【古典邦画】「妻の日の愛のかたみに」

安易だけど、泣かされてしまった…。

若尾文子さん主演の、1965(昭和40)年の、富本壮吉監督の大映作品「妻の日の愛のかたみに」。YouTubeにて。

歌人・池上三重子の手記を基に、木下惠介が脚本を書いた。

仲睦まじい、文子さんと船越英二の教師の新婚夫婦。ところが妻が突然、難病の“関節リュウマチ”に冒され寝たきりに。死にゆく長い闘病生活となるが、夫のために離婚したいと言う妻と、それを進言する身内と世間を拒み、献身的に看病をする夫の愛の物語。

病人とは言え、変わらず美しい文子さんだが、子供を産めない嫁とは離縁するという風習が根強く残る九州の古い風土気質がある故に、逆に相思相愛の想いが燃え上がる。しかし…。

「残酷に 夫突き放し 寝かしめて 病める女心は悲しくてならぬ」
「妻にしく 女無しなど 憚らず 哀しき夫が動く言うとぞ」
「思いきり 奪われてみたし わが体 すこやかな日の夜の如くに」
「来世あらば 身健やかに 夫に添わん 碧明るき空に柿照る」
「妻の日の 愛のかたみよ あどけなく 髪亜麻色に坐る人形」

実際の、「書くことは生きること、心の平穏を得ること」とし、多くの歌を詠んだ歌人の池上三重子氏は、同じ病気で50年間も寝たきりだったが、83歳まで生きた。

デコちゃん(高峰秀子)もそうだが、文子さんのちょっと鼻にかかったような低音ボイスがまず魅力的だ。

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、又かくのごとし…あゝ無常。

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TOMOKI 脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。

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