【大誤算】「クールビズだぞ」と言われた結果➔本部長のブチギレで“汗だくフル装備”に戻った話
「よし、来月からクールビズだぞ」 伝統を重んじる古臭い社風のわが社も、ついに世間並みになるのか。
特に若手社員は大いに盛り上がった。 しかし、不安な点が一つあった。その基準が「相手を不快にさせない装い」という、極めて抽象的なものだということだ。
結果、皆、恐る恐る着地点を探ることになった。
まずは、ネクタイを外して出社してみると、誰も何も言わない。
靴をスニーカーにしてみる。
黒の無地なら大丈夫そうだが、ロゴ付きや黒以外は注意された人がいるという情報が入った。
上着を着ないで来てみたが、これも客先訪問がなければ大丈夫そうだ。
Tシャツを着てみる。
これは、難色を示す人が多数。
やはり襟は必要だということだ。
ズボンを折り目のないもので行く。
案の定、「折り目はどうした」と叱られた。 こんなことを繰り返しながら、何となく営業所の基準なるものが出来上がりつつあった。
そして7月末の営業会議。
本部から本部長が参加することになっていた。 会議が始まり、本部長から開口一番。
「なんだこの営業所は! だらしない恰好をしやがって。大事な会議だろう! 正装して来い!」
トミセンス以下寮生は、昼休みに寮に戻り、長袖のシャツにネクタイを締め、上着を着て午後の会議に参加した。
ネクタイの結び目に、じっとりと汗が滲んでくる午後の会議だった。
今やハーフパンツで出社する奴もいる。
日本の夏は暑くなった。
