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こんな母を許してほしい。最愛の息子へ。【お前の偏愛を語れコンテスト】

【プロローグ】

 「お母さんがつくってくれるご飯が大好き!」と言ってくれたり、味の濃いものを食べ過ぎると出汁の味が分かりにくくなるのでは?と心配したりしている息子よ。これから書く母の告白を読んだら、母に幻滅してしまうかもしれない。ほんとごめん。先に謝っておく。

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 母は、甘いものには目がないが、なぜか味がほぼないような食べ物も大好きだ。赤ちゃん用のお菓子も大好物である。味のないおせんべい、例えばハインハイン。赤ちゃん用に味を極限まで薄くしたスナック菓子。沖縄の天使の羽も好き。でもちょっと塩味が強いかな。もう少し味がない方がベター。

 味のないものランキングで断トツ1番好きなのは、麩だ。敬意をこめて、私はいつも「お麩」と呼んでいる。(「おふ」と打っても、漢字で変換されなから、メジャーな呼び方ではないんだろうね。)

 今まで信頼のおける友人、知人数名に、「お麩をそのまま食べるのが一番好きなんだよねぇ。」と言っては、「はぁ。」とちょっと意味わからないですみたいな反応をされてきた。

 「麩はお吸い物におまけで入っているものでしょ?」というのが一般的な考えのようだが、私の場合は、お麩メインでお吸い物がおまけになってしまう。例えば、2杯のお吸い物(味噌汁で代用も可)があったとすると、お麩1袋食べられる。いや、お吸い物がなくても、そのままのお麩を一袋完食することもピースオブケイクである。(のりで、ルー大柴を召喚してみる)

 私がお麩好きになったのは、幼い頃、母がお麩を食べさせてくれたからだ。残念ながら、両親と兄弟たちはお麩にははまらなかったようで、誰もこのおいしさを理解してくれない。唯一、黒糖や砂糖がついた麩菓子は全員好きなのだが、そうじゃない。そのままのお麩で充分おいしいのに。

 というか、お麩にも色々種類があるでしょ?丸くて大きいの。丸くて小さいの。輪切りになったもの。まわりが少しかたいもの。カラフルなの。私にも好みがある。

 先日、私の好みどんぴしゃの手焼きのお麩を見つけて、ほくほくで2袋買ったのだが、1袋がスーパーのレジ袋くらいの大きさだったため、レジで二度見された。「一袋は自宅用で、もう一袋はお土産なんですよ。」みたいな表情を装っておいた。でも実際はこんな量は楽勝だし、すぐなくなる。

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【エピローグ】

 私はもう一人ぼっちではないのだ。実は息子が赤ちゃんの頃から、お麩のおいしさを伝えるために早期教育をしてきた。息子もおやつにお麩をそのまま食べる人なのだ。二人でお麩を分け合って、「おいしいね!」と微笑みあう同志なのだ。
 今まで理解してくれる人が現れなかった私の偏った好みを、世界で一番大好きな息子が理解してくれる。私は最高の理解者を得てしまった。それだけで、世界は優しいんじゃないかと思える私は、ほど良い具合に偏っていると思う。

 願わくば、息子に偏った味覚を伝えてしまったこんな母を、笑って許してほしい。

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【コンテストに参加した理由】

 ひろいnoteの世界なら、もしかしたら「お麩そのまま食べてもおいしいよね?」に共感してくれる人が見つかるのでは?と思いつつ、どうしても記事を書く勇気もアップする勇気もでませんでした。
 今回無職さんの企画を見た時、「あ、このトピックなら書けるんじゃ?」と閃きました。チャンスをいただき、ありがとうございました!

なんでもいいです。
むしろ、よくわからないものの方がいいです。
この企画で大事にしたいのは「役に立つか」じゃなくて「どれだけ偏ってるか」です。

・誰にも理解されなくていい
・むしろちょっとキモいくらいでいい
・語りすぎて引かれるくらいがちょうどいい

そのくらいの温度感が、一番おもしろい。

無職さんの「お前の偏愛を語れ」コンテスト


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