シロクマ文芸部 風が吹く
「とても優しい記憶」
風が吹くと
あなたの髪がなびく
新しい春の木漏れ日は
まるで
門出を祝うかのよう
たくさんくぐってきた桜のトンネルは
今年も美しいピンク色
好きだよと
言った方が良かったのかな
それとも
そのままで良かったのかな
今は遠くから
あなたを見ていないふりをして
時々の諦め
春ですね
とても優しい
それは
今日しかない温もりです
まだ
少しの冷たい風が残る中
ゆっくりと休みながら
空を眺めています
昔見た青空と違う
新しい日の空
薄らいでいく
あなたへの記憶に
まだ言えない
さようならがあります
