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帰れない日曜日【島小③#08】/離島の小学校編Season3 08

前回は、小中合同キャンプの前日までを書きました。
今回は、そこから少しだけ時間を戻します。
キャンプに向けた準備が進んでいた、その1週間ほど前のことです。

1.台風が近づく

土曜日、自分は本土の自宅に戻っていました。
ただ、気になっていたのは台風でした。

日曜日には島へ戻る予定でしたが、もともとその日は中学生の陸上大会が予定されていました。
大会が終わり、中学生が間に合い次第、最終便の船を出すという話になっていたので、船の時刻が早まる可能性もありました。

それなら、少し早めに2便で島へ渡っておいた方がいいかもしれない。
そう考えていたところへ連絡が入りました。
中学生の陸上大会は取りやめ。
明日の日曜の連絡船はどうなるかわからないとのことでした。

台風の進路図を何度も見ます。
本土にいても、頭の中はすでに船のことばかりでした。

2.日曜日、船は止まった

日曜日の朝6時30分、電話がかかってきました。
連絡船は欠航。
しかも、この日だけでなく、翌日の月曜日も1日動かないだろうという連絡でした。

前の日から何となくそんな予感はしていました。
2便ではなく1便で島へ渡っておこうか、とも思っていましたが、結局その1便も出なかったわけです。

これで、月曜日は臨時休校です。
すぐに子どもたちの家へ電話を入れました。

「明日は台風のため、臨時休校になります。」

そして火曜日については、連絡船がどうなるかで始業時刻が変わります。
そのため、1便が動いた場合と2便が動いた場合の2通りを想定して、あらためて連絡することになりました。

県内もかなり荒れそうでした。
夜になると、雨の音が聞こえ始めます。

明日の朝がピークらしい。
そう思いながら、何度も外の様子を気にしていました。

3.月曜日、台風の目

月曜日の朝は、ものすごい風と雨でした。
本土の自宅にいても、家が時々揺れます。

まだ暴風域に入る前でこの状態なら、本当に直撃したらどうなるのだろうと思いました。

PCをつけて仕事をしようにも、停電したらどうしようという不安があります。
学校で進めるつもりだった仕事もありました。
県総合部会の夏季研修会に関する文書や、7月の行事予定など、やっておきたいことはいくつもあります。

ただ、こういう時に限って、必要なデータは学校にあります。
データの同期をしておけばよかった。
そんなことを、今さらながら思いました。

昼前になると、風がぴたりとやみました。
台風の目に入ったようでした。
さっきまでの音が嘘のように静かになります。

けれど、これで終わりではありません。
しばらくすると、今度は吹き返しの風が来るはずです。

台風の進む速さは、自動車並みでした。
上陸してから、あっという間にこちらまで来たような感じでした。

4.火曜日、島へ戻る

火曜日の朝6時20分、教頭先生から電話がありました。

「1便が出ます。」

ようやく島へ戻れます。
子どもたちには前日のうちに、1便が動いた場合と2便が動いた場合の2通りで連絡してありました。
これで学校も動き出せます。

島へ着くと、まず停電で遅れていたチャイムの復旧です。
時計を合わせ、外の時計も直します。

それから子どもたちと一緒に、避難させていたプランターの花やウコッケイを元の場所へ戻しました。

ただ、全部が無事だったわけではありません。
せっかくツルが伸びかけていたひょうたんは、全滅でした。
これには少しがっくりきました。

3校時の空き時間には、7月の行事予定を作り、新聞店へFAXで送りました。
明後日からは、いよいよ小中合同キャンプです。
その前に、翌日は特別支援教育コーディネーター養成研修への出張もあります。

台風で止まっていた時間が、また一気に動き出しました。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
次回に続く。👇

前回の話👇

◆本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)👇👇

約25年前の2002年、船が生活のすべてを左右する離島の小学校に赴任しました。
予定通りにいかないことが当たり前の中で、学校と暮らしが地続きの毎日を過ごしていました。

そんな環境の中でも、子どもたちに自信をもたせたいと考え、総合的な学習の時間に取り組んでいました。
このシリーズでは、当時の日記をもとに、島での仕事の大変さと、その中にあるささやかな温かさを綴っていきます。

3年目2004年度の、Season3のお話です。

※本文中の地名・固有名詞は一部仮名としています。

離島の小学校編Season3👇

離島の小学校編Season1👇👇

離島の小学校編Season2👇👇👇


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