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間に合うのか、運動会 【島小②#24】/離島の小学校編Season2 24

2003年9月、怒濤の2学期始まりの1週間を終え、運動会の準備が始まっていました。

余談ですが、この頃よく見ていたのが「Dr.コトー診療所」でした。
離島が舞台ということもあって見始めたのですが、共感するところが多く、毎回感動しながら見ていました。
ちょうど最終回を迎える頃で、その余韻を感じながら過ごしていた時期でもありました。

その一方で、学校では運動会へ向けた準備が慌ただしく進み、総合的な学習の時間での学びを生かした競技づくりにも取り組んでいました。

前回の話👇

◆本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)

今から約20年以上前、2002年(平成14年)4月、県で唯一の離島にある小学校に赴任しました。
車も信号もなく、連絡船は1日3往復が命綱の島でした。
海の荒れる日は、移動そのものが大きな出来事になります。 島の仕事や暮らしは、天候と船の都合に大きく左右されていました。

少ない職員で学校を回し、小中の宿舎で生活をともにする日々が続きました。
予定通りにいかないことが、特別ではなく日常です。
また、島にはインターネット接続はなく、デジタルデバイドは広がっていくばかりでした。(※離島のデジタルデバイド編参照
そんな中でも,総合的な学習の時間で子どもたちに自信をもたせてやりたいと考え,取り組んできました。(※離島の総合的な学習の時間編①参照
そんな背景となるこの島での小学校編では、授業や行事だけでなく、島ならではの工夫や出来事、ここでしか味わえない体験の数々を、当時の日記を元に小さな学校と暮らしの記録として綴っていきます。

2年目2003年の、Season2(2年目)2学期のお話です。

離島の小学校編Season1(1年目の記録)マガジンはこちら

※本文中の地名・固有名詞は一部仮名としています。


1 運動会をつくる「買い出し」の一日

新学期が始まり、怒濤の1週間を終えて自宅へ戻った週末でした。
気持ちはどこかほっとしながらも、頭の中は次の土曜日に迫った運動会のことでいっぱいでした。
必要な用具をそろえなければならず、この帰宅は“休み”というより“準備のための出張”のようなものでもありました。

午前中は100円ショップへ向かいました。
目的の品を手際よく買うつもりで入ったはずが、棚に並ぶさまざまな道具を見ているうちに、「これを使えばこんな競技ができるかもしれない」と、新しいアイデアが次々と浮かんできました。

今年は新しい競技を考えていました。
ちなみに新しい種目は、昨年度の総合的な学習の時間の活動をヒントに「お魚天国・・・」と名付けました。

ちょっとした障害走のようなものですが、カードを引いてそれぞれすることが違うというものです。

※参考 お魚天国海辺のデジタル図鑑の実践👇

カードの内容はというと・・・。
釣り・・・紙の魚を釣り竿で釣る。
インタビュー・・・組合長さんと一緒に二人三脚でゴール。(ちなみに組合長さんにお願いをしておきました。)
HP作成・・・本部前に置いた画用紙に魚の絵を描き、みんなに見せる。
貝採集・・・背負ったかごの中に火ばさみで赤玉を拾う。
話し合い・・・中学生とキャッチボールをする。
デジカメ・・・校長先生とツーショットで写真を撮る。(運動会終了後、プリントアウトしてプレゼント)

といったものです。

まだ用具がそろっていなかったため、来週は子どもたちに一通りやらせてみて調整する必要があります。

午後にはPCショップに立ち寄り,アイロンプリント用紙も購入しました。
「風になろう,○島人」というテーマを入れたオリジナルTシャツを作る計画も進んでいます。
書道有段者の校長先生の書をスキャンして仕上げる予定で,こちらもまた楽しみな準備の一つでした。

2 宿舎での歓迎会の夜

島へ渡る船に乗る前、スポーツ店に立ち寄ってドッジボールを購入しました。
ついでに自分用のジャージのハーフパンツも手に入れました。

島に着くと、運んできた用具をそのまま学校へ運び込みました。
その夜は宿舎で歓迎会が開かれました。
9月から来ている産休代替の先生を迎える会で、普段なかなかゆっくり話す機会のない中学校の先生方とも交流できる貴重な時間でした。

宿舎の談話室での集まりは、飲み過ぎてもすぐ自分の部屋に戻れる気楽さがあります。
ただ、翌朝は6時から老人会や婦人会の方々と一緒に校庭の除草作業が予定されていました。
楽しい時間の中にも、翌朝きちんと起きられるかという不安がありました。

3 追い込まれていく準備と、迫る天気の不安

運動会の時期は夜遅くまで作業が続き、慢性的な寝不足でした。
それでも翌日が予行演習という日、演技図や放送原稿を係ごとにまとめなければなりませんでした。

原稿を一つひとつチェックしていく作業は想像以上に時間がかかりました。
事務局として全体を見ている立場上、どこか一つでも抜けがあれば全体に影響します。

最終的には教頭先生や校長先生にも手伝っていただき、ようやく21時にすべてがそろいました。

しかし、もう一つの大きな不安がありました。
台風です。
この時も雷が鳴り、激しい雨が断続的に降っていました。
もし土曜がだめなら日曜、さらにだめなら月曜へと順延されますが、そうなれば授業や代休にも影響が出ます。
できることなら一度で終わらせたい、そう思っていました。

4 無理を通してでも進めた予行と、残りわずかな時間

予行当日の午前2時頃、激しい雷と雨が校舎を打ちつけました。
朝になっても雨は止まず、実施は難しいかと思われましたが、昼前になってようやく空が落ち着き始めます。

その日のうちに予行を行わなければならない事情がありました。
予行後には小中合同の職員会議が控えており、翌日はPTA作業が予定されていたためです。
最初は体育館での実施を考えていましたが、グラウンドのトラック部分は何とか使えそうでした。
フィールドには水がたまっている状態でしたが、できるところだけでも進める判断をしました。

入場行進や開会式、ラジオ体操は外で行い、その他の種目は体育館へ移動して実施しました。
完璧とは言えないものの、「なんとかやりきった」という実感の残る予行でした。
運動会まであと3日、準備はまだ残っていますが、いよいよ本番が見えてきました。

5 地域とともに整える運動会前日へ

運動会前々日、15時半になると町の方々が集まり、テント設営とあわせて作業が始まりました。
お願いしていたのは、学校裏の排水溝の土砂を取り除く作業です。
裏山から流れ込んだ土で溝が埋まり、雨のたびに運動場へ水が流れ込む状態が続いていました。

多くの人の手が加わると、作業は驚くほどの速さで進みます。
重労働ではありましたが、地域の力の大きさを改めて感じる時間でもありました。

無事に作業が終わり、これでグラウンドの状態も少しは改善される見込みが立ちました。

その後は運動会用のTシャツづくりに取りかかりました。
準備していたデザインを形にしながら、いよいよここまで来たのだという実感が湧いてきます。
すべてが整い、あとは本番を待つだけというところまでたどり着きました。

明日は運動会前日です。
あとは雨が降らず、無事に準備が終えられることを祈るばかりでした。

次回に続く・・・👇


離島の小学校編Season2(2年目2003年度)はこちら👇👇

離島の小学校編Season1(赴任1年目2002年度)はこちら👇👇👇

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