追伸:自己紹介
自己紹介で人生を振り返ってみたら、ほぼ「運」だなって気がつきました。
昨年の2024年は、とても思い出深い1年になりました。監督した『東京ランドマーク』という映画が上映され、細々と、時には無茶をしながら、日本各地の映画館や映画祭で上映してもらいました。叶うならば2年目になる今年ものんびり上映していきたいなと思っています。
『東京ランドマーク』info
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思い返すと、幼少期からずっと何かを作り続けてきた人生だったと思います。
子供の頃はみな総じて、何かを作ることに熱心で、僕もそんな子供の1人でした。
変わったところがあるとすれば、完成した作品を誰かに見せることもなく、こそこそと自分だけで楽しんでいる子供でした。
周りの友達が次々に物を作ることから離れていき、勉強にシフトしていくのを感じつつも、僕は変わらず物作りに明け暮れていました。
例えば、本気でタイムマシーンを作れると信じて、夢中でダンボールを切り貼りし、カラフルな時空のうねうねにも耐えられるよう二重構造にしました。完成した機体には"アインシュタイン”と名付け、いざ、乗り込みます。息を整え、ポジションを確認。機内に取り付けた小窓から外の様子を伺う。誰もいないリビング。異常なし。手作りのハンドルが壊れないよう優しく握りしめ、ゆっくりと目を閉じる。次第に激しくなる機体の振動を感じる。胸の鼓動が振動に合わせて高鳴っていく。ドクンドクンドクン。すでにテンションは限界値。心臓がはねる。
トクン
行ける!すかさずコックピットから“ピピピピ”と機械音が聞こえてくる!気がする!エンジンを動かす原動力は、まごうことなき、信じる心!貫く勇気!
「未来へターイムトリップ!!」奇声を上げてボタンを押した。
ーーー静かになった機体の中で、ゆっくりと目をひらく。
小窓から外の様子を伺う、
静かに、注意深く、
ーーー・・・
学校の成績は最下位でした。中学に入るとあだち充先生の『H2』に感化され野球を始めました。大型犬も飼い始めてしまったので毎日の散歩が忙しく、当然勉強する暇もない。学校の教科書はパラパラ漫画で埋め尽くされ、学習ノートは創作のネタ帳。思いついたことはなんでも書いていました。
高校受験を視野に入れた三者面談では、成績に危機感を覚えていた母が「勉強をしてほしい」と初めて僕に打ち明けました。先生からも言ってあげて下さい。そんな気持ちだったのだろう。幸か不幸か、担任は美術の先生でした。
「お母さん。林くんは、このままがいいと思います。このままで大丈夫です。」
担任の勧める美術推薦も、念願だった野球推薦も、なぜか気乗りせず断ってしまった。みんなと同じように勉強して、受験戦争に参加し、地元で一番目つきの悪い学校に入ろうと考えていた。なぜ頑なに推薦を嫌ったのか、今思い返しても謎です。思春期だったのかもしれません。推薦はズルだと感じていたのかもしれません。意味もなく勉強をサボってしまったツケとその罪悪感をどこかで償おうとしていたのかもしれない。複雑な時期でした。
ヤンキー漫画を読んでは恐怖に震え、受験勉強がまったく進まない毎日。僕の代わりに将来のことを真剣に考えてくれた両親は、僕を単身アメリカへと留学させる決断をしました。決して裕福な家庭では無く、しかも3人兄弟だったので、大変な出費だったと思います。親は偉大です。
そんな親の苦労に気づくこともできないまま、アメリカの生活にも慣れてきた頃、何故か母国語が恋しくなり、日本語の本ばかり読むようになりました。あとで知ったのですが、ホームシックならぬ母国語シックと言うものもあるそうです。
理不尽な態度をとってくる相手に対して、わざと日本語でまくしたてる。白けたその場の空気から、『ああ、ここでは日本語って何の意味も持たないただの音なんだ』と感じて寂しくなったりして、メンヘラ街道をサイクリングしていました。言葉や音に対する執着はこの辺りに芽生えたものかも知れません。
そんなこんなで退学になって、ホームレスを経験したり、やっと見慣れたツインタワーが崩れ落ちてきて戦争が始まってしまったり。笑えない。
割とハードでストイックな高校生活の中、血眼でもぎ取った卒業証書を手に帰国。手に入れた帰国子女枠のシード件をあっさり手放し、就職氷河期に争うこともせず、バイトを始めました。血と汗と涙の膨大な投資。親には懺悔です。
カメラ販売員のバイトをしながら、興味のあった俳優のワークショップに参加し、そこで出会った俳優の3人と自主映画を撮ることになりました。それをきっかけにカメラとパソコンを買い、独学で動画編集を覚え、闇雲に作りつづけました。映画制作は自己完結の作業(脚本や編集など)と共同作業(役作りや撮影など)を行き来して作っていくため、ある意味当ての効かない創作活動は刺激的で楽しかった。
続けていく中で、映像の仕事を引き受けるようになり、次第に受注量は増えていきました。そんな感じで個人事業主として今日まで10年くらい、ヒーヒーキャーキャー言いながら生きながらえています。
最後ざっくりまとめてしまいましたが、小さい頃から誰に見せるでもなく、ただ楽しくて続けてきた自分勝手な創作活動が、いつの間にか誰かと出会ったり向き合うきっかけになっていました。友人や仲間に恵まれ、作りっぱなしだった作品を「映画」として担ぎ上げてくれました。映画館にも恵まれ、上映が続き、そんな映画を大切に思ってくれるお客さんがいることを知りました。
人の縁に恵まれた運の良い人生だと思っていますが、"もしもあの時こうしていたら……"と考えることも沢山あります。どんなに言葉を尽くしても、伝えきれない思いはあるし、どんなに頑張っても、叶わない願いもある。どんなに悔いを嘆いても、取り戻せない時間もあります。ただ、そういうものも、今の自分を支えてくれてる気がします。
あの時、ダンボール製のタイムマシーンに乗った小さな僕は、アインシュタインの小窓からどんな未来の景色を見ていたんだろう。と、思い出しながら、感謝を込めて自己紹介を終わります。
自分勝手に作り続けた日々が、初めて誰かに届いた気がします。
追伸:
もしかして自己紹介になってないかもと途中から分かってはいたのですが、それもまーいいかなと。自己紹介って難しい。自分の話ばかりで映画の紹介も出来てないですが、それでも人生を振り返るいい時間になりました。改めまして、最後までお読みいただき、ありがとうございました。よかったらフォローのほどよろしくお願い致します!以上、水瓶座のO型でした。
映画『東京ランドマーク』上映情報
別府ブルーバードシアター
9/5(金)〜9/11(木)(1週間限定)
9/5(金) 18:10〜19:29★
9/6(土) 18:10〜19:29★
9/7(日) 14:15~15:34★
9/8(月) 14:15~15:34★
9/9(火) 18:50〜20:09
9/10(水) 18:50〜20:09
9/11(木) 18:50〜20:09
★は上映後に舞台挨拶させていただきます。
⚫︎劇場HP
https://www.beppu-bluebird.info/東京ランドマーク/
⚫︎映画公式SNS
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Instagram: https://www.instagram.com/tokyo_landmark/

