業務に直接関わっていた現職公安警察官が明かす。
(I・Sは)政治やマスコミ関連の情報などを中心に、警備局長が知っておいたほうがよいと思われる情報を全国警察からかき集めるためにつくられました。
間もなく各都道府県警にも専門の係官が置かれ、大量の関連リポートが毎日あげられるようになりましたよ。
私がI・Sに関わっていた頃は、全国から警備局に送られてくるI・S絡みのリポートで、太いロール状のファクス用紙が1日もかからずになくなってしまうほど
でした」

青木理「ルポ国家権力」

国家運営から口蹄疫まで

必要ないのに組織存亡のために、やってはいけない反民主主義の弾圧に手を染めた公安。優れた情報だと判断されれば警察庁の警備局長賞なども出されているから、
全国の担当官は各警察署の公安係まで駆使し、目の色を変えてリポートを送ってくる。県警のI・Sには政治担当(創価)学会担当などが置かれていて、公明党の動向も全て把握されており、必要とあらば、警備局から具体的な調査指示がI・S担当者に下りてくることもある。また、特定の政治家を名指しした調査指示が下されることもある。
違法な一線を越えた『I・S』、あるいは『07』を97年頃に作ったのは、「杉田和博氏が局長時代だった頃」である。

複数の公安警察幹部らの証言を総合すると、
『I・S』、あるいは『07』と呼ばれる組織は、
90年代後半から警察庁警備局で本格稼働を始め、
全国の都道府県警にも警備局の直轄部隊として担当官が整備されていったらしい。
『チヨダ』もそうだが、公安警察組織は滑稽じみた組織内の符標を好んで用いる。
『I・S』とは「インテグレイテッド・サポート(IntegratedSupport)」
あるいは「インテリジェンス・サポート(IntelligenceSupport)」の略称とされ、
かつて警備企画課の「7係」が主管していたため、『07』と呼ぶケースも多いのだという。

今度は、関西圏の某県警の現職公安幹部がいう。
「サッチョウ(警察庁)の警備局は、とにかく大量の情報を集めたいらしく、
I・Sに関しては各警察本部のリポート報告量に応じて順番をつけ、評価を下しているんです。
優れた情報だと判断されれば警察庁の警備局長賞なども出されているから、
全国の担当官は各警察署の公安係まで駆使し、目の色を変えてリポートを送っています
県警のI・Sには政治担当(創価)学会担当などが置かれていますが、場合によっては、警備局から具体的な調査指示がI・S担当者に下りてくることもあります」

最近では、参院選後の臨時国会で与野党がどのような出方をするか、
動向を調べて報告するよう指示が下されたというし、
2010年4月、宮崎県で発生した口蹄疫をめぐっては、
一部で発生源が某企業の管理下にある牧場だとの噂が流布した際、
その真偽を至急確認するよう命じられた
こともあったという。

特定の政治家を名指しした調査指示が下されることもあります。
例えば、警察組織にとっては“担当大臣”にあたる国家公安委員長が、
どのような思想、性癖を持っているのか
について、強い関心を持って調べる可能性がないとはいえません・・・・・・」(I・Sに近いセクションで勤務する公安警察官)

こうして政治関連情報を中心とした大量の情報が警備局に溢れ、警備局ナンバー2の審議官、そして警備局長にダイレクトで報告されるのだという。

この組織が警備局にできたのは、いったいいつ頃のことなのか。
公安警察幹部ら複数の証言を総合すると、
90年代の後半、特に「杉田和博氏が局長時代だった97年頃」
という説が有力である。

杉田氏は94〜97年に警察庁警備局長を務め、その後は内閣情報調査室長や内閣危機管理監なども歴任した警察官僚だが、90年代後半になってI・Sのような組織が公安警察内部に整えられたのには、いくつかの事情がある。
特に大きいのは、近年の公安警察組織を取り巻く大状況だという。

冒頭に記した通り、冷戦構造の崩壊と国内左翼勢力の衰退により、
共産党や新左翼セクト対策を最大の踏み台として肥大化を続けてきた公安警察組織は、”存在意義を問われる状況”となっていた。
そうした時期にあたる95年、日本の公安警察はオウム真理教事件に取り組むこととなった。旧来の左翼、あるいは右翼団体をターゲットとしていた公安警察にとって、宗教団体を相手とするのは初めてであり、これは従来タブーとされてきた宗教の領域へと公安警察が触手を伸ばす契機にもなった。

しかし、オウムとの“華々しき闘い”などはやはり一時の徒花に過ぎない。
オウム事件で公安警察はむしろ、捜査を担当した國松孝次警察庁長官銃撃事件をめぐって現職警官の「自供」を隠置するという不祥事を引き起こし、最終的には事件を迷宮入りさせる醜態まで演じている。
結局、公安警察の最主要部隊である警視庁公安部の人員が一部とはいえ削減され、
司令塔である警察庁警備局の組織も再編・統合されることとなった。
こうした組織変遷の途次で生み出されたのが『I・S』、あるいは『07』と呼ばれる組織だったらしい。

つまり、膨れ上がった公安警察組織の人員と能力を最大限に”活用”し、
左翼や右翼といった従来の枠を大きく踏み外して
政界、マスコミ関連情報の収集ーー
すなわち「幅広情報」の収集に
あたらせようと謀ったのである。

青木理「ルポ国家権力」

集めた情報の使い途

”犯罪捜査のための情報収集という大前提”は警察組織が”守るべき矜持”です。
しかし、I・Sは違う
こうして集まった情報を私的に、あるいは極めて策略的に使う幹部が出てくる可能性がある。かつてフーヴァー長官に牛耳られたFBI(米連邦捜査局)が国を乗っ取ったように。フーヴァー長官がFBIの情報網などを駆使して政治家や政府高官らの弱みを握り、歴代大統領も彼を解任できないほどの権勢を誇ったように。FBI批判をする雑誌メディアや反戦平和を訴える文化人を監視し、ジョン・F・ケネディをはじめとした大統領やファーストレディの異性スキャンダルまで掴んでいた、ともいわれている。
公安が政治的な謀略機関と化す恐れがある
「I・Sが政治情報の収集を担当するというのは、あくまでも表の顔の一端に過ぎない。収集した情報をメディアなどに流し、世論工作と受け取れる活動に使っているフシもあるんです・・・・・・」

しかし、ここで冷静に考えてみる必要がある。
警察組織がこのような活動に乗り出すことに間題はないのか?
警視庁公安部の幹部を長く務めたことのある警察キャリアOBがこういって危機感を露にする。
「一般論としては、警察として幅広い情報の収集が治安維持のため必要という面もあるでしょう。ただ、公安警察がヒマになったとはいえ、ダブついた人員を『幅広情報』の収集などと称してフル稼働させるのは絶対に好ましいことではない」

なぜ好ましくないのか。理由は明白である。
同じ警察キャリアOBが話を続ける。
「考えてみてください。公安警察といっても、基本的には犯罪捜査に関わる範囲内での情報収集というのが本務であるべきです。過去にはその枠を大きく踏み外したこともあったけれど、
”犯罪捜査のための情報収集という大前提”は警察組織が”守るべき矜持”です。
しかし、I・Sは違う
政治家や選挙に関する情報を幅広く収集し、それを警察の最上層部に伝えることを目的とする色彩が非常に濃い。こうして集まった情報を私的に、あるいは極めて策略的に使う幹部が出てくる可能性がある
かつてフーヴァー長官に牛耳られたFBI(米連邦捜査局)のように、です」

1920年代から約半世紀も米FBI長官の座にあったエドガー・フーヴァーは、
FBIの情報網などを駆使して政治家や政府高官らの弱みを握り、
歴代大統領も彼を解任できないほどの権勢を誇った

FBI批判をする雑誌メディア反戦平和を訴える文化人を監視し、
ジョン・F・ケネディをはじめとした大統領やファーストレディの異性スキャンダルまで掴んでいた、ともいわれている。

日本の公安警察組織でここまでの力を個人が撮る事態は想定しにくいにせよ、
警察とは本来、犯罪捜査と治安維持を任務とする機関である。
北海道から沖縄に至るまで
全国津々浦々に情報ネットワークを張り巡らせる権力機関=警察が、
強力な情報網を駆使し、与野党を問わぬ政治情報やマスコミ動向に関する情報までをかき集め、その情報を極めて恣意的に使い始めたらどのような事態が起きるか。


政治的な謀略機関と化す恐れすらあり、現に参院選を間近に控えた時期に
全国の公安担当課長を集めた会議で警備企画課長が訴えた「警察運営の高いレベルに反映させる」
という台詞は、その危険性を十分に予感させる。

いや、実をいうとその兆候はすでに顕れている
前出の警察庁警備局の元幹部はこういって顔を曇らせる。
「I・Sが政治情報の収集を担当するというのは、あくまでも表の顔の一端に過ぎない。収集した情報をメディアなどに流し、世論工作と受け取れる活動に使っているフシもあるんです・・・・・・」

青木理「ルポ国家権力」

メディアと接触を図る公安警察官

反共カルトの公安が、永田町で”噂話”をバラ撒いて、政治家の動きをコントロールしている可能性
警視庁の公安警察官から電子メールが頻繁に送られてくるという。そこに記されているのは、主に永田町で飛び交う政界情報である。特定の政治家にまつわる”噂話”が記されることもある。「裏付けの取れない情報ではありますが、政治家の女性関係や金銭にまつわるものでした
別の夕刊紙記者は、他メディアの記者とともに、某県警の公安警察官を囲んでの”懇親会”を定期的に開いている。「確度の高い情報から噂話の類に至るまで、とにかく永田町情報に詳しいので参考になるんです。特に(創価)学会や公明党絡みの情報は異常なほど精通していますね。それ以外ではメディア業界内部の動向も良く把握しています幹部の人事異動や、どの記事を誰が担当したのかなど、私より知っていましたから」

この夕刊紙記者の話。

私が知る複数のメディア関係者の元には、
警視庁の公安警察官から電子メールが頻繁に送られてくるという。
そこに記されているのは、主に永田町で飛び交う政界情報である。

最近では辻元清美・衆院議員の社民党離党の情報が“速報”された。
参院選の期間中には民主党政権の支持率が数日ごとに伝えられ、
当選が確実視されていた現役閣僚である千葉景子法相の敗色が濃くなる様子も、手に取るようにわかったという。

政局の話題ばかりではない。
特定の政治家にまつわる”噂話”が記されることもある。
メディア関係者の1人がいう。
裏付けの取れない情報ではありますが、政治家の女性関係や金銭にまつわるものでした

別の夕刊紙記者は、他メディアの記者とともに、某県警の公安警察官を囲んでの”懇親会”を定期的に開いている
主に話題となるのは、やはり政界関連の情報だという。

確度の高い情報から噂話の類に至るまで、とにかく永田町情報に詳しいので参考になるんです。
特に(創価)学会や公明党絡みの情報は異常なほど精通していますね。
それ以外ではメディア業界内部の動向も良く把握しています。
幹部の人事異動や、どの記事を誰が担当したのかなど、私より知っていましたから」

広汎なメディア記者と頻繁に接触し、政界情報などを提供する「公安警察官」の存在は、私にとって少々驚きだった。かつて公安警察を長く取材した経験に照らせば、幹部はともかく、一線の公安警察官は極めて特殊な分野の情報収集に邁進し、メディアとの接触など忌避するのが一般的だったからである。

奇異に思って彼らのいう「公安警察官」の素性を辿ってみると、
いずれもたしかに警視庁や某県警で公安部門に所属していた。
ただ、従来の公安警察官とは決定的に違う役割を担っていた。
政界を中心とした情報を広範囲に収集する『I・S』担当だったのである。

青木理「ルポ国家権力」

警察による非合法活動

「協力者」という名のスパイ獲得作業は、現在も全国で盛んに繰り広げられている
公安警察が監視対象とする左右両翼の団体などに属する人物らをカネや情で籠絡し、時には対象者の弱みを徹底調査した上で脅し、数えきれぬほどの人々が協力者に仕立て上げられてきた。
中には自らの振る舞いを嫌忌して自殺してしまった若き共産党員もいる

『I・S』より歴史の長いもう1つの秘密組織『チヨダ』については、
私はかつて「日本の公安警察」でその実態を詳述した。

古くは東京・中野の警察大学校内に本拠を置き、
公安警察内で『サクラ』という符牒で呼ばれていたが、
現在は霞が関の警察庁舎に本拠地を移し
内部の符牒も『チヨダ』にあらためられた
これを指揮してきたのが「ウラ」理事官である。

前述したように、この理事官は「ウラ」担当への就任と同時に警察庁の組織図や名簿から氏名が消去される
つまり警備企画課には表向き、理事官は1人しか存在しないことになっている。
それほど隠微な「ウラ」理事官率いる『チヨダ』の任務は、
全国都道府県警の公安部門による「協力者獲得作業」の一括管理である。

「協力者」という名のスパイ獲得作業は、現在も全国で盛んに繰り広げられている。
公安警察が監視対象とする左右両翼の団体などに属する人物らをカネや情で籠絡し、時には対象者の弱みを徹底調査した上で脅し、数えきれぬほどの人々が協力者に仕立て上げられてきた
中には自らの振る舞いを嫌忌して自殺してしまった若き共産党員もいる。

しかし、これは『チヨダ』の活動の一端に過ぎない。
秘匿撮影や信書の開封、さらには盗聴といった非合法そのものの活動も、
『チヨダ』による指揮の下、全国の公安警察官が密やかに敢行してきた。

青木理「ルポ国家権力」

『チヨダ』から『ゼロ』へ

民間企業も密かに公安に盛んに協力している実態がある
「最初は電波式の盗聴器を仕掛けたが、現場付近の環境が悪く、うまく聞こえなかった。そこで緒方宅につながる電話線を直接傍受してしまったんだ」
これが工作露呈の原因になる。
例え公安の悪事が露呈しても、警察と検察がグルとなって”手打ち”をし、公安警察は今でも「警察組織が盗聴を行ったことはない」という立場を堅持し続けており、絶対に改善がされない

古くから『チヨダ』は、都道府県警の部隊員を定期的に集め、
直接教育を施してきた。
それは非合法活動の技術にまで及び、講習に集まる部隊員は常に偽名を使用し、
互いの所属や本名すら明かさなかったし、知らされなかった。
86年に発覚した共産党国際部長・緒方靖夫宅への盗聴工作は、
そうして遂行された非合法活動が露呈してしまった数少ない具体例である。

緒方国際部長宅は、東京・町田の住宅街にあった。
そこから直線距離で100メートルのアパートが盗聴工作の遂行拠点だった。
実行役は神奈川県警所属の公安警察官。指揮を執ったのが「ウラ」理事官である。
当時の内情を知る警察庁元幹部が今回、新たにこう打ち明けてくれた。

「最初は電波式の盗聴器を仕掛けたが、現場付近の環境が悪く、うまく聞こえなかった。そこで緒方宅につながる電話線を直接傍受してしまったんだ」
これが工作露呈の原因になる
電話の雑音を不審に思った共産党の調査で盗聴の事実は暴露され、東京地検特捜部が捜査に乗り出す騒ぎにまで発展したが、
公安警察は犯行を頑強に否定した。結局、当時の三島健二郎・警察庁警備局長や
神奈川県警の中山好雄本部長らが自ら職を辞することで警察と検察が”手打ち”をし、公安警察は今でも「警察組織が盗聴を行ったことはない」という立場を堅持している。

しかし、これが『チヨダ』による盗聴活動の氷山の一角であることは疑いようがない。この事件を取材した当時、大手補聴器メーカーの元技術者からこんな話を聞かされて驚いたことがある。
「警察庁は極秘の顧客でした。取り扱ったのはもちろん補聴器ではなく、盗聴器です。私が知るだけでも、100セット以上を納入しました」

前出の警察庁元幹部も、新たにこんな話を聞かせてくれた。

「緒方宅盗聴事件の頃まで、全都道府県警に盗聴担当の工作員が配置されていた。
すべて「ウラ」理事官が直接管理し、定期的に東京に集めて盗聴工作の技術指導や
士気を高める訓練まで施していた


その『チヨダ』は、00年頃に再び符牒を一新した。『ゼロ』
それが新たな組織名だという。警備局元幹部らによれば、拙著などによって『チヨダ』の名が知れ渡ってしまったことから新たにつけられたらしい。前出とは別の警察庁元幹部が苦笑いしながら私にこう明かした。

「あんたがいろいろ書いたから、新たに『チヨダ』のキャップになった理事官が変更したんだよ。「存在しない組織だから『ゼロ』だ」なんてもっともらしく解説する公安幹部もいたけれど、
本当は「『ゼロ』からの出発」という意味らしい(苦笑)。
滑稽な話だけど、最近では、また『チヨダ』と呼ばれることのほうが多くなったみたいだな」

たしかに符牒の意味は滑稽である。
しかし、『チヨダ』にせよ、『ゼロ』にせよ、過去に数々の非合法活動に手を染めた隠微な組織が公安警察内に維持され、今も密やかに蠢いている
いや『チヨダ』ばかりか、新たに『I・S』という組織まで作り上げ、
「オモテ」の理事官の管理下で半ば公然と活動を繰り広げている。

青木理「ルポ国家権力」

有力政治家のスキャンダル

恐らく、与野党問わず、維新とか、立民野田とか、反共右翼のように、『I・S』を利用する悪党が勝ち上がる仕組みができていて、『I・S』が上手く情報を流してコントロールすることで、政治家を操り放題の状況ができており、悪の官僚たちにコントロールされ、民意が反映されない仕組みが出来上がっていると思われる。
政治家の選挙違反や汚職事件などに絡んで押収したコンピュータを解析する専門スタッフが配されており、押収したコンピュータからどのような情報を抽出しているのか、疑念は膨らむ。公安は、相当な深度の情報を手に入れることができ、狙い定められた人物はおそらく、私生活まで丸裸にされて、怪文書をバラ撒かれたり、脅して意のままに、警察幹部が恣意的に、あるいは私的に使ってコントロールされていることも伺える。
『I・S』の担当者には、徹底的に調査しろ、という指示が実際に出されている。
例を挙げれば外国人女性と元首相の交際疑惑がメディアで伝えられたことがあったが、『I・S』が発信源となった可能性は排除できない。

特殊技能を持つ係員を抱えているのは、
広汎な政治情報をかき集めている『I・S』も同様である。
警察庁元幹部によれば、首都圏の某県警の『I・S』には、
政治家の選挙違反や汚職事件などに絡んで押収したコンピュータを解析する専門スタッフが配されているという。

これも情報収集の一環なのだろうが、過去の『チヨダ』の性癖を踏まえれば、
コンピュータからどのような情報を抽出しているのか、疑念は膨らむ。
こうした公安警察組織が本気になれば、相当な深度の情報を手に入れることが可能だろう。狙い定められた人物はおそらく、私生活まで丸裸にされる
そして集めた情報を警察幹部が恣意的に、あるいは私的に使ったらどうなるか。

事実、警視庁公安部の中堅幹部はこう語る。
「政治関連の情報収集は『I・S』の持ついくつかの顔のうちの一面に過ぎない。
『I・S』の担当者には、与野党の幹部や閣僚はおろか、
警察庁を管理する国家公安委員長の周辺まで徹底的に調査しろ、という指示が実際に出されている。
過去に有力政治家のさまざまなスキャンダル
例を挙げれば外国人女性と元首相の交際疑惑がメディアで伝えられたことがあったが、『I・S』が発信源となった可能性は排除できない
私の知る限りでは、警察内部の派閥争いに『I・S』が使われたこともある

この中堅幹部によれば、数年前に警察庁幹部をめぐる女性スキャンダルが情報紙などに流布されたことがあった。
結局、この幹部は警察内部の枢要ラインから外されていったが、その情報発信源が『I・S』であり、ライバルと目されていた公安系の警察幹部が意図的に情報を流させていたのではなかったか、というのである。

青木理「ルポ国家権力」

"世諭らしきもの"の正体

民意が反映されなくなり、「民主主義を破壊しているものの正体」は一体何なのか?噂やデマを流してヘイトを煽っているのは誰なのか?
公安警察が広汎な政治情報を収集し、それをメディアに還流させるなどという活動を容認すれば、政治は警察によって牽制、支配され、民主政治が破壊されかねないからである。気に入らない政治家を、デマで自由に失脚させられる。
PR会社のように世論工作活動にも手を染め出した公安警察
『I・S』所属の公安警察官がメディア記者らと頻繁に接触し、異様と思えるほど積極的に情報を流しているのは間違いない
公安警察内部で政治情報の収集を任務とする『I・S』担当者がメディア記者と頻繁に接触し、その情報を還流させることで意図的に“世論らしきもの”を形成するかのような動きに、私は極めて不健全な臭いを嗅ぐ。
収集情報を警察に都合の良い世論誘導に使う側面も強い狙い定めた政治家の醜聞はもちろん、特定の意図を持った情報を流すことは容易だ。

残念ながら、これらが『I・S』のしわざだと断ずることはできない。
ただ、『I・S』所属の公安警察官がメディア記者らと頻繁に接触し、
異様と思えるほど積極的に情報を流しているのは間違いない


しかも、「ウラ」理事官に率いられた『チヨダ』が厚いベールの向こう側で
数々の非合法活動に手を染めてきた事実に鑑みれば、
公安警察内部で政治情報の収集を任務とする『I・S』担当者がメディア記者と頻繁に接触し、その情報を還流させることで意図的に“世論らしきもの”を形成するかのような動きに、私は極めて不健全な臭いを嗅ぐ

前出した警備局の元幹部ですら、こう吐き捨てる。

「メディアとの接触は情報収集の一環でもあるだろうが、
一方で収集情報を警察に都合の良い世論誘導に使う側面も強い。
狙い定めた政治家の醜聞はもちろん、特定の意図を持った情報を流すことは容易だ。

大体、犯罪と無関係な政治情報を集める『I・S』の活動自体が、
警察の守るべき一線を完全に踏み越えている


繰り返すが、警察がこのような情報活動に乗り出す正当な理由は一片もない。
だからなのだろう、警察庁関係者によれば、『I・S』の存在を初めて公にした
『FRIDAY』誌(2010年8月13日号)が発売された直後から、警察庁警備局内は大騒ぎになったという。

国会で『I・S』の活動が追及される事態に備え、これを取り繕うのに躍起となっています」(同関係者)。

だが、国会は与野党の枠を超えて『I・S』なる組織を叩き潰すべきだろう。
公安警察が広汎な政治情報を収集し、それをメディアに還流させるなどという活動を容認すれば、政治は警察によって牽制、支配され、民主政治が破壊されかねないからである

青木理「ルポ国家権力」


伊丹万作「騙されることの責任」

もちろん、「騙す方が100%悪い」のは紛れもない事実である。
その上で更に「騙されることの責任」を考えよう。

伊丹万作「騙されることの責任」

もう一つ別の見方から考えると、いくら騙す者がいても誰1人騙される者がなかったとしたら今度のような戦争は成り立たなかったに違いないのである。
つまり、騙す者だけでは戦争は起らない。騙す者と騙される者とがそろわなければ戦争は起らない一度騙されたら、二度と騙されまいとする真剣な自己反省と努力がなければ人間が進歩するわけはない騙されたとさえいえば、一切の責任から解放され、無条件で正義派になれるように勘違いしている人は、もう一度よく顔を洗い直さなければならぬ。
伊丹万作「戦争責任者の問題」より


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