【古典邦画】「村八分」
1953(昭和28)年の近代映画協会他作品「村八分」。YouTubeにて。
監督は、コレがデビュー作となる今泉善珠。脚本が新藤兼人。
映画公開の前年に、静岡・(現)富士宮市で実際に起きた、村で行われた参議院議員補欠選挙の不正を新聞社に投書した女子高生とその家族が地域住民に“村八分”にされた人権侵害事件を映画化したもの。
どうやらこの不正を支持したのは、やはり自民党で吉田茂らしい。不正選挙で当選した地元有力自民党議員は死ぬまで議員を務めた。
程度の差ややり方の違いはあるものの、令和の現代でも、地域の和を乱したとして、同様の案件が起こっていると聞く。ったく。
映画の出来は別にして、同村では、選挙を棄権する住民が多くて、棄権防止という名目の下、棄権するなら代わりにと組織的な替え玉投票が公然と行われていたという。選挙管理委員会もコレを黙認していた。
この不正を知った村の女子高生、石川皐月は朝日新聞社に投書をしたのだ。
映画では、不正選挙よりも、投書を知った村人の女子高生と家族に対する仕打ちとも取れる“村八分”行為に焦点を当てている。
挨拶もしない、田植えの手伝いもなし、女子高生の奨学金を停止させようとする、アカ、スパイと野次を浴びせる、地元の新聞が父親の借金など素行の悪さを書くなど、警察や地元報道も“村八分”行為に加わった。酷いものである。
高校の校長が言う。「世の中は難しいもので、理想と現実は違う。正しい行為が正しいとは限らない」。同級生の男子が言う。「女のやることじゃない。暴露主義だ」。
不正でなくても、和と秩序を重んじるあまり、排外的になってしまうのは、日本の共同体の特徴であるみたいだ。
新聞記者に山村聰、理解ある先生に乙羽信子、女子高生に中原早苗が出演する。
当時、この映画のロケも妨害されたらしい。






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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。