恐るべき公安👮♂️③-06諜報工作の手口「スパイ獲得の実例④女子学生」
恐るべき公安③-06諜報工作の手口「スパイ獲得の実例④女子学生」
悪名高い公安の
組織や手口に迫っていきます。
青木理「日本の公安警察」

青木理(あおき おさむ)
1966年長野県生まれ。ジャーナリスト、ノンフィクション作家。
90年に慶応義塾大学卒業後、共同通信社入社。
社会部、外信部、ソウル特派員などを経て、
2006年よりフリーとして活動
公安警察官と協力者
女子学生への手紙
女子学生に、反共思想を植え付け、学生として許される範囲内で、
大きな社会治安という大乗的見地に立つて教へて戴きたい、と
手紙を書いて協力依頼をしたケース。
●女子学生への手紙
公安警察の協力者工作は原則として未成年者、
女性に対しては行われないことになっていると書いた。
だが現実は違う。
例えば島袋の協力者だった「A-6」が氏の接触時、
高校生だったことからもそれはうかがわれるし、
女性に対する工作が行われていたことも過去には発覚しており、いくつかの事例を挙げることができる。
例えば1954年8月、愛知県警の公安警察官が愛知大の女子学生に宛てた情報提供依頼の手紙である。
一部を抜粋する。
「現在の貴女の立場を考へる時、全く申訳ない気持ちなんですが、
追い立てられた職務の為どうしても頼りにしてしまつて居ります。
過激な思想、共産主義的な思想に対する批判はさておいて、
御承知の如く、警察機構も県本部を一本として組織の強化、
それに伴った特殊犯罪を担当する者としては、
何うしてもよりよき協力者を得ることが焦眉の急とされて居るわけです。
(略)学生として許される範囲内で、大きな社会治安という大乗的見地に立つて教へて戴きたいと思つて居ります」
女性協力者の放火事件
最近、逮捕されても、名前が公表されない犯罪者、
なぜか捕まらない犯罪者などが急増してるが、
一度捕まえた犯罪者を情報提供などスパイ活動への協力と引き換えに、
犯罪を揉み消して再利用してるケースが伺われる。
例えば、当時26歳の無職女性が容疑者として浮上し、県警が逮捕状請求の準備に入ろうとしたところ、何故か警備部からストップがかかったケース。
理由は簡単だった。女性が警備部の運営する協力者だったから。
公安が自分達の犯罪を隠蔽するために、捕まっても揉み消しているケースが急増していると思われる。
●女性協力者の放火事件
1970年には同じ名古屋で女性協力者の存在が最悪の形で発覚している。
名古屋市立大学で5日という短期間に8件もの連続放火事件が発生したのは、
3月16日から同月20日にかけてのことだった。
狙われたのがほとんど学生自治会室やサークルの部屋だったこともあり、
愛知県警が捜査を開始したのに加え、大学の学友会も独自に調べを進めた。
目撃証言などから間もなく、生協活動などに関わっていた
当時26歳の無職女性が容疑者として浮上、
県警は逮捕状請求の準備に入ろうとした。
だが何故か警備部からストップがかかった。
理由は簡単だった。女性が警備部の運営する協力者だったからである。
そもそも女性は1966年ごろから公安調査庁の協力者だった。
月に1、2度の割合で出身短大の自治会室から入手した学生運動のビラなどを公安調査官に手渡し、報酬を受け取っていた。その際、部室などから現金も盗んでいたことから女性は愛知県警瑞穂署の取り調べを受けた。
ところが直後に今度は同署警備課の公安警察官から学生運動の情報収集を依頼されたのである。
女性は申し出を承諾した。
この後、女性は名古屋市大の自治会室などから左翼系学生団体の発行するビラ、
パンフレットなどを持ち出し、名古屋市内の喫茶店で瑞穂署の公安警察官に渡すことで報酬を受け取るようになった。
協力関係は3年ほどに及んだが、無職の身では大学内の情報収集には限界があった。
放火事件は、騒ぎを起こして資料を入手しようとした末の犯行だった。
愛知県警警備部幹部は事件後、女性が協力者だったことを認めた上で
「接触を始めるときに盗みを知らなかった迂園さを反省している」と開き直ったが、名古屋地裁は1972年8月7日、女性に有罪判決を言い渡し、同時に
「被告人独りを責めることにとどまらず、その背後にあるものの責任を斟酌して量刑するのが社会正義に合致する」
と断罪している。
不思議な感情
犯罪者が公安のスパイだと暴露したケース。
アナーキストグループ「背叛社」のメンバーが、公判中に突如自らが警視庁公安部の協力者だったと暴露した。協力者の報酬として渡したカネが爆弾製造費に流用されたとの指摘までなされたこともあった。つまり、公安が犯罪を生み出し、治安悪化させ、そして、逮捕などの刑事捜査しないので、悪化を助長してる可能性が高い。
●不思議な感情
島袋修のケースでは沖縄県警を辞任した後、協力者「A-6」は自殺している。
いつのまにか「兄弟」のようにすら感じるようになっていた協力者自殺の衝撃が
公安警察官としての活動を著書としてまとめるきっかけの1つになったというが、
このケースに限らず、公安警察官と協力者の間には、しばしば不思議な感情が芽生えるものらしい。
ある若き公安警察官は自らがかつて
運営していた協力者がガンに倒れて亡くなった際、
知らぬ間に足が葬儀場に向いていたと言う。
「もちろん葬式に出席するわけにはいかない。
でも、近くまで行って式場に向かって手を合わせた。涙が出た」
別のベテラン公安警察官は証言する。
「一緒に危ない橋を渡っているという連帯感、シンパシー。それぐらいの関係が構築できなければ情報など取れない」
もちろん、公安警察官と協力者の間にセンチメンタルな感情の糸ばかりが絡み合っているわけではない。
多くの公安警察官の脳裏にあるのは、情報の対価としての協力者への配慮だ。
ところが「情報収集」と「事件捜査」、
言い換えれば「協力者の維持」と「犯罪の未然防止」
が相反して立ち現れる場面が応々にしてある。
例えば、ある協力者から「いつ、どこで爆弾を仕掛ける」、こんな確度の高い情報を得たらどうするか。
そして「私も犯行に加わるかもしれない」とも言われたら―――ある幹部公安警察官がこう語ったことがある。
「大して影響のないゲリラの1発ぐらいなら見逃がすこともある。
逆に事件検挙のため、協力者を切らざるを得なくても、徹底的にアフターケアする」
捜査によって協力者が逮捕などの不利益を被った場合、協力の事実の暴露に走る恐れもある。
実際に1969年、アジトで爆弾製造中に暴発させて逮捕されたアナーキストグループ「背叛社」のメンバーが、
公判中に突如自らが警視庁公安部の協力者だったと暴露。
協力者の報酬として渡したカネが爆弾製造費に流用されたとの指摘までなされたこともあった。
基礎調査
「協力者獲得作業は基礎調査に始まり基礎調査に終わる」と言われ、
様々なところから情報を集めてくる。
例えば、公刊資料には
「調査項目の事前検討と調査先の選定のために、既存資料の活用。
警備関係資料のほか、税務署・法務省・職安・市役所・陸運局などの官公庁の資料、消防署の家屋見取図、学校関係の資料(成績・家庭状況・進学希望など)も活用する」など、あらゆる情報を集めて、工作の資料とする。
もしかしたら、このような公安が集めた情報の中から、財産情報などをピックアップして、信者獲得の獲物として、統一協会に協力の見返りとして渡していた可能性もある。
●基礎調査
さて84ページの表をもう1度振り返ってほしい。
基礎調査は協力者候補の掘り起こし時点のみに行われるわけではない。
「協力者獲得作業は基礎調査に始まり基礎調査に終わる」とまで言われる。
対象選定——計画——接触——説得―獲得―運営
という1連の作業中も基礎調査は徹底して行われる。
基礎調査があらゆる情報活動の基本とされるゆえんだ。
調査対象も協力者など人に対する人的調査、
あるいは視察場所、協力者との接触場所など場所に対する物的調査があり、
公的資料を徹底して調べる公然調査、
身分や目的を完全に秘匿して行う非公然調査がある。
公刊資料には次のようなものがあると、
前出の島袋は公安警察官時代の講習ノートに記している。
「調査項目の事前検討と調査先の選定のために、既存資料の活用。
警備関係資料のほか、税務署・法務省・職安・市役所・陸運局などの官公庁の資料、消防署の家屋見取図、学校関係の資料(成績・家庭状況・進学希望など)も活用する」(『公安警察スパイ養成所』)
既述のとおり、基礎調査の対象データは広範で、利用される公刊資料といっても、
一般的にはプライバシーの壁に守られて入手できず、
警察への提供も制限されているものが含まれていることにも注目したい。
伊丹万作「騙されることの責任」
もちろん、「騙す方が100%悪い」のは紛れもない事実である。
その上で更に「騙されることの責任」を考えよう。

もう一つ別の見方から考えると、いくら騙す者がいても誰1人騙される者がなかったとしたら今度のような戦争は成り立たなかったに違いないのである。
つまり、騙す者だけでは戦争は起らない。騙す者と騙される者とがそろわなければ戦争は起らない。一度騙されたら、二度と騙されまいとする真剣な自己反省と努力がなければ人間が進歩するわけはない。騙されたとさえいえば、一切の責任から解放され、無条件で正義派になれるように勘違いしている人は、もう一度よく顔を洗い直さなければならぬ。
伊丹万作「戦争責任者の問題」より
