ゴミムシ×ダンゴムシ。同居のススメ。
何年か前から試している事なのですが、自分はゴミムシ類等の肉食昆虫を多頭飼育する際はダンゴムシと同居させる場合が多いです。
主に残り餌を処理してもらう事と、大量の湿らせた腐葉土での飼育で渇死を防ぐ事、ダンゴムシの常在菌等による防カビを目的としています。
ごく限られた湿地環境に依存して生息するアオヘリアオゴミムシやオオサカアオゴミムシ、スナハラゴミムシ等や大型のキタマイマイカブリも腐葉土飼育で雑多に同居させていますが、問題が起こった事はありません。
マイマイカブリやオサムシ等の大型甲虫は飢えがピークに達すると、ダンゴムシを捕食して飢えを凌ぐ場面も見られました。
通常は興味を示しません。

自宅では視認性の良さも含めて、アルビノのオカダンゴムシを同居させています。
黄色いカタツムリは国内外来種のコハクオナジマイマイです。


この飼育方法にしてからは残り餌やカビとは全く無縁の飼育になりました。
2年以上掃除をせずとも安定して飼育できています。手間といえば半年に一度腐葉土を足すくらいでしょうか。
(それでも定期的に古い床材を半分ほど交換する方がダンゴムシ飼育においてはベターですが)
ダンゴムシの糞には防カビ効果のある成分が含まれていたり、土壌をダンゴムシが安定して住める環境に落ち着かせる効果があります。
恐らく、常在菌やpHの問題でしょう。
そうした情報は以下のリンクで紹介されている片岡柾人さんが小学生の頃から研究していたものです。
自分はこのニュースを見たのちに、この記事で紹介する飼育法に切り替えました。
「ダンゴムシ 防カビ」で検索すると片岡さんが小学生の時の研究発表等が見られます。
また、「ダンゴムシのような節足動物を殺す細菌の繁殖も抑えられているらしい」との事。
今のところゴミムシに対して負の影響は見られません。
ゴミムシを含む昆虫に寄生する菌類、ラブルベニアの抑制も、もしかしたら可能なのかもしれませんね。

ただし、繁殖を目的とする期間では全く適していない飼育法だと言えます。
ゴミムシ類の大半は泥で卵を包んだ
マッドセルと呼ばれる物を作り、それを草本等に付着させる事で産卵を行う生態なので、腐葉土環境だと少々都合が悪い上に卵の発見も難しくなるのです。




産卵に適した泥が無いと、成熟した卵から順にそのまま産み捨ててしまう事がほとんどですが、この飼育環境では産み捨てた卵もマッドセルに包まれた卵もダンゴムシに捕食されてしまう場合が大半でしょう。
そのため、産卵シーズンにはダンゴムシを同居させず、泥や砂を床材とした飼育に切り替え、ケース内の飼育種数も単一としましょう。(複数のゴミムシを入れると生まれた幼虫の正体が分かり難くなります)
床材に砂を使う場合はマッドセルが視認しやすくなり、回収が容易となります。
ただし、やはり泥が無いとマッドセルは作られないため、ケース内に湿らせた泥を入れた容器を別途設置します。
以下はマッドセルを作っているアオヘリアオゴミムシの動画です。
なるほど…こうしてマッドセルを作るのか… pic.twitter.com/yeCTBkXZ8r
— トモロウ (@Day_after___) September 7, 2022
アオゴミムシ類、ヒョウタンゴミムシ類、スナハラゴミムシ類など、多くの湿地棲ゴミムシの繁殖期は梅雨時期〜夏期ですが、ヒラタゴミムシ類やマルクビゴミムシ類などの多くは秋〜早春にかけてが繁殖期です。
その時期を目安としてダンゴムシ同居を切り替えています。
繁殖期以外での同居飼育のデメリットとして浮かぶのは、常にダンゴムシとゴミムシが接触してストレスになり得るという点、ダンゴムシの糞による揮発(防カビ)成分がゴミムシに与える影響が未知数である点でしょうか。
しかし、ゴミムシ自体が他個体との接触が多くても寿命まで生きてくれる事と、ダンゴムシがゴミムシを食害するのは難しい事、隠れ家となる腐葉土を増やせば接触も減らせる事などから、大きな問題になった事は一度としてありませんでした。
また、ゴミムシを含む土壌生物とダンゴムシが大量に同居しているシーンは野外でも頻繁に見かける事、ゴミムシの羽化後から翌年の繁殖期以降までをダンゴムシと同居させてもほとんどが平均寿命以上の期間を生存した事などから、負の影響は比較的少ないと考えています。
この飼育方法を試した感想や懸念点、疑問点、ゴミムシ以外でも試した結果などがあればコメントやリプライ等で教えていただけると嬉しいです。
ただし、甲虫類の成虫以外では脱皮中にダンゴムシから食害される事が懸念されるのでご注意ください。
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