5月は、窯の手触り

うちには、絵付皿が2枚ある。
3人兄妹の上2人が、幼稚園の恒例行事で作ったものだ。

末娘が年長のとき、コロナの影響で絵付皿づくりは出来なかった。
陶芸教室的なものを探しても、まぁまぁする上に、1クラス分くらいの頭数を揃えないとそもそも開催できないことを知った。

上の2人がメインのおかずを盛り付けるとき、末娘がどこか寂しそうな表情を見せていた気がしたのは、親バカのせい?


2024年は、わたしにとって「自分軸元年」。

アートや「丁寧な暮らし」に少しづつ着手し始めた年だった。
GWに初めて行った茨城県笠間市の陶炎祭(ひまつり)。パートナーがずっと気になっていたようで、子どもたちがある程度大きくなった今、わたしは付け焼き刃の知識とともに、家族全員で回った。

数え切れないほどのテントに圧倒されながら、気になったお皿やカップの手触りを確かめていた。
また、初めての野点体験で抹茶を味わったイベントでもある。

子どもたちも、思い思いにお小遣いと相談しながら見て回っている。
そうか、こうした時間から既に「丁寧な時間」は始まっているのだなと、今までとまったく違う過ごし方と心持ちを噛み締めていた。


わたしが買ったのは、「気がつけば空き箱になっている」でお馴染みの、スティックカフェオレ用のマグカップ。
いつもの時間が、魔法の時間になった。

末娘は、一緒に回って値段も手頃で、趣のある皿を選んだ。さすが、審美眼がある。いや、末娘のこと好き過ぎでは。
末娘にとっても、夕食がたのしい時間になっていればうれしい限りだ。

3兄妹のお皿

あれ、よく見るとパートナーも、いつの間にか陶器のおかず皿を選んでいる。

なるほど、どうやら今度は、わたしのお皿みたいだ。

了(703文字)


凛花さんの『月刊tote』5月号、”5月×暮らしのエッセイ”企画に参加させていただきました!

プロフィール

灯火(ともしび)
 適応障害から復職したベンチャー会社員&パラレルワーカー。メンタルヘルスやアート分野を発信中。

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