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「生成AI 導入の教科書」:これ読んだら、どんな企業でもAI活用したくなる

久しぶりにテクノロジー系の書籍を読もうと思い「生成AI 導入の教科書」を購入しました。購入の決め手は「導入の教科書」というタイトル。自分は情シス部門で社内業務の生産性向上やITを使った業務改善のプロジェクトを推進する立場でありエンジニアではありません。AIのテクノロジーや開発手法より、企業がAIを導入する価値や課題・導入プロセスについて頭の中を整理してくれるような情報を求めていたタイミングで、この本を知り、購入しました。
本書は、そんな「業務に生成AIを活用したい」「初めて生成AIを導入しようとしている」PMや企画担当などビジネスサイドの人に、激しくお勧めできる一冊となっています。

著者は「おざけん」さん。求人情報サイトを運営するディップ株式会社でAI NOWというAIに特化したメディアを運営しています。ディップ株式会社は、生成AI活用のアンバサダー(推進役)が250名。業務で使えるプロンプトが200以上あるとの事。もうこの時点で凄いですね。

▶︎はじめに

一言で言って素晴らしい本。具体的に素晴らしいと感じたポイントを5つ挙げてみました。

  1. 生成AIを導入・活用するために必要な最低限必要な知識が書かれている

  2. 非エンジニアでも分かりやすい言葉や例えで解説してくれる

  3. ビジネスサイドの人の関心毎に対して明確な方向性を示してくれる

  4. プロンプトエンジニアリングを丁度いい感じで解説してくれる

  5. ベストプラクティス(導入事例)を紹介してくれる


▶︎これだけは押さえたい「AIワード」

まずは生成AIの基礎知識から。Chapter1からChapter3までは「生成AIって何?」みたいな社内勉強会の導入部分で使える内容です。1つ1つ詳しくは取り上げませんが、この章の重要キーワードだけピックアップします(詳しく知りたい人は本を買ってね!)

AIを活用という切り口で分類すると、識別AI、予測AI、生成AIに分類される

生成AIには、テキスト生成、画像生成、音声生成、音楽生成がある

作るAIから使うAI」へ。ポイントは「大規模言語モデル」の進化にあり

生成AIの用途開発は「バーティカルモデル」と「ホリゾンタルモデル」の2つ。今後はバーティカルモデルのニーズが増加すると思われる

①ホリゾンタルモデル:業界を問わない生成AIの活用領域。具体的には顧客管理や顧客分析機能、議事録作成アプリ、問い合わせ対応チャットボット、自動スケジュール調整機能付き秘書アプリ、データ分析システムなど

②バーティカルモデル:業界に特化した一次情報を独自に言語モデル化して業界特有の課題を解決する。具体的には過去の案件情報や資料、議事録をもとに顧客に対する最適な提案や、顧客要求から仕様書や図面の作成支援などを行なう「製造業や建設業向けの業務支援システム」など


▶︎生成AIとDXとドラえもん

chapter2では、DXと生成AI活用の関係性について触れています。その中で生成AIを「ドラえもん」に例えた話が印象に残ったので、紹介します。これから求められるAIは「ドラえもんのようなエージェント型の汎用AI」である、と述べています。

画像を識別して間違いを見つける、文章を要約するなど、ある用途や領域に特化した課題を解決する「特化型AI」はドラえもんの「ひみつ道具」(タケコプターやどこでもドア)一つ一つである。

「生成AI 導入の教科書」 chapter2より引用&要約

統合化されたインタフェースを持ち、人間の代わりになんでもやってくれる(エージェント的な存在)「汎用AI」は、ドラえもんそのものであり、のび太くんが抱える課題を次々と解決してくれるのだ。

「生成AI 導入の教科書」 chapter2より引用&要約

 「ひみつ道具」である特化型AIは、DXの初期段階である「デジタイゼーション(AI OCRや音声認識に代表されるアナログのデジタル化)」や「デジタライゼーション(個別業務のデジタル化による生産性向上や意思決定支援)」で活用されています。

 特にデジタライゼーションの段階において、大規模言語モデルを用いた生成AIの活用が有効だと書かれています(データを活用した需要予測など)

一方で、業務や部門で分断された「つぎはぎDX・絆創膏DX(部分最適のDX)」が散見されるDXの現状に対しては、生成AI活用の観点から次のような警鐘を鳴らしています。

DX(デジタルトランスフォーメーション)は、企業の体質そのものを変革する「根本治療」であり、そのためには全体最適化された基盤システムと全社横断的に利用できるデータの整備が必須である。その基盤がないところでは、生成AIの本命であるエージェント型の汎用AI(ドラえもん)は活躍することができない。

「生成AI 導入の教科書」 chapter2より引用&要約

AIを本気で活用するには、DXの取り組みを根本から見直す必要があると言うことですね。


▶︎生成AI導入に失敗しないために

 chapter4からchapter6までは、より実践的な内容になります。企業内のAIプロジェクト推進者が一番知りたい「導入検討のプロセス」「成功するための体制作りやプロジェクトの進め方」「実現パターン(既存システムや世の中のソリューションの組み合わせ方)」について解説してくれます。

例えば、生成AIに特化したプロジェクトメンバーと役割について、具体的に示してくれます。

PM(プロジェクトマネージャ)
ドメインエキスパート(業務のプロ)
ソフトウエア開発者(インタフェースなどシステム全体の設計と開発)
機械学習エンジニア(独自開発の大規模言語モデルを構築する場合)

「生成AI 導入の教科書」 chapter6より引用&要約

さらに、プロジェクト推進者の大きな悩みどころである、実現方法について

・Chat-GPT・Bardなど、どのLLMモデルを使えばいいのか?
・Azure OpenAI Serviceなどのベンダーが用意するAPIを活用するのか?
・生成AIが組み込まれたパッケージ型サービスを利用するのか?
・全て独自で開発するのか?


選択肢が多くかつ技術の進歩が早いため、実現方法を決めることは非常に悩ましいのですが、本書ではこれらのパターンのメリット・デメリットを分かりやすくまとめられています。


▶︎プロンプトを使いこなして生成AIの「アンバサダー」になろう!

最後に、chapter7では、プロンプト・エンジニアリングについても、ちょうどいい感じで解説されています。

Webで公開されているプロンプト・エンジニアリングの解説ページよりも分かりやすく、身近な具体例でプロンプトの種類と使い方を解説。生成AIのキモであるプロンプト・エンジニアリング。企業で生成AIを活用するには、ある一定レベルのプロンプトを使いこなすスキルを持った人の育成が必須となります

プロンプト・エンジニアリングガイド(日本語版)


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