ギャンブル好きの部長をUNOの沼に沈めたら、送別会で「4億の借金」を請求された話
統括部長のGさんは、無類の博打好きだった。
特に麻雀を愛し、会議の後、飲みにも行かずにそのまま麻雀大会が始まることも珍しくなかった。
しかし、残念ながらわたしの営業所には、若手からベテランまで麻雀ができる者が一人もいなかった。
会議に訪れるたび、G部長は「この営業所に来ても、ちっとも気持ちが乗らん」とまで言い出す始末。
そこで、トミセンスは考えた。
麻雀がダメなら、別の賭け事の虜にしてやればいい。
ある会議の後、わたしはG部長を誘い、若手社員を交えたトランプゲームの「大富豪大会」を企画した。
部長はこのゲームが初めてだったらしく、2回ほど練習した後に真剣勝負へと移行した。
だが、勝負師というのは何をやっても強いのだろうか。瞬く間にルールを理解すると、そこからは部長の連戦連勝となった。
それ以来、部長が営業所に来ると、会議後に必ず集合がかかり、夜な夜な大富豪に勤しむことになった。
しかし、毎回勝ち続けると、流石に飽きがくる。
そこで、トミセンスは第2の提案をした。 「UNO(ウノ)」である。
アメリカ生まれのこのゲーム。カラフルなカードを使い、相手の手持ちを読みながら作戦を練る、なかなかの頭脳戦だ。
さらに、一発逆転もあるハラハラドキドキの展開も魅力である。
G部長はこのUNOの魅力にもどっぷりハマり、会議後のゲームはUNOが主役となった。
ちなみに、1回1回のゲームでは点数を厳密につけ、真剣に戦った。その記録は、G部長が手帳に細かくつけていた。
そして2年後、G部長の転勤が決まった。 営業所でも盛大な送別会が実施された。
「トミセンス、ちょっと来て」
宴もたけなわの頃、G部長に呼ばれた。例の手帳を取り出し、彼は真顔でこう告げた。 「君は、この2年で4億3,200万円の負けね」
絶句した。
なんと彼は、勝手にレートを決め、一人で収支を管理していたのだ。
トミセンスもカイジの世界に足を突っ込むのか!
「まあ、この借金はチャラでいいから。その代わり、会社に4億の利益を出してちょうだいね」
どこまで賭け事が好きなんだ、この人は。 送別会の後、「ラストUNO大会をするぞ」と、わたしたちは当然のように夜の街へ連れ去られるのでした。
