話が進む仕切り方(著)沢渡あまねさん
GWで少しだけスキマ時間ができたので、最近買った本の感想文でも書こうかと思います。ただ普通の感想文や本の要約では面白くないので、自分なりの捉え方やこの本の内容を実践してみた感想や課題も書こうと思います。
1.本の内容
表紙に書かれている通り、ファシリテーションを上手に進めるためのノウハウが詰まっています。「ファシリテーション」と言うと敷居が高く、一部のコンサルタントの人向けのテクニック本であるかのように誤解されますが、違います。この本は、誰でも参加している「会議」であったり「社内の色々な部門の人との対話」など、日常のコミュニケーションを上手に(いい感じに)やることで、仕事の成果を上げ、さらには組織自体を変えていきましょう!という内容なのです。
小難しい理論や、難解な言葉は出てきません。逆に、妙に腹落ちする「あまね流パワーワード」が散りばめられており、読んだ人は、できそうなところをすぐに(明日から)実践できるような構成になっています。
次に本の内容で自分が学んだことを書きます。
ファシリテーションの原理原則を理解できた!
冒頭にファシリテーションのコアサイクルが書かれており、まずはこれを理解することが重要。要は「ファシリテーションが上手い人がやってる基本的な要素」ですね。ここを読むだけでも価値ありです。信頼関係の構築の仕方を学ぶことができた
ブレストでも会議でも、結局相手は「人」。信頼関係を構築出来なければいくら立派に会議を仕切れたとしても目的は達成できない。そのためには歩き回ったり、相手を観察することも大切なんですね。参加者の気持ちを引き出すにはどうしたらよいか、学ぶことが出来た
新しいことやプロジェクトに他部門の人を巻き込む時、「無理やり感」や「やらされ感」満載で始まることありませんか?そんな時、相手の本音を引き出してそれを言語化し、相手が納得した形でスタートするにはどうしたら良いか、そんな自分の悩みに対するヒントをこの本は与えてくれました。
2.どんなことに役立つか
①リーダーや部門長など仕切るのが仕事の人
パワーワードでもあげますが「組織の変革者」「ファシリーダー」を目指す人なら、教科書のように読むだけでなく、すぐに実践することをお勧めします(自分ができそうな内容だけでOK)。上手くいかなくったって「まあ、いいか」くらいのつもりで。
②担当者や新入社員など、今は仕切る機会がない人
実はこの層にも是非読んで実践してほしいです。部やチームの会議や朝礼、進捗会議でもいいです。よーく観察して「なんか伝わってないぞ」とか「脱線ばかりでうまくいってないなこの会議」と感じたら、この本を読んで「こういう風にやれば会議はうまく進むのか」ということを感じるだけでもいいと思います。
3.購入したきっかけ
この本のあらすじを読んだ時、単に会議を上手に仕切るためのノウハウだけでなく、組織や仕事を変革していくリーダーの心構えも一緒に学べると思い、購入しました。
自分は情シス部門のマネージャとDXプロジェクトのサブリーダーをやっています。特に大規模なシステム導入の前段階では、社内のユーザー部門の人に業務ヒアリングをかけたり、ワーキンググループを作ってプロジェクト会議を開催して仕切らなければいけません。その中で「言いたいことがうまく伝わらない」「意見を引き出せずに場がシーンとする」なんてことが結構頻繁に起るわけです。特にオンラインなんかになるともう大変。プロジェクトの成否って、このコミュニケーションが上手くいくかどうかで決まる部分があるので、同じ課題を持った人は是非手に取って頂くことをお勧めします。
4.3つのパワーワード
景色を合わせる
沢渡あまねさんの本に頻繁に出てくるワードに「景色」があります。「半径5メートル以内の景色を変えれば組織は変わる」「景色を合わせることで全員がゴールに向かって正しく進む」など。この本にも「景色を合わせる」というワードで会議やファシリテーションを上手にゴールに導くためのプロセスや手順が書かれています。モヤモヤに名前を付ける
方向性や結論を導く会議の時に、全員が「うーーーん」ってなることありますよね?前向きな結論を出したいのに何か「葛藤がある」「悩みがある」状態。それを解決しないと先に進めない、的な雰囲気になることは多々あります。その「葛藤や悩み」を「モヤモヤ」と言っています。本書では、モヤモヤをすぐに解決しようとしないで、その状態を言語化してあげることで「共感」や「すっきり感」を形成することが大切だ、という。
「●●さんの考えは明確なんだけど、上手く表現できないという事?」「そうそう!どうアウトプットしたらいいか悩んでる!」
「なるほどね、ほかの人もそんな感じ?」ファシリーダー
ファシリテーターとリーダーを合わせた造語です。実はこの本の本編にはこの言葉は出ていきません。最後の最後「おわりに」でこのワードが登場します。ファシリテーターが比較的中立的な立場であるのに対して、自分の想いをもって組織の変革やプロジェクトを推進するリーダーは「完全中立」ではないはず。この本を読んだ人は、この両方の要素を持った人になって欲しい、という著者の想いが込められているワードではないかと思います。
