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復月に、根を下ろす

子どもたちとの動きの兼ね合いもあり、巣ごもり的な8月が終わると、9月は一気にアクティビティとアートが色づいた。10月もパートナーとふたりでの美術館ハシゴ。絵画はなく建物や文化、そして、植物や七宝焼きなど、どれもこれもわたしの教養という織物を力強く編み込んでいく。

11月は、GWほどの規模ではないが、また笠間で陶器市が開催される。
以前より勝手はわかっている。今度はパートナーと2人だけで行った。

色々なことに興味を持って動いている内に、不意にぶつかったことがある。
いや、それは陶芸・彫刻・西洋絵画・文学どれかに興味がある人なら、誰もが通る道なのかもしれない。

せっかくなら、今住んでいる地域にゆかりがある人のことも調べてみよう。何気なくそう思ったときだった。
千葉県我孫子市は、白樺派の文人たちが集まっていた場所だ。

文人だけではない。「民藝」と言えば外せない柳宗悦が、たくさんの文化人を繋げた。その中には益子焼の「中興の祖」と言われる濱田庄司や、原田マハさんの『リーチ先生』でも描かれているバーナード・リーチも含まれる。

さらに言うと、同人誌『白樺』は、ロダンや後期印象派と言われるセザンヌやゴッホをいち早く紹介したとされる。
何というか、すべて繋がった気がした。いや、恐らく、そこにわたしが理想としている世界に限りなく近いものがあったのだと思う。

わたしは、東京で生まれてから記憶がない内に札幌に越した。
札幌から、小学2年生の終わりに千葉に移った。
大学まで居た千葉のマンションは賃貸のため、わたしが帰る場所ではもうない。就職後も転勤が多かった。

移動を移動としか捉えないわたしにとって、日本の景色は3種類ぐらいしかない。つまり、特定の土地に愛着がない、根無し草だった。
でも、今は違う。この藝術を愛した人たちの交差点を愛しているし、誇りに思う。

適応障害で休職してから、長い時間をかけて自身の生き方を見直した。
noteを始めて、美術館に行くようになって、貪るように吸収していった先がまぶしいのは、きっと人生単位で見たときに、一陽来復だったのかもしれない。


(868字)

凛花さんの『月刊tote 11月号」への寄稿エッセイでした!
*ちなみに、11月号はエッセイとは別に掌編小説も募集されていますよ!

プロフィール

花邑 灯火(はなむら ともしび)
 適応障害から復職したベンチャー会社員&パラレルワーカー。アートや捉え方の視点などを発信中。

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▽このYouTubeに出逢って、一気に惹きこまれました!!▽
シリーズ「我孫子を愛した文人たち ~なぜ白樺派が集まったのか~」 (我孫子市制施行50周年記念事業)

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