髪を切るたびに思い出すこと ― 68歳、自分らしい髪との付き合い方 ― 2026年7月12日(日)R8
## 美容院がぜいたくだった頃
私は33年間、高校の英語教師として働いた。
教員の給料は決して少なくはなかったが、わが家には二人の子どもがいた。
私の給料は、ほとんど子どもたちの教育費に消えていった。
だから、自分の美容にお金をかける余裕はほとんどなかった。
洋服も最低限。
美容院もできるだけ節約して、千円カットに通っていた。
ところが、髪を切ってもらって家へ帰ると、どうしても気になる。
私は髪の量がとても多い。
左右の重さが違うように感じて、自分で少しずつ切り直していた。
## セルフカットとの出会い
そんな頃、セルフカット用の道具に出会った。
半信半疑で使ってみると、不思議なくらい自分には合っていた。
それ以来、もう10年以上、美容院で髪を切っていない。
今では、お風呂場が乾いているときに髪を切る。
掃除機で髪を吸い取り、体についた髪を払ってから髪を洗う。
新聞紙を敷いて部屋で切っていた頃より、ずっと楽になった。
長年試行錯誤して、自分なりの方法にたどり着いた。
## 小さなぜいたく
くせ毛なので、どうしても髪がまとまらない時がある。
そんな時だけ、市販のストレートパーマを使う。
美容院のように真っすぐにはならないけれど、それでも少し気分が変わる。
私にとっては、それが小さなぜいたくだ。
白髪もずいぶん増えた。
教員だったせいか、退職しても茶色い髪にしたいと思ったことは一度もない。
ヘナも黒を選ぶ。
お風呂でヘアキャップをかぶり、体を洗っている間だけ少しずつ染める。
毎日少しずつ続けると、不思議と自然な黒さが残る。
「髪、黒いですね。」
そう言われることもある。
## 自分らしく歳を重ねたい
年齢を重ねれば、いつか白髪はもっと増えていくだろう。
いつの日か、真っ白な髪になる日が来るのかもしれない。
でも、今はまだ少しだけ黒さを残していたい。
若く見られたいからではない。
長年付き合ってきた、自分らしい髪でいたいだけなのだ。
髪を切るたびに、子育てに追われていた頃のことを思い出す。
限られたお金の中で工夫して暮らし、自分でできることは自分でやってきた。
68歳になった今も、その暮らし方はあまり変わっていない。
それもまた、私らしさなのだと思っている。
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